小規模だが評価できる大学ランキング2020(北陸・東海編)

教育
小規模だが評価できる大学ランキング2020(北陸・東海編)

写真=金沢工業大学 スムーススペースの使用

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「小規模だが評価できる大学(北陸・東海編)」だ。

1位は金沢工業大学で120ポイント。金沢工業大学では全学的に教育DX(Digital Transformation)を推進しており、その取り組みの計画は、コロナ禍でも際立っている。例えば、工学系の実験では、実験装置の取扱方法や実験の状況を近接カメラと360度カメラで撮影しデジタル化することで、学生が自宅等でいつでも、その様子を繰り返し確認できるようにする予定だ。また、金沢市近郊の12大学が連携する「産学連携プラットフォーム」では、参加する大学を「多地点等身大接続システム」でリモート接続することで、時間と場所の制約を超えた、対面での学びの場を提供する。これらの計画は、文部科学省が公募を行なっていた、デジタル活用教育高度化事業「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」に採択。国からも今後の進展が期待されている。

2位は富山県立大学で41ポイント。1990年に工学系単科大学として開学し、2015年に公立大学法人化された富山県立大学。2017年には工学部に全国初の「医薬品工学科」を開設し、2019年に看護学部を新設ほか、2020年には工学部を再編・拡充するなど、工学と看護学を基盤とした人材の育成に積極的に取り組んでいる。その中心にあるのが、少人数教育だ。工学部のゼミは、1・2年次では1ゼミあたりの学生が約12人、3年次の「卒業研究1」などは約5人、4年次の「卒業研究2」は約3人で構成され、学生一人ひとりに行き届く教育を行うことで、基礎学力はもちろん、研究力、実践力、創造力の向上を図る。看護学部のゼミも1ゼミあたりの学生数は約4人。少人数によるグループ学習やアクティブラーニングなど、主体性を持って協力して課題に取り組むことで、実際の看護の場において自分で考え、行動できる基礎能力を養う。

3位は豊田工業大学で25ポイント。トヨタ自動車が1981年に開学し、産学一体となった教育・研究環境を整えている。同社からの財政支援を受け、授業料は年額60万円。教員1人あたりの学生数は約10人という少人数教育が特徴だ。機械システム、電子情報、物質工学の3分野すべてを学ぶカリキュラムで工学の総合的な理解を深めながら、多角的な発想や問題解決力を養う。実験や実習は5〜8人で行い、学んだ知識を体験的に理解することで実践力を身につける。さらに「トヨタ生産方式概論」といった産業界とのパイプを生かした講義や実習では、技術開発の現状を学ぶことができる。また、1年次と3年次には全学生必修のインターンシップ科目がある。トヨタ自動車や三菱電気など、30社以上の製造・研究開発部門で学生たちは課題に取り組む。就職決定率は開学以来100%を継続し、就職希望者全員が内定を獲得している。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


小規模だが評価できる大学ランキング2020(北陸・東海編)