改革力が高い大学ランキング2020(北陸・東海編)

大学改革
改革力が高い大学ランキング2020(北陸・東海編)

写真=名古屋大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学(北陸・東海編)」だ。

1位は名古屋大学で46ポイント。学術憲章に「自由闊達な学風」を掲げる同大は、世界最高水準の教育研究活動の展開が見込まれる「指定国立大学」に指定された基幹総合大学だ。2020年4月には、岐阜大学とともに日本初の1法人複数大学の「国立大学法人東海国立大学機構」をスタートさせ、これからの新しい大学のモデルとして期待されている。教育面では「勇気をもってともに未来をつくる」を共通理念に掲げ、名古屋・岐阜両大学の教育関係組織を連携させた「アカデミック・セントラル」を設置。さまざまな社会的課題に対し、新たな価値を創造して対応できる人材を世界や地域に送り出すことを目標とする。研究面では、農学教育研究拠点、航空宇宙研究教育拠点、医療健康データ統合研究教育拠点、糖鎖生命コア研究拠点の4つの拠点を設け、研究だけでなく教育も含めた連携を行っている。

2位は金沢大学で37ポイント。同大は2008年に学域学類制を導入。学類という広い枠組みで入学し、学びながら主専攻を決定できる「経過選択制」と、主専攻以外で興味のある分野を学修できる「副専攻制度」を設置し、柔軟かつ自由な学びを提供してきた。2021年4月には、文理融合型の「融合学域先導学類」を新設。「多分野にわたる学びの提携・融合」と「アントレプレナーシップの醸成」をカリキュラムの柱とし、現在・未来の課題の発見とその解決を目指して、分野を往還しながら学修する。また、医薬保健学域では学類を再編。「生命医科学コース」と「創薬科学コース」からなる「医薬科学類」を新設し、多様かつ高度な「薬(くすり)専門人」の養成を強化する。なお、2022年度に向けて「観光デザイン学類(仮称)」を設置構想中だ。

3位は岐阜大学で23ポイント。2020年4月に名古屋大学と法人組織を統合し、国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学となり、新組織としてのスタートを切った。そして、教育学部、地域科学部、医学部、工学部、応用生物科学部からなる歴史ある同大に、2021年4月、新たな学部相当組織として「社会システム経営学環」が加わった。ここでは「経営」と「マネジメント」を軸に、複数の学部等を横断しながら「ビジネス」「まちづくり」「観光」について学ぶ。地元の企業や自治体などでの長期的な実習も取り入れ、地域産業の即戦力となる人材の育成が目標だ。また、1学年30人の学生に対して教員14人の体制を整え、PBL(※)などのアクティブ・ラーニングによって意欲的な学びを支援。学生自らが主体的に取り組む教育を実践する。
※Project Based Learning、課題解決型学習

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


改革力が高い大学ランキング2020(北陸・東海編)