面倒見が良い大学ランキング2021(近畿編)

教育
面倒見が良い大学ランキング2021(近畿編)

写真=大阪大学のマチカネゼミ

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「面倒見が良い大学ランキング(近畿編)」だ。

1位は大阪大学で23ポイント。同大での学びをスタートさせる新入生が入学後すぐに受講する必修授業「学問への扉(愛称:マチカネゼミ)」は、大学での学び方や研究に取り組む基本的な姿勢などを身につける、少人数セミナー型の科目だ。導入科目として位置付けられ、学生が興味のある内容を学ぶ中で、研究者との対話によって学びへの新たな意識を喚起させるとともに、異分野の学生と学び合うことを通じて、異なるものの見方や課題解決の道筋を意識する場となっている。また、コロナ禍においてはいち早い対面とメディアを併用する新たなブレンデッド教育システムの確立だけでなく、授業料免除や学生支援緊急給付金などの経済的支援を整備した。新入生には、一般選抜合格発表直後から新入生向けオンラインコンテンツ「阪大ウェルカムチャンネル」として、模擬授業やキャンパス紹介、スタディスキルなど新入生が知りたい・役立つ内容を配信してサポートする。

2位は近畿大学で21ポイント。2021年、モノづくり拠点として東大阪キャンパスに「THE GARAGE」を開設。3Dプリンターや3Dスキャナーなどを多数設置し、学生が新しい感性でモノづくりに取り組み、起業にも挑戦できるようサポート。大学と企業が垣根を越えて研究シーズやアイデアを持ち寄り、新たな価値の創造をめざす。さらに、文理融合の実学教育拠点「アカデミックシアター」では、起業家育成のためのプログラムやイベントを多数開催。起業をめざす学生を募集しており、審査を通過すれば、分野別専門家による成長支援サービスと、法人設立の資金援助を受けることができる。また、近大卒の経営者と学生が交流できるイベント「近大サミット」や、キャンパス内で飲食店の運営を経験できるプロジェクトなど、学生の意欲を大学全体で応援する取り組みを行っている。

3位は立命館大学で18ポイント。同大では学生の興味・関心や希望の進路に向けた学びの機会やプログラムを整備。キャリア支援においては、1学年の在学生数が7800名を超える総合大学でありながら、98.0%の学生の進路を把握している。さらに、進路・就職決定率は87.1%。単なる就職支援だけではなく、難関試験合格や資格取得など高い目標を掲げてチャレンジする学生に向けた多様なプログラムも設置し、社会観・就業観の確立、社会で活躍するための実力養成などを目的としたキャリア教育を行っている。キャリアセンターという名称を日本で初めて使用したのも同大だ。また、奨学金は総額19億円にのぼり、経済的な支援だけでなく、留学や資格取得、課外活動など、学生生活におけるあらゆるチャレンジを支援。独自の奨学金はほとんどが返還不要の給付制であり、学外の奨学金との併給も可能だ。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。


面倒見が良い大学ランキング2021(近畿編)