応募書類作成編 ─ アピールすべき情報を効果的に盛り込もう
斎藤幸江の就職ウォーミングアップ講座04【C】
エントリーシートなど、提出しなくてはならない書類は結構多い。書き慣れていないと時間を浪費、記入に謀殺されてしまう。
- 【斎藤幸江の就職ウォーミングアップ講座】
- 01.混乱も予想される21年就活の歩き方
02.前向き人間になり就活力を養成する
03.インターンシップを成功に導く方程式
04【A】自己分析・自己理解編 ─ 日常生活に視点を置き自分の強みを探し出す
04【B】面接編 ─ 小さなミスを気にせず フランクな態度で臨め
04【C】応募書類作成編 ─ アピールすべき情報を効果的に盛り込もう
04【D】就活クリニック編 ─ こうすれば解決できる就活生の悩みに処方箋
04【E】待遇に関する基礎知識編 ─ 入社前に知っておこう労働時間と賃金の内訳
美しい文字を書くために筆記具にもこだわる
インターンシップの応募や就職活動では、手書きで書類を作成することも多い。文章を書くことに慣れていないと、予想以上に時間がかかるものだ。初めて書類に挑むときは、特に早めに取りかかろう。
読みやすい文字を書くには、美文字のサイトを参考にするといい。筆記具もおざなりにせず、いろいろ試してベストなものを探そう。書きやすいペンはとかく筆が走り、読みにくくなることもある。逆に多少書きにくいペンのほうが、読みやすい文字が書きやすいものだ。
要点のみを端的に伝えて読みやすさを追求!!
応募書類では、わかりやすいことが一番重要だ。相手が短期間に大量に読む、あるいは面接の際の資料にするという状況では、すぐに見て要点がわかることが不可欠になってくる。そのためには一文が簡潔であること、文字が丁寧かつ適当な大きさで読みやすいこと、構成が整っていることが必要になる。
一文の長さは、60字から70字が上限の目安だ。この長さの文章を書くことに慣れると、面接でも要点を絞って話せるようになり、伝わりやすさが増す。応募書類の目的は、提出するキミという人物の情報を相手に届けることにある。したがって、あらゆる記入欄に自分に関する情報を入れ込もう。
たとえば、得意科目、研究テーマを書き入れる場合には、その内容だけでなく、「得意=得意と感じる点、興味をもった点」、「研究=進め方や選択理由、やりがい」といった情報を盛り込むと人物像が具体化する。また、「学生時代に力を入れたこと」も、力を入れた対象だけでなく、どんな力をどこにどう注ぎ、その結果どうなったのかをしっかり説明しよう。
理系、ことに大学院生の場合、別添資料として研究概要の提出を求められることがある。その際も、人物情報を忘れずに書き入れたほうがいい。研究を選んだ理由、究めることで期待できる成果(例:安全性、コストの削減)、自分の強みが生かせた点(例:挑戦力で新たな実験手法を模索)など、通常の研究概要にはない内容もきっちり書き入れていこう。
「PREP法」を用いると文章が簡潔になる!!
書類の記入欄では、問われた内容の答えを最初に提示しよう。「自己PR」や「長所」なら自分の特徴を、「学生時代に力を入れたこと」なら力を入れた対象を簡潔に述べる。そして、その後に説明を加えていく。
その際、「PREP法」を意識して構成を考えると、整理しやすくなる。PREP法はビジネス文書のスタイルの一種で、4つの構成要素の頭文字を取った名称になっている。
- ●P/ POINT =ポイント、主旨
●R/ REASON =理由、背景、動機、主旨の追加説明など
●E / EXAMPLE = 事例、エピソード
●P/ POINT =ポイント、主旨を繰り返す
書いた後、どの部分がPREP法に当てはまるかをチェックして、より読みやすい文章になるよう仕上げていこう。応募書類は、慣れるまで大変だが、自分のすべてを相手に説明する必要はない。企業の求める人材に関する情報などを事前に確認し、書くべき内容を絞り込もう。