教育力が高い大学ランキング2022(九州編)
写真=九州大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「教育力が高い大学ランキング(九州編)」だ。
1位は九州大学で73ポイント。同大の先進的な取り組みとして、1年生全員が1年間、学部を越えて学び合いながら「ものの見方・考え方・学び方」を身につける「基幹教育」がある。学部混成のクラスを編成し、現代社会が抱えるさまざまな問題の解決策をともに模索するなど、入学初年次から多様な協働を通して主体的に学ぶ機会を設け、専攻教育でさらに知を拡大・深化させる教育を展開している。さらに、2018年には共創学部を開設。同学部では、文理や言語の壁を越えて領域の異なる複数の学問分野を学び、課題を設定してその解決に自ら取り組むことで、新しい知や価値を共創できる人材の育成を目指している。世界中から集まった学生たちが、それぞれにユニークなプロジェクトに取り組んでいる。
2位は立命館アジア太平洋大学で39ポイント。「真のグローバル大学」を標榜して2000年に開学した同大では、これまでに161の国と地域から集まった学生が国や文化、宗教、政治、価値観などの違いを越えてともに暮らし、学んできた。2023年4月には「サステイナビリティ観光学部」を新設。同学部では、持続可能な社会について研究する「サステイナビリティ学」と、人の流動が激しい現代社会に経済的・文化的に大きな影響を与える「観光」の両方を学ぶ。将来の世代も安心して暮らせる持続可能な地域社会の形成に寄与し、現代社会が直面している地球規模の課題の解決にも貢献できる、理論と実践を併せ持った「学問的実務家」の育成をめざしている。
3位は九州工業大学で14ポイント。同大は、グローバル化した社会で活躍する技術者(グローバル・エンジニア)に必要な能力を「GCE(Global Competency for Engineer)」と定め、これらの力を養成するための6年一貫教育プログラム「グローバル・エンジニア養成コース」を設置した。これは、産業界のニーズに即したグローバル人材を育成する学部4年間と大学院2年間を通したプログラムで、学部1年生から6年間にわたるグローバル教養科目が開設されているほか、海外研修などの必修化や英語能力試験(TOEIC)のスコアをコース修了要件としている。さらに、学部1年生から学べる数理・データサイエンス・AI教育プログラム「MDASHプログラム」をはじめ、デジタル人材教育の高度化に力を入れている。
4位は西南学院大学で12ポイント。2020年設置の外国語学部は、変化の激しい国際社会に対応できる力を育成するため、高い語学運用能力と国際的な視野を養う「英語研究科目群」「フランス語研究科目群」「グローバルコミュニケーションスタディーズ科目群」の3つの学問領域を用意。興味や関心に応じて専門分野を深く学ぶことも、領域を横断して学ぶこともできる。また、1971年に交換留学制度を導入して以来、現在は33カ国102大学と国際交流協定を締結するなどグローバル教育に力を入れている。言語教育センターでは外国語教員による個別指導や外国語の無料プログラムを実施するほか、語学の授業は習熟度に応じた少人数制を採用、全学生が生きた言語を習得できるようサポートしている。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、624校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。