【中学入試】学習塾が勧める中高一貫校ランキング2024
理数教育に力を入れている中高一貫校
写真=芝浦工業大学柏中学校・高等学校
いつの時代も難しいのが学校選び。わが子にあった学校に進学させるためには、上手な志望校選びが必要だ。そこで役立てたいのがエキスパートの意見だ。首都圏の学習塾にアンケートを実施し、303学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計した。
1位の芝浦工業大柏は、1980年設立の共学校だ。文部科学省スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校第Ⅰ期、第Ⅱ期を経て、2024年度から第Ⅲ期の指定を受けている。高度な実験が可能な設備を整え、中学1年から理科の授業で多くの実験を行っている。課外活動の場「サイエンス研究会」では発展的な課題研究に取り組みたい生徒を支援。大学設備の一部利用や、第一線で活躍する研究者からアドバイスをもらうなど、理工系大学の併設校である利点を生かした学びがある。また、日本学生科学賞やJSEC、国際科学オリンピックといった理数系コンテストへの参加を推奨している。芝浦工業大学と連携した女子生徒への理工系キャリアに関する情報提供・同大女子学生との交流会なども行っている。
2位は「道義実践」「勤勉努力」「一能専念」を教育方針とするの豊島岡女子学園。132年の歴史を誇る女子校だ。2018年度より文部科学省スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校となり、2023年度から第Ⅱ期の指定を受け、「志力を持って未来を創る女性」の育成を目指している。中学から、複数の教科で課題探究につながるスキルを身につけて課題探究のための基礎を確立。高校1・2年の「科学探究Ⅰ」や「総合探究Ⅱ」「科学探究Ⅱ」で自ら課題を設定し、探究活動に取り組む。それぞれの活動成果を、「Academic Day」で発表する。外部指導者や教員、卒業生、在校生などからアドバイスをもらい、次の活動へと生かす機会になっている。
3位には芝浦工業大附がランクイン。設立から102年、「ものづくり」マインドを大切に育てながら、グローバル社会に対応する確かな学力を育む教育を実践。理工系大学の附属校というメリットを生かし、中学1年では「工学わくわく講座」、中学2年では「ロボット入門講座」、中学3年では「ものづくり体験講座」、高校2年では「理系講座」、高校3年では「大学先取り授業」など、大学の最先端の研究に触れる機会を数多く用意している。中学3年では、「サイエンス・テクノロジーアワー」という実験・工作の体験授業を設け、サイエンスリテラシーの基礎を養う。また、「情報教育」には独自のカリキュラムを採用し、コンピュータの基本的利用技術からプログラミング言語まで幅広く学ぶことができる。
4位の宝仙学園(理数インター)は、「物事を論理的に考え伝える力」と「人と人をつなぐ力」を育む「知的で開放的な広場」を目指し、2007年に設立された。2024年4月より順天堂大学と6年間の系属校協定を締結。中学では2016年から教科「理数インター」を実施。教科書を使わず、多教科の要素の入ったチーム・ティーチングによる授業で答えのない問いにアプローチし、自ら考えて答えを導き出す力を養う。また、主要5教科の授業数を多くして、中学3年間で基礎を定着させるカリキュラムを展開。数学は代数と幾何に分けて授業を行い、週5(中2・3年は週6)の授業に加えて週1回フォローの時間を設けている。理科は「物理地学」「化学生物」に加えて「理科実験」の授業が設置され、多彩な実験・実習を行っている。
5位の広尾学園は、2011年に「医進・サイエンスコース」を高校に設置。同年完成した新校舎には、生物・物理・化学の3つの実験環境が整うサイエンスラボが導入された。このサイエンスラボは大学や研究所との連携も盛んで、iPS細胞の培養といった研究活動に力を入れている。2015年には中学にも「医進・サイエンスコース」を設置。年間を通じて先端分野に触れるサイエンス講座や、第一線で活躍する医師や研究者を招いて行う講演会など、生徒の視野を広げ、モチベーションを高める多様なプログラムを展開している。「医進・サイエンスコース」は、「授業」「研究活動」「中高大・産学連携」の3本柱を特徴とし、中高6年間で研究活動を行いながら国内外の医系・理系大学合格のための学力を養い、医師や研究者として活躍する姿勢を身につけることを目指す。
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<表の見方>
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首都圏の学習塾にアンケートを実施し、303学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。
無印は公立、◎印は私立を表す