混乱も予想される21年就活の歩き方
斎藤幸江の就職ウォーミングアップ講座01
就職活動について考えると、不安や焦りばかりが募る。そんな就活初心者のキミのために、注意すべきポイントを挙げよう。
STEP1. 基礎を固める
興味あるものを優先させ就職活動をスタート
ムリをせず、自分らしく動くこと。それが就職を成功させる秘訣だ。21年卒の就活は混乱が予想され、不安が駆り立てられたりもするだろう。焦って闇雲に進めるのは慎みたいものだ。 スタートから内定後まで、どのように活動していけばいいのか。留意点を解説するので、「就職・採用活動タイムテーブル」を参照しつつ、読み進めてほしい。
さて、自己理解、企業研究……etc。いったいどこから始めればいいのだろうか?
3年次の前期、多くの学生がこんな悩みを抱えている。この状態を脱却する一番いい方法は、自分がもっとも興味を覚えるものを優先させることだ。自分に欠けている部分を意識し、その補強が必要だと考えて動くと、えてして苦手なものを選びがちになる。
たとえば「会社のことを全然知らないから、まず企業研究をしなければ……」など、など。「○○しないといけない」という義務感から行動すると、「やらされ感」を引き起こしやすい。
で、頑張ろうとムリヤリ自分を追い立てることで、就職活動が嫌になり、せっかく早くから準備を始めたとしても、活動が空回りに陥りやすくなる。面白そうだと感じたものから手をつける。これが正しい就活のスタートのさせ方だ。
なお、自己アピールをまとめる際に欠かせないのが、自分の強みを知ること。「どんな強みがあるのか」と思ったら、まずは適性診断をやってみよう。その結果をベースにして、分析を進めていけばいい。
情報を検索する場合には事前に条件を定める
就職情報サイトを使った検索では、こんな点に注意しよう。情報サイトを利用すると、次から次へと新たなリンクに誘導される。なんとなく面白そうだとクリックし続けるうちに、そもそも何を知りたかったのか、何を面白いと思ったのかがわからなくなってしまいがちだ。 そうならないよう、検索の目的と条件を事前に設定してから始めるのがいいだろう。
たとえば、新卒を採用する企業について気になったとしよう。その際には、「聞いたことがない業界をピックアップし、5社についてだけ調べる」、「知っている製品やサービスを扱う会社には、どんな募集があるのか、とりあえず3社についてチェック」といった具合に、リサーチする目的と件数を、あらかじめ決めてから進めるのだ。
目的や件数を設定し、それを意識して検索することで、得られる情報がより明確になる。さらにネット上での検索をやりっ放しにしないで、わかったことをノートなどにしっかり記録しておく。そうすればさらなる課題がつかめ、作業に手応えも感じられるだろう。
インターンシップの前に基本的マナーを習得
インターンシップに向け、まずやっておきたいのは、夏休みのスケジュール調整。インターンシップの開設時期が発表になる頃に、「アルバイトを入れてしまった」、「短期留学がある」といった理由で、志望企業の実習に参加できなかった学生が、毎年少なからずいるからだ。
たいていの場合、インターンシップの実施期間は前年度と大きく変わらない。先輩に聞いたり、学校のキャリアセンターに問い合わせたり、必要なら企業にも質問したりして、時期だけは早めに把握しておこう。
参加が決まったら、基本的なビジネスマナーの習得にも力を入れたい。特に職場に入って実習を行う場合、敬語の使い方や挨拶の仕方などがわかっていれば、相手先から歓迎され、吸収できるものも大きくなる。インターンシップの参加については、第3回で取り上げる。ぜひ参考にしてほしい。
就職活動の初期段階から自校で相談を受ける
活力を高めるには、キャリアセンターとのつき合いが欠かせない。4年生の来談者で込んでいたセンターも、5月に入ると相談予約が取りやすくなる。就職活動を始動させたばかりだと、相談に気後れする学生もいるかと思うが、何をしていいかわからない、出遅れているようで不安だ――など、質問が明確でなくても、センターは親切に対応してくれる。
漠然とした気持ちで相談にいき、話すうちに何が課題なのかが見えてくるケースは多い。活動の仕方がわからないでもOKだ。まずは足を運んでみよう。
キャリアセンターを一度訪問しておくと、次から利用しやすくもなる。採用選考が本格的に始まる前に相談を経験して、いざというとき、気軽に利用できるようにしておこう。
さて、6月以降になると、インターンシップ関連の情報が届き、周囲から「応募した」、「参加が決まった」などの声が聞こえ始める。出遅れ気味の学生は、それを耳にして不安になるかもしれないが、声高にアピールする人も、実は不安を抱えている。半ば無意識に自分より動きが遅い学生にマウンティングし、優位を確認しているのだ。
こうした動きに釣られて自分を見失わないようにしよう。こんなマウンティングに遭遇したら、「実際に受けてみて、どうだった?」と、その学生から情報を引き出せばいいのだ。