中高受験のエキスパート

安田理先生が選ぶ
首都圏でおすすめの学校は?

私立中高受験のエキスパート。
安田教育研究所代表の安田理先生に注目の学校を聞いた。

安田理氏に聞く 今注目の学校

学校も保護者も
イノベーティブでありたい

安田理氏に聞く 今注目の学校

安田教育研究所代表
安田 理
東京都出身。早稲田大学卒業。
大手出版社にて雑誌の編集長を務めたあと、
2002年安田教育研究所を設立。

「GAFA」なしでは生活できない私たち

今私たちの生活を見つめてみれば、日常的にGoogleで検索し、AppleのiPhone・iPadを使い、Amazonで買い物をし、Facebookでつながっています。これらがなければ、もはや一日たりとも生活できなくなっているのが実態です。
意識しておられる方はほとんどいらっしゃらないでしょうが、私たちがこれらに使ったお金はアメリカに出ていく一方で、これらの企業はほとんど日本に税金を払っていません。
日本は、先進国で一人負けの状況にあると指摘されていますが、その核心部分の1つは、こうしたIT企業を生み出せなかったことにあるのです。
学校教育でも全く同じようなことが起こっています。1回目の緊急事態宣言が発出されたときに、学校は長期にわたって休校にせざるをえなくなりました。そのとき、学校現場を救ったのは、Zoom、Google Classroom、Google Meet、Microsoft Teams、You Tube……といったアプリでした。残念なことにこれらはすべてアメリカの企業が開発したものです。恐らく今後もこれらなくして日本の教育は成り立たないでしょう。
ワクチンも、ファイザー、モデルナ、アストロゼネカ……と外国の製薬会社ばかり。目下世界でワクチンの争奪戦が起こっていますが、これにもものすごいお金がかかります。
ここへきて医療を含めた科学技術分野での立ち遅れが次々と顕在化してきました。立ち遅れが、わが国の国力を弱体化させることは間違いありません。お子さんが社会に出るころには日本の世界でのポジションが一段と低下していることは確実です。

イノベーティブな姿勢がある学校か

日本の社会は、何だかんだ言っても「日本人、男性、中高年、有名大学卒、正社員」が主流派です。社会の構造が均質で、主流派がイノベーティブに関して非常に縁遠いところにあったことが、日本に先に挙げたGAFAが生まれなかった大きな理由です。
これを学校に当てはめてみても、同じようなことが言えるのではないしょうか。時代が変わり、保護者の意識が変わっているのに、行っていることは先輩たちがやってきたものとほとんど変わっていない学校があります。
保護者も従来型の学力観のままの人が大勢いますが、本当に生きる力を育てる学びの必要性や新しい教育トレンドに関心を持つ層も確実に増えてきています。
イノベーティブな人材を育てるには、先生自身がイノベーティブであることが欠かせません。学校にそうした風土があるか、学校選びではそうした点に着目してはどうでしょうか。

胆力、エネルギー、自信

これまでのような「すでに社会的評価が定まった組織(大学、企業)の一員」を目指すような教育、子育てでは状況を変革できません。将来が不安であるとつい「安全、確実なルート」を歩ませたくなります。
が、もはやそんなルートは存在しませんし、心配が先に立つ消極的な姿勢ではとても荒波を乗り越えられる子を育てることはできません。まして75歳まで働く可能性があるお子さんの世代は「一毛作」ではありえないのです。「二毛作」「三毛作」の人生を歩むには、失敗を怖がらない、積極的に貪欲に何事にもチャレンジしていく姿勢こそが、スキル以上に必要な「武器」と言えます。
「未知の荒野」に挑む胆力を養うこと、そのためのエネルギーを蓄えること、自分は何とかやっていけるという自信を持たせること、これらを第一に考えた教育、子育てをしていただきたいと思います。