学習塾が勧める中高一貫校ランキング2020
オンライン授業で生徒・保護者から高評価を得た中高一貫校

中学・高校情報 大野 香代子
学習塾が勧める中高一貫校ランキング2020 オンライン授業で生徒・保護者から高評価を得た中高一貫校

写真=広尾学園のオンライン授業

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首都圏では中学受験人気が継続している。しかし、今年はコロナ禍で学校の情報が思うように入手できない。そこで役立てたいのがエキスパートの意見だ。首都圏の学習塾にアンケートを実施し、268学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。今回は「オンライン授業で生徒・保護者から高評価を得た中高一貫校」だ。

今年はコロナ禍の影響で、4月からオンライン授業に切り替える学校が多かった。1位は広尾学園で、2位は青稜、3位はカリタス女子、4位は玉川聖学院だった。広尾学園は以前から生徒全員にタブレットを持たせており、これを今回、教育に活用してきたことで高評価を得た。

具体的にランキング上位の学校では、どのようにオンライン授業が進められたのか。3位のカリタス女子の入試委員長の引地一男教諭は「4月中旬からオンライン授業を進め、通常の7時限の時間割で6月いっぱい授業を行いました。6月は分散登校での授業も考えましたが、時間数が確保できないためオンライン授業を続け、オンラインツールでの事前課題提出やチャットによる質疑応答など、通常の授業とは異なるメリットもありました。授業進度もほとんどの科目で通常か、場合によっては少し進んだ科目もあるようです」と話す。

4位の玉川聖学院の広報部長の羽鳥光昭教諭は「高等部はiPadを全員に持たせていましたので4月13日から双方向で、中等部は各家庭のWi-Fi環境や端末の確認をしたために同23日からオンライン授業を実施しました。教員もオンラインで授業するのは初めてでしたが、協力して体育を含む全教科で授業をしました。生徒の学びの機会をなくさないことを目標とし、前期のカリキュラムは例年通り進めることができました」と言う。

まったく新しい試みに挑む学校も多く、さまざまなソフトやツールを試し、試行錯誤を重ねていったようだ。教員の研修も実施され、若手教員がベテラン教員にICTの活用方法を教えるなど、教員同士の連帯が深まった学校もあった。

授業だけでなく、朝礼やホームルームなども普段の時間割どおりに実施され、生徒の生活習慣を崩さない工夫も行われた。オンラインでクラスメートと交流していたため、実際に登校が始まってからも、クラスにスムーズに馴染むことができたという。今回実施されたオンライン授業の経験は、今後の授業にさまざまな形で生かされていくと思われる。

<表の見方>

首都圏の学習塾にアンケートを実施し、268学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。
※印は国立、無印は公立、◎印は私立を表す

学習塾が勧める中高一貫校ランキング2020 オンライン授業で生徒・保護者から高評価を得た中高一貫校