写真=市川中学校・高等学校のSSH(高大連携)
いつの時代も難しいのが学校選び。わが子にあった学校に進学させるためには、上手な志望校選びが必要だ。そこで役立てたいのがエキスパートの意見だ。首都圏の学習塾にアンケートを実施し、303学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計した。
1位は市川。「個性の尊重」と「自主自立」を教育方針とする同校は、2009年度より文部科学省スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の認定を受け、高校2年の理系選択者を対象に、探究的・課題研究カリキュラムを提供している。まずは高1で物理・化学・生物を実験・観察を通じて学習し、高2から研究テーマを決めて探究活動に取り組む。英語でのプレゼンや海外校との連携など、世界で通用する力を養う。また、高校2年の文系選択者が主体的に学ぶ「リベラルアーツゼミ」は、英語・社会・芸術分野の13講座があり、各自が調べた成果の発表や議論を通して、思考力・判断力・表現力を鍛える。このほか、「市川アカデメイア」「土曜講座」など、興味・関心を将来の進路につなげる取り組みがなされている。
2位の開智未来は、初代校長が開発した「学びのサプリ」の考え方のもと、中学課程で「哲学」の授業を実施。この授業で「6つの授業姿勢(ねらい・メモ・反応・発表・質問・振り返り)」「メモのスキル」「学び合い」「思考・論文の作成・発表のプロセス」「英語発信力」などを鍛えるが、これらのスキルが身体化することでアクティブ・ラーニングが日常化し、学習意欲の向上につながっている。探究活動も盛んで、中学課程の「里山フィールドワーク」「ブリティッシュヒルズフィールドワーク」「探究フィールドワーク」のほか、自らの興味関心を究める高校1年の「才能発見プログラム」、英語論文や英語のプレゼンテーションを行う高校2年の「海外探究フィールドワーク」など、多様なプログラムが用意されている。
3位の栄東は、中高ともにアクティブ・ラーニング(以下、AL)を柱とした特色あるカリキュラムを展開。課題研究やディスカッション、プレゼンテーションなど、生徒の能動的な活動を取り入れた授業が行われている。具体的な取り組みとしては、英語ALや物理AL、地学ALなどの「教科領域AL」、生徒主体で企画・運営する学校行事や約40講座が開講される「AL土曜講座」などが含まれる「探究総合学習AL」、卒業生も協力して行われる「キャリアAL」など、学校生活のあらゆる活動にアクティブ・ラーニングの学びが組み込まれている。こうした活動を通して、主体的な学習態度やリーダーシップ、コミュニケーション能力を育むことを目指している。
4位の芝浦工大柏は、「創造性の開発と個性の発揮」という建学の理念のもと、「探究教育」を推進。文部科学省スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けており、理数教育も盛んだ。探究教育では、「自律的活動力」「問題発見力」「問題解決力」「研究基礎力」の4つの力を育むカリキュラムを設計。生徒自らが問いや課題を設定し、粘り強く取り組むことで乗り越える経験を大切にしている。また、教科授業との関連を意識した指導を行い、知識の習得と活用、主体性や対話を促すことを目指す。「全国中学高校Webコンテスト」で文部科学大臣賞を受賞したほか、「全国学芸サイエンスコンクール」での学校特別奨励賞受賞、「高校生国際シンポジウム」での優秀賞受賞など、さまざまな成果を上げている。
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<表の見方>
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首都圏の学習塾にアンケートを実施し、303学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。
無印は公立、◎印は私立を表す