大学入学共通テストは得点調整実施せず
私立大共通テスト利用方式は、志願者増加の傾向
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1月19日、大学入試センターは24年度大学入学共通テストにおいて得点調整を行わないことを発表した。得点調整は、地理歴史、公民、理科②で受験者1万人以上の対象科目間の最大平均点差が20点以上となった場合に行われる。平均点差が最も大きかったのは、公民の倫理56.44点と政治・経済44.35点の12.09点差(19日公表の中間集計その2)。地理歴史、理科②の最大平均点差も10点未満だった。
今週から国公立大個別試験の出願が始まった。各予備校が算出した共通テストの国立型予想平均点は、文系、理系ともにアップ。25年からの新課程入試で安全志向がはたらいたのか難関国立大の志願者は増えてはいないが、国公立大の人気は継続しそうだ。
一方、私立大の大学入学共通テスト利用方式は、共通テスト実施前や、他の一般選抜よりも早い時期に出願が締め切られることが多い。24年度の出願状況を見ると、全体では昨年よりやや増加の傾向だ。現時点では集計中のところがほとんどだが、昨日までに出願を締め切った主な大学の出願状況を見てみよう(*は集計中で23日までの判明分。共通テスト併用型を含む)
首都圏では、上智大*が14%増加。前年に共通テスト利用方式に3教科型を新設し大幅に増加、その人気を維持し、さらに増えた。早稲田大*は3%増加した。MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)は青山学院大が14%増、中央大*が7%増、法政大*が5%増、明治大*は3%増と、4校で増加。立教大は5%減少した。
特に増加が目立ったのは、大東文化大で129%増と前年の2倍以上だ。共通テスト利用入試に基準点型を導入し、英語民間試験のスコア換算も可能にするなどの改革が人気につながったようだ。このほかには学習院大*が18%増。専修大*、津田塾大は20%増加している。
近畿圏では、関西学院大が35%と大きく増加した。同大は共通テスト利用入試「英語資格・検定試験利用」を新設、共通テスト併用日程は併願割引を導入し、入試改革に力を入れている。同志社大*は4%、立命館大*は6%増え、関西大*は8%減少(24日現在)。
私立大の共通テスト利用方式は試験場へ足を運ぶことなく、合否判定が受けられる大学が多い。能登半島地震で被災した受験生には、さらに受験料減免などの対応もある。これから出願できる一般選抜においては、立正大が金沢に試験場を追加設置するなど、各大学それぞれに被災受験生への配慮を公表している。こうした被災受験生などへの各大学の対応については、大学通信のニュースサイト「大学プレスセンター」のリンク集(https://www.u-presscenter.jp/article/post-52462.html)をご覧ください。