大学入学共通テストの志願者数が確定
現役生の志願率が過去最高に

入試 小松 栄美
大学入学共通テストの志願者数が確定 現役生の志願率が過去最高に

24年1月13日・14日に実施される「大学入学共通テスト」の志願者数が、大学入試センターから公表された。

確定志願者数は49万1913人。前年と比べて2万688人減り、減少率は4.0%。共通テスト以前に行われていた「大学入試センター試験」も含めて6年連続の減少となった。志願者数が50万人に満たないのは32年ぶりのことだ。

共通テスト志願者数のうち、24年3月高等学校卒業見込者(現役生)は41万9533人で、前年より約1万7千人(4.0%)減った。高等学校卒業見込者の全体数は約92万7千人で、前年から約4万2千人(4.4%)と大幅に減ったことが影響している。なお、18歳人口は今後も減少が続くが、24年度に大きく減ったことで、25年度入試では一時的に増加する現象が起きる。

現役志願率(高等学校卒業見込者のうち共通テストに出願した者の割合)は、45.2%と過去最高を更新した。都道府県別では、東京58%、広島56%、愛知54%、富山と石川が51%と、5都県で50%を超えた。

一方、浪人生の志願者数は6万8220人。減少率は4.8%で、前年の6.7%を下回った。共通テスト志願者に占める浪人生の比率は13.9%と過去最低だ。

浪人生が減ったのは、総合型選抜や学校推薦型選抜といった年内入試に大学入試のピークがシフトし、現役進学が一般化したことも要因だ。共通テストの出願受付は9月下旬から10月上旬まで。その時期には一般選抜を目指していて、共通テストに出願しても、その後、年内入試に合格して進学を決める生徒もいるだろう。これまでに3回実施された共通テストの受験率は90~93%と、大学入試センター試験の最後の数年間よりも3~4ポイント程度低い率で推移している。また、思考力が重視され対策が難しい共通テストは、受験準備の負担が重いと感じる生徒も多い。25年度から新課程に基づく入試制度に変わることも、例年以上に現役志向が強まると予想される。

その一方で、24年度入試は国公立大の定員が総合計で440人増加し、人口減と併せてチャレンジのしやすい年となっている。

24年度入試で共通テストを利用する大学は707校(国立82、公立95、私立530)。国立大は全大学、公立大も新設大を除く全大学が利用する。私立大は、募集停止や利用停止、新規参加などの増減の結果、利用大学数は前年より5校少ない。専門職大は10校(公立2、私立8)が利用する。