自己分析・自己理解編 ─ 日常生活に視点を置き自分の強みを探し出す
斎藤幸江の就職ウォーミングアップ講座04【A】
アピールを磨くためには、自己理解を深めることが重要になる。でも、どう始めたらいいのか。効果的な方法を伝授しよう。
- 【斎藤幸江の就職ウォーミングアップ講座】
- 01.混乱も予想される21年就活の歩き方
02.前向き人間になり就活力を養成する
03.インターンシップを成功に導く方程式
04【A】自己分析・自己理解編 ─ 日常生活に視点を置き自分の強みを探し出す
04【B】面接編 ─ 小さなミスを気にせず フランクな態度で臨め
04【C】応募書類作成編 ─ アピールすべき情報を効果的に盛り込もう
04【D】就活クリニック編 ─ こうすれば解決できる就活生の悩みに処方箋
04【E】待遇に関する基礎知識編 ─ 入社前に知っておこう労働時間と賃金の内訳
採用側が知りたいことは普段の行動スタイル
自己理解を深めるには、過去や現在の経験の振り返りが大切だとよくいわれる。でもいきなり振り返りを始めるのは危険だ。感情や印象によって抽出された経験をもとに、自分を分析してしまうからである。
記憶に残る、価値があるという感覚は、普段の自分とは異なる行動をとったときや、非日常な状況下で生まれやすい。
一方、採用側は仕事をこなせるかどうか知るため、特別なときではなく、普段のキミの行動スタイルや考え方を見ている。ここに大きなズレがあった。意識せず、自然にやっていること。いつもの慣れたやり方とは何だろう。そこに着目しよう。
たとえば「やったことがないことでも、まずやってみる」タイプなのか。それとも「しっかり手順を調べて、入念に準備してから取りかかる」派なのか。あるいは、「一度に様々な作業を同時に進めるのが得意」なのか、「ひとつのことにじっくり集中する」なのか――。
こういった特徴を選考側は見ていて、職場でのニーズとすり合わせて採用が決まっていく。自分ではたいしたことがないと思えても、自然にできるくらい自分のものになっているもの。それこそが自分の強みだ。
過去を振り返り、印象として残る「あの時のあの状況」に思いを馳せるのではなく、自分は「いつも」どうしているかを丹念に探ろう。(下段表を参照)就活における自己分析は自分探しではない。
採用側のニーズに対し、自分の強みをどう見つけるかだ。それを意識すれば、作業がより円滑に進むはずだ。
他人からの評価を歓迎し 自分の強みを把握
2019年就活あたりから、大手企業で「GROW360」という適性診断システムの採用が急速に進んでいる。スマホを使って行う適性診断で、AIを用いて分析するが、「他者評価」という項目があり、他人からの評価を記入しなくてはならない。 また最近では、エントリーシートに、あなたの印象を他人に記入させる企業も出てきた。
自己理解を深めるには、他人からの評価は大きな手掛かりとなる。観察や分析が上手な人や、アルバイト先の上司など様々な人にあなたの印象を聞いてみよう。
なお、自分と似たタイプの仲間に問うと、その人と共通する長所は相殺されたり、逆に相違点は短所としか見てもらえなかったりもする。そのため多様な人に聞くことが重要になる。採用選考が始まる前に評価上手な人を把握していれば、他者評価が必要になったときに頼みやすいという利点もあるだろう。
客観的に自分の経験や生活を見つめ直し、他人の視点を借りて再確認することは、充実した毎日を送るうえでも大切だ。楽しみながら、今まで知らなかった自分を発見してみよう。
■自己分析の視点
こちらに近ければチェック | こちらに近ければチェック | ||
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計画して取り組む | 集中力で乗り切る | ||
興味を深める | 興味を広げる | ||
決まったルールや方法を尊重・実行 | 柔軟な対応を歓迎・選択 | ||
筋道にこだわる論理派 | 感性を生かしたい感覚派 | ||
聞き上手 | 話し上手 |