【中学入試】学習塾が勧める中高一貫校ランキング2023
理数教育に力を入れている中高一貫校
写真=芝浦工業大柏中学高等学校
いつの時代も難しいのが学校選び。わが子にあった学校に進学を目指して、上手な志望校選びが必要だ。そこで役立てたいのがエキスパートの意見だ。首都圏の学習塾にアンケートを実施し、271学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計した。
1位は芝浦工業大柏、2位は豊島岡女子学園、3位は東邦大付東邦がランクイン。4位は宝仙学園(理数インター)、5位は芝浦工業大付と広尾学園が並び、7位は市川、8位は工学院大付、9位は文京学院大女子が続いた。
1位の芝浦工業大柏は、文部科学省からスーパーサイエンススクールの指定を受け、さまざまな取り組みを展開。高度な実験も可能な実験設備を備え、中1から2日に1度は理科の授業で実験を行っている。課外活動では大学の設備を一部利用したり、第一線で活躍する研究者からのアドバイスをもらったりするなど、理工系大学の併設校である利点を生かした学びを提供。日本学生科学賞やJSEC、国際科学オリンピック、科学・数学オリンピックなど、科学技術・理数系コンテストへの参加を奨励している。さらに、問題解決を重視したより体験的で主体的な学びの場を提供する「芝浦サイエンス」では、遺伝子組み換え実験やタンパク質分析など、さらに進んだ最先端の実験に取り組むことができる。
4位の宝仙学園(理数インター)は、仏教精神を基調とした人間教育により、品格と知性を兼ね備えた人材を輩出してきた。「理数インター」はその建学の精神に基づき、21世紀の世界標準(グローバルスタンダード)となる教育を実践するために創立された。2016年から中学で始まった教科『理数インター』は、教科書を使わず、多教科の要素の入ったチーム・ティーチングによる授業を実施。答えのない問いにアプローチし、コミュニケーション力やプレゼンテーション力など、自ら考えて答えを導き出す力を養う。また、「Follow」の時間で理解度に応じた学習指導を行うなど、生徒の定期試験や模試の結果などを分析し、一人ひとりの目標を定めた上で指導を行っている。
5位の芝浦工業大付は、「ものづくり」マインドを大切に育てながら、グローバル社会に対応する確かな学力を身につけることを目指している。2017年に新豊洲への校舎移転にあわせて高校が共学化。2021年からは中学も共学となり、STEAM教育や理工系教育のさらなる強化を図っている。理工系大学の付属校というメリットを生かし、中学1年では「工学わくわく講座」、中学2年では「ロボット入門講座」、中学3年では「ものづくり体験講座」、高校2年では「理系講座」、高校3年では「大学先取り授業」など、大学の最先端の研究に触れる機会を用意している。また、中学3年では、「サイエンス・テクノロジーアワー」という実験・工作の体験授業を設け、サイエンスリテラシーの基礎を養成する。
同じく5位の広尾学園は、サイエンス教育に長年注力してきた。校舎には3つのサイエンスラボがあり、生物・物理・化学それぞれの実験環境が整っている。大学や研究所との連携も盛んで、特に、iPS細胞の培養といった研究活動には目を見張るものがある。年間を通じて先端分野に触れるサイエンス講座や、第一線で活躍する医師や研究者を招いて行う講演会など、生徒の視野を広げ、モチベーションを高める多様なプログラムが用意されている。また、「医進・サイエンスコース」は、授業、研究活動、中高大・産学連携の3本柱を特徴とし、中高6年間で研究活動を行いながら国内外の医系・理系大学合格のための学力を養い、医師、研究者として活躍できる姿勢を身につける。
8位の工学院大付は、先端数理情報工学を核としたK-STEAM教育を充実させている。工学院大学と包括的連携を行い、充実した教育環境を提供している。K-STEAMとは、グローバル・リベラルアーツと数理情報工学を融合した先進教育。失敗を恐れず積極的に挑戦し、新しい価値を創造し、人間性豊かな社会の構築へ主体的に貢献できる人の育成を目指す。校舎にはMakeRoomや図書館のFabスペース、屋上の天文台など充実した施設・設備を整えている。PCだけでなく3Dプリンタや3Dスキャナ、大型モニタや可動ボードなども揃い、仲間と協働しながら豊かな発想を形にすることができる。プログラミング講座やワークショップなども定期的に開催され、生徒が自主的に参加して学び、自らのスキルや興味を高められる環境がある。
9位の文京学院大女子は、探究活動で培った研究成果が、各種大会やコンクール、大学入試において高く評価されている。同校では、探究活動に必要な技法を段階的に養いながら、最終的に自分でテーマを設定して研究活動を行う。教員全員が専門分野を担当するゼミ形式で授業を展開しており、これらの成果が各種大会への参加だけでなく、総合型選抜入試にも生かされている。2014年高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC)に初めて挑戦して以来、年々レベルアップしてきた理数キャリアコースの科学研究は、2019年に受賞した審査員奨励賞に続き、2022年はソニー賞を受賞。米・ダラスで開催された国際学生科学技術フェア(ISEF)材料科学部門では4等となり、文部科学大臣賞も受賞した。
<表の見方>
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首都圏の学習塾にアンケートを実施し、271学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計した。
無印は公立、◎印は私立を表す
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