国公立大の志願者数は国立大、公立大ともに微増
東京大・文一、文二で2段階選抜実施せず
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国公立大一般選抜の出願が2日に締め切られ、文部科学省から同日10時現在の志願状況が公表された(速報値のため確定ではない。昨年は確定志願者数の91%に相当)。
それによると、一般選抜志願者数は、国立・公立の合計で38万9962人。昨年の同時点の数値と比べ、1%増加した。国立大志願者数は27万9031人、公立大は11万931人で、国立・公立ともに増加。志願者数を募集人員で割った志願倍率は、国立大3.7倍、公立大4.9倍。昨年同時点と比較し国立大は0.1ポイントアップ、公立大は同倍率となっている。
主要国立大の志願状況を見てみよう(2月14日判明分)。
旧七帝大(北海道大、東北大、東京大、名古屋大、京都大、大阪大、九州大)の一般選抜志願者数を昨年と比較すると、7校の合計では1%増加し、ほぼ昨年並みの志願状況だ。前期日程は東北大、東京大、名古屋大、京都大で増加した。増加率が高かったのは京都大で、5%増加。10学部中、医と薬を除く8学部で増え、総合人間、法では10%以上増加した。昨年、法はやや減少、総合人間は理系型で減少したことが理由だろう。減少した大阪大、九州大は、それぞれ3%、1%と小さな減少だ。大阪大と東京大を除く5大学が実施する後期日程は、東北大が27%増、名古屋大は18%増、九州大は7%増。北海道大(5%減)、京都大(1%減)は、昨年10%以上増加した反動で減少したとみられる。
そのほかの人気大では、24年秋に大学統合により東京科学大となる東京工業大が、4%減。統合相手の東京医科歯科大も1%減少。一橋大は1%増。昨年はソーシャル・データサイエンス学部新設で注目を集め、大きく増えたが、同学部の減少が21%と大きく、昨年減少が目立った法、商などが今年は増加したことで昨年並みになった。近畿圏の神戸大は、前期・後期の合計で3%増加した。
現行課程最後の入試になるとはいえ、極端な安全志向や難関国立大に対する敬遠傾向はなかったようだ。昨年増えた大学・学部で減り、減った大学・学部で増加した。
一時的な18歳人口の減少や国立大の定員増など、出願の追い風となる要素もある。特に理工系は文科省の施策により北海道大や東北大、東京工業大、電気通信大ほか多くの大学で数十人規模で定員が増員される。2日発表の速報値でも、理工系の志願者数は昨年の確定値に最も近く、出願に勢いがある。24年度入試も理工系の人気が続きそうだ。
ただ、最難関の東京大はやや安全志向がはたらいた。同大は科類ごとに2段階選抜を実施しているが、文科一類と文科二類の志願者数が、実施予定倍率の3倍に満たなかった。