就活クリニック編 ─ こうすれば解決できる就活生の悩みに処方箋
斎藤幸江の就職ウォーミングアップ講座04【D】
就活に悩みや迷いはつきもので、頭を抱えることもしばしばだ。問題を放置すると、活動に支障をきたす事態にも発展!!
- 【斎藤幸江の就職ウォーミングアップ講座】
- 01.混乱も予想される21年就活の歩き方
02.前向き人間になり就活力を養成する
03.インターンシップを成功に導く方程式
04【A】自己分析・自己理解編 ─ 日常生活に視点を置き自分の強みを探し出す
04【B】面接編 ─ 小さなミスを気にせず フランクな態度で臨め
04【C】応募書類作成編 ─ アピールすべき情報を効果的に盛り込もう
04【D】就活クリニック編 ─ こうすれば解決できる就活生の悩みに処方箋
04【E】待遇に関する基礎知識編 ─ 入社前に知っておこう労働時間と賃金の内訳
インターンに参加できず優先選考がムリに!?
初めての就職活動では、迷ったり悩んだりすることも少なくない。そこでよく寄せられる質問をベースに、とっておきのアドバイスをしていこう。
近年、インターンシップに参加すると、一般よりも早く選考が始まることが多くなった。そのため、「少しでも興味がもてる企業には絶対参加だ!!」と必死になる学生も増えている。しかし、人気企業のインターンシップは倍率が高く、参加できないことのほうが多い。また、スケジュールが合わず、見送りするケースもあるだろう。
もちろん通常の選考プロセスでも内定はもらえるが、早期の優先選考の魅力は無視できない。そこで参加できないと悶々とし、出遅れ感に苛まれる。
安心してほしい。優先選考へのルートはインターンシップだけではないのだ。
最近、注目を集めている採用手法に「リファラル採用」がある。社員や内定者、インターンシップ参加者を通じた紹介システムのことだ。社員や社員予備軍を使い、会社の魅力をダイレクトに伝えながら、効率よく応募者層を獲得する戦略である。
リクルーターのような紹介者が自ら動いて学生に接触するが、逆に学生の側から、こうした人たちに働きかけてもいい。家族の知り合い、大学の先輩の同期ほか、様々なルートで相手先の社員を探し、「インターンシップに参加しなかったので、ぜひ会社の話を聞かせてください」と積極的にアプローチする。その情報が人事に伝わり、熱心な学生がいると、優先ルートに乗れる可能性もでてくる。
リファラル採用の導入は急上昇しており、21年卒では4社に1社以上、大手では4割に迫るという。知り合いを探し出し、ぜひトライしてみよう。
一度落とされた企業にも再挑戦はできるのか
大本命と考えて頑張ってみたが、残念ながら内定はもらえず。でも、あきらめ切れない……。就職活動の終盤では、内定の辞退で採用予定者が不足することがある。そのときにタイミングよく再挑戦をお願いすると、認められることがある。
とはいえ、書類選考や一次などで落ちた場合はムリ。三次から最終面接の段階で落ちたことが一定の条件になる。再チャレンジを希望するときは、前回の選考に対する反省点を提示したうえで、挽回の機会がほしいと訴えよう。内定が出た時期の2週間から1か月後に、電話やメールで企業に問い合わせるといい。
複数の内定で迷ったなら情報を集めて判断!!
複数の内定を手にし、決めきれない場合は、それぞれの企業の取引先に話を聞くと役に立つ。たとえば、複数の食品メーカーで迷ったなら、スーパーや食品卸業の社員にアドバイスを求める。
「A社は担当がよく変わる。転勤が多いそうだよ」とか、「B社は他社と比べて担当者の年齢が若い。早い時期から仕事を任せているようだ」など、有益な判断材料が得られる。なお、内定を辞退するときには、叱責されないので速やかに連絡しよう。気が進まずに後回しにするほど嫌になるし、他の学生の機会を奪う事態も招く。
さて、悩みはひとりで抱え込むと、どんどん深刻化していってしまうもの。気軽に他人に話して解決の道を探ろう。