小規模だが評価できる大学ランキング2022(女子大学編)
写真=津田塾大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「小規模だが評価できる大学ランキング(女子大学編)」だ。
1位は津田塾大学で45ポイント。創立以来、個性を重んじる少人数教育により、深い知性と豊かな人間力を持つAll-round Womenを育成してきた。この伝統である「一人ひとりに目の行き届く教育体制」が、確かな基礎学力と高い専門性を育んでいる。1学年の定員は、学芸学部が580人、総合政策学部が110人。学生と教員の距離が近く、アットホームな雰囲気の中で学ぶことができる。また、1年次から必修の少人数セミナーが4年間の学びの中心に据えられ、学生それぞれの興味や関心、習熟度に応じた指導が行われる。1年次は専門用語や知識を習得し、大学での研究姿勢や方法を学び、2~3年次は学生が興味のある分野を選択、3〜4年次には専門性を深める研究を行う。同大の少人数教育は学びと研究の基幹であり、4年間を通して主体性や表現力、コミュニケーション能力が高められる。
2位は福岡女子大学で30ポイント。同大は、国際教養学科、環境科学科、食・健康学科の3学科を有する国際文理学部のみの公立大学。2023年には創立100周年を迎える。幅広い学問分野を持つ同学部では、多くの授業が少人数で行われ、学問の垣根を越えた文理統合教育を展開。副専攻プログラムで複数分野の専門性を身につけながら、社会を多角的にとらえ、社会の課題解決に貢献できる力を磨く。また、1年次には全学生が「国際学友寮なでしこ」で寮教育を受ける。1ユニット4人の部屋で日本人学生と留学生がともに生活し、日本語だけでなく外国語も含めたコミュニケーションの中で、人間関係を築く力や異文化を理解する力、自律する力など、社会性と国際性を養うことができる。
3位は神戸女学院大学で23ポイント。同大は、小規模大学だからこそできる、細やかなキャリアサポートが特徴のひとつだ。キャリアセンターでは、年間約130回にのぼる就活講座・セミナーを開催し、就職活動が本格化する3・4年次には、学生全員にキャリアカウンセラーとの個別面談を実施。自己表現力を磨く「KCキャリア塾」や、航空業界への高い就職実績を生かした「KCエアラインスクール」など、独自の実践型プログラムも展開し、「就職に強い神戸女学院」と呼ばれている。また、中学・高校の教員をはじめ、福祉・心理、バイオ・環境関連など専門性を生かした資格取得が可能なカリキュラムも設置。こうした取り組みにより、毎年高い就職実績をあげている。
4位は清泉女子大学で22ポイント。キリスト教ヒューマニズムを建学の精神とする同大は、「VERITAS et CARITAS(まことの知、まことの愛)」の追究をモットーに教育を実践してきた。少人数クラスでの授業が中心で、いずれの学科も基礎をしっかりと学び、無理なく専門的な内容へと進められるようカリキュラムが組まれている。また、全学科共通の科目群では、社会に出てからも役立つ幅広い知識・教養を習得するための科目が充実。語学教育を重視しており、英語は全学科共通の1・2年次必修科目で、少人数のクラスで実践的な運用能力を身につける。また、小規模大学ならではの就職支援も特長だ。一人ひとりの希望や適性を踏まえて企業を紹介し、進路が決まるまで継続的な支援を行っている。
5位は東洋英和女学院大学で17ポイント。同大では、1年次から始まるゼミナールが学びの基盤。約15名の少人数で調査や発表を通じて研究を深め、切磋琢磨しながら主体的に学ぶ。ゼミナール担当教員が履修や学習方法の相談に応じる「アドバイザー制」を採用していることも特徴だ。キャリア支援においては、自身のキャリアを考え、切り拓く力を蓄えるための「ライフデザイン科目群」が用意され、1年次から段階的に学ぶことができる。また、キャリアセンターでは学生同士で議論や発表の練習をする少人数のワークショップを開催。3年次と4年次には「全員面談」を実施している。さらに、学習サポートセンターでは、就職筆記試験で必須となる英語、国語、数学について1対1で質問することができる。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、624校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。