2020年 高等学校教諭就職者数ランキング

2020年 高等学校教諭就職者数ランキング

写真=日本大学 文理学部

今回は高等学校教諭の就職者が多い大学を紹介する。高等学校教諭輩出のために、各大学ではどのような取り組みが行われているのか。順に見ていこう。

1位は103人で日本大学。同大は、人文・社会・自然科学のほぼすべての学問領域をカバーする16学部87学科と大学院、さらに短期大学部、通信教育部を擁する日本最大級の総合大学だが、そのスケールとは対照的に、専門科目の講義やゼミ、実験・実習などの多くが少人数で行われる、きめ細かな教育が特徴だ。文理学部教育学科では、7つの分野にまたがるカリキュラムから学びたい科目を自由に選択し、教育について総合的に学習する。教職コースでは、社会、公民の各教科の高等学校教員免許の取得が可能だが、そのほかに他学科の授業を聴講して必要な単位を取得することにより、地歴、国語、書道、外国語(英語、ドイツ語、中国語)、理科、数学、保健体育、宗教、情報の各教科(一種および二種)の免許も取得することができる。

2位は大阪教育大学で100人。同大は140年を越える歴史と伝統を持ち、学部学生数3,950人を擁する西日本最大の教員養成大学だ。4年間にわたる「教育実習」と「学校インターンシップ」で力を磨き、教員としての高い指導力を身につける。また、「電子ポートフォリオ」を取り入れて指導教員と学びの軌跡を共有することで、総合的な教育実践力と専門分野の知識・技能の向上を図る。キャリア支援においては、キャリア支援センターによる学生のキャリア形成や就職に向けたサポートを1年次からスタート。自分の適性を把握し、目標を持った大学生活を過ごすことが理想の就職につながるという観点から展開される実践的な就職支援プログラムにより、毎年高い就職実績をあげている。

3位は早稲田大学で99人。同大の教育学部は高等師範部を母体とし、1949年に私立大学初の教育学部として設置された。教員養成を主な目的の一つとしながら、教員免許の取得を卒業要件としない開放制であり、文系、理系からなる7学科2専攻7専修を擁する総合学部として、多様性に満ちた教育環境を形成している。それぞれの学科では、研究と教育において高い専門性を追究する一方、新入生が最初に履修する共通科目では、アクチュアルな問題を取り上げている。また、7学科2専攻7専修を横断した形での科目選択も一定程度可能とし、中学・高校教員の育成のほか、実社会で指導者となる人材や、大学院における研究者の養成など、広く「教育者」を育成するカリキュラムとなっている。

<表の見方>

医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に2020年春の就職状況を調査。551大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数には臨任・非常勤を含む。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。


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