私立大一般選抜は受験料割引など出願しやすい大学が人気に 25年度以降に統合を予定している大学で志願者が増加
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大学入試センターが、24年度大学入学共通テストの実施結果を発表した。志願者数49万1914人に対し、総受験者数は45万7608人で、受験率は昨年より0.5ポイント高い93.03%。国立大型の7科目以上の受験者は59.6%と昨年より2.8ポイントアップした。本試験の確定平均点は、英語リーディング51.54点が共通テスト開始以降最低、政治・経済44.35点が前身の大学入試センター試験を含めて過去最低となった。科目間で20点以上の差が開いた教科はなく、得点調整は実施されない。
2日に文部科学省から公表された国公立大2次試験の志願者数は、出願締切日の速報値で38万9962人で、志願倍率は3.9倍。昨年同時点と比べて2877人増加し、国立大、公立大ともに増えている。
私立大の一般選抜は、前期試験の合格発表が始まっている。7日までに出願を締め切った私立大の志願状況をみていこう(共通テスト利用入試を含む。昨年差は2月7日以前に出願を締め切る方式の合計で算出。*は集計中で未確定)。
首都圏で志願者の増加が目立つのは、大東文化大*41%増、学習院女子大62%増、東京家政大*42%増など。大東文化大は、共通テスト利用入試が前期・中期の合計で119%増と昨年の倍以上になり、一般選抜は16%減ったが総数では大きく増えた。学習院女子大は、学習院大との統合を予定しており女子大としての入試は来年度が最後。卒業時の在籍は転学により学習院大となる(構想中)。東京家政大は、共通テストの高得点科目で判定する方式で増加が目立つ。
中部圏で増加しているのは、中部大76%増、愛知淑徳大28%増など。中部大は一般選抜3方式のセット出願、併願受験料の割引制度などで経済的な負担を抑えた複数受験ができることで大幅増となった。愛知淑徳大は、学部学科などの新設に加えて、マーク式回答、必須科目が少なく得意科目で受験できる入試、5日間から選択できる試験日、併願割引などの受験しやすさで人気を集めた。
近畿圏では、神戸女学院大*が227%増、桃山学院教育大56%増、大阪産業大29%増など。神戸女学院大は学部新設で注目を集め、受験料は2出願目から無料、大阪産業大も、併願受験料を免除している。桃山学院教育大は試験日自由選択、複数方式の判定可能、併願割引を実施。同大は25年から桃山学院大と統合予定だ(構想中)。
7日までの判明分で、志願者数が10万人を超えたのは、多い順に近畿大*、千葉工業大*、明治大*、法政大*の4校。近畿大は2位以下に2万5千人以上の差がある。最終的な志願者数は、後期の出願締切後に確定するが、24年も近畿大の一般選抜志願者数トップはほぼ確実視される。