グローバル教育に力を入れている大学ランキング2022(女子大学編)
写真=昭和女子大学のダブル・ディグリー・プログラム修了生
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「グローバル教育に力を入れている大学ランキング(女子大学編)」だ。
1位は昭和女子大学で28ポイント。2019年にテンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)が同大の敷地内に移転したことで、多国籍の学生が交流する国際的な環境が整い、あらゆる分野でグローバルに活躍できる人材育成に力を入れている。米豪中韓5つの海外大学との「ダブル・ディグリー・プログラム」は、昭和女子大学で3年、TUJ、クイーンズランド大学、上海交通大学、淑明女子大学校、ソウル女子大学校のいずれかで2年、計5年間学んで2つの学位を取得することができる(※)。1988年には海外キャンパスとして米・マサチューセッツ州に「昭和ボストン」を設置。カリキュラム留学や短期プログラムのほか、各学科の専門領域を深める体験型プログラムも実施している。
※ダブル・ディグリー・プログラムはそれぞれ対象となる学科が異なる。
2位は福岡女子大学で16ポイント。海外24カ国・地域の35大学・学部と協定を結び(2022年4月現在)、短期・長期での海外留学プログラムを提供している。その内容は、交換留学、語学・文化研修、海外体験学習、海外研修などさまざまで、学生の約75%が卒業までに何らかの形で留学を経験し、国際的な感覚を身につけている(コロナ禍以前実績)。また、全学科の学生が学ぶ学部共通科目として「学術・キャリア英語プログラム(Acdemic & Career English Program)」を必修科目に設定。英語で小論文を書く、英語で学術的なプレゼンテーションを行うなど、英語で専門分野を学ぶための基礎的な力を修得することを目標としており、これにより学生は留学先での学習に自信を持って臨み、力を伸ばすことができる。
3位は大阪女学院大学で10ポイント。同大は、国際・英語学部 国際・英語学科のみの単科大学。教員と学生の距離が近い少人数制で、ネイティブ教員や留学生との関わりも多い。海外からの留学生は全体の12%で、海外にルーツを持つ学生も多いため、学内で留学体験ができるような環境があるという。「国際・英語専攻」は、「国際協力」「英語コミュニケーション」いずれかのコースを主として英語で専門科目を学び、3・4年次に専門科目を海外の協定大学で学ぶセメスタ(学期)留学のチャンスがある。「Women’s Global Leadership専攻」は、「国際協力」「英語コミュニケーション」などの専門分野を横断的に英語で学び、3・4年次に海外協定大学への通年留学またはセメスタ(学期)留学のチャンスがある。
4位は共立女子大学で5ポイント。早期から共立女子学園全体でグローバル教育に着目。世界各地の大学と多くの協定・提携を結び、交換留学や海外研修プログラム(夏季・春季)を実施。1年間ないし半年間の留学を希望する学生には、海外の大学等と連携した提携校留学のプログラムも提供している。留学を希望する学生には、留学の際の授業料免除のほか、返還不要の給付型奨学金など、独自の奨学金制度も用意。さらに、ネイティブ講師と英語で自由に対話できる「英会話ルーム」や、留学生と交流できる畳敷きのスペース「グローバル・コモンズ」、英語以外の語学力を高めたい学生のための「中国語・フランス語・韓国語トークルーム」など、学内にもグローバル体験ができる環境が数多く用意されている。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、624校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。