2020年 警察官就職者数ランキング
写真=国士舘大学
今回は警察官の就職者が多い大学を紹介する。警察官輩出のために、各大学ではどのような取り組みが行われているのか。順に見ていこう。
1位は138人を輩出した国士舘大学。“国家社会に貢献する智力と胆力を備えた人材の育成”を目指した創立の想いは100周年を越えたいまも変わらず、「社会貢献」の本質を学ぶ大学としての強みを誇る。警察官の育成においては、法学部と政経学部が中心を担っており、法学部には法律学科刑事系コースと現代ビジネス法学科公共安全コースという警察官をキャリア目標としたコースを、政経学部では政治行政学科公務員養成コースを設置している。地域貢献・交流を取り入れた教育を広く展開するほか、学部や学科独自の公務員志望者向けの充実したサポートも、学生のキャリア実現を支えている。
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2022年就職者数ランキング
警察官 消防官 保育士 幼稚園教諭
2位は日本大学で129人。16学部を有する同大において警察官育成の面で高い存在感を示すのが、130年超の歴史を持つ法学部と、2016年開設の危機管理学部である。日本大学の前身である日本法律学校をルーツとする法学部では、長い歴史に裏打ちされた教育と就職支援の体制が光る。警察官の育成においては、公安・自治体コースを擁する公共政策学科が中心を担うが、警察官志望者向けの課外講座や就職ガイダンスの充実だけでなく、卒業生の強固なネットワークやサポートも学生の強い味方となっている。
3位は東海大学で99人。“人生の質(QOL)の向上”につながる学びを実践する同大では、2022年度、その道をさらに追及すべく全学的な改組・改変を実施。23学部62学科専攻体制へと大きな変化を遂げる。そんな中、警察官の高い育成実績を持つのが政治経済学部と法学部である。2022年4月より2学科へ再編される政治経済学部は、企業や自治体との連携やフィールドワークの実施、多分野で活躍する講師を招いたセミナー開催など、実践的な知識の獲得を重視する。法学部は将来の可能性を広げる幅広い専門科目が特徴。公務員講座をはじめとした各種対策講座も、キャリア実現の後押しとなっている。
4位は日本文化大学で73人。警察官実就職率では53.3%で13年連続全国1位である。道徳観・倫理観や礼儀・作法を身につけた豊かな人間性と、リーガルマインドの両方を養う総合教育に加え、試験対策プログラムや警視庁・各県警の採用担当者を招いて行う説明会など、警察官志望者への充実した支援が成果の背景にあると言えるだろう。職業対応の科目や就職活動対策をカリキュラムに組み込むほか、1年次から就職を見据えて行う各種施策など、警察官に限らない高い就職実績を実現するキャリア支援体制も特筆したい。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に2020年春の就職状況を調査。551大学から得た回答を基にランキングを作成した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。