就職に力を入れている大学ランキング2021(北海道・東北編)

就職に力を入れている大学ランキング2021(北海道・東北編)

写真=小樽商科大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「就職に力を入れている大学(北海道・東北編)」だ。

1位は国際教養大学で27ポイント。同大ではキャリア開発センターを中心に、個別相談を軸としたきめ細かな進路選択支援を行っている。「キャリア・デザイン」を必修科目とし、1年次から職業意識の形成を目的とするキャリア教育では、選択科目として2週間〜3カ月間の「インターンシップ」も用意。学内企業説明会である「仕事研究会」は、県内外の企業から人事採用担当者を招いて開催されている。また、国内外の大学院への進学や高度専門職をめざす学生には「アカデミック・キャリア支援センター」がサポート。卒業生の進路は、メーカーや商社、金融、IT、マスコミ、公務員など多種多様であり、卒業生の約7%は国内外の大学院などに進学したのち、国際機関やシンクタンクなどに就職している。

2位は会津大学で12ポイント。日本初のコンピュータ理工学を専門とする公立大学として1993年に開学した同大は、国内随一といわれるコンピュータ教育を実践。学生の多様な好奇心や希望する進路に応えるため、学生数の2.5倍にあたる約3000台のコンピュータを整備し、24時間利用可能な教室も用意。学部1~3年生を対象とした「キャリアデザインⅠ」と、学部3年生および修士1年生を対象とした「キャリアデザインⅡ」など、入学後からのキャリア教育を展開。3年次には進路選択のための進路ガイダンスなどを実施し、就職相談員によるアドバイスやカウンセリングなどさまざまな支援により、開学以来、大学院はほぼ100%、学部は平均97%という高水準の就職内定率を保持している。

3位は秋田県立大学で10ポイント。少人数教育を軸とした丁寧な指導は、キャリア支援にも生かされ、4年連続での就職内定率100%(2020年度)という実績にも表れている。同大では1年次からキャリア関連講座やジョブシャドウイングなどのキャリア教育を実施。学生のキャリアに対する気づきを促しながら、独自の「クサビ型カリキュラム」によって早期から専門分野に触れ、「学生自主研究」や実習など体験型の授業で専門的な技術を磨く。3年次からの本格的な就職活動では、キャリア支援チーム、研究室の指導教員・学年担当教員、キャリア支援委員会、就職推進員と、教職員が一丸となって学生を支え、指導することで、満足度の高い就職の実現へとつなげている。

次に、複数の大学が5ポイントで並んだ4位から、小樽商科大学を取り上げる。
1911年創立の小樽高等商業学校を前身とする同大は、商学部に経済、商、企業法、社会情報の4学科を擁する単科大学だ。所属学科を2年次に決定するため、入学後の1年をかけて自分の適性や興味を見極めた上で学科選択ができる。同大ではアクティブラーニングに力を入れており、2・3年次必修の「ゼミナール」や「社会連携実践『本気(マジ)プロ』」といった学生が主体的に学ぶ授業をはじめ、実学重視のカリキュラムを展開。ゼミを発端に起業する学生もいるなど、知識や理論、実践力に加え、ビジネスマインドを兼ね備えた人材を育成している。また、1年次からの就職支援により高水準の就職内定率を維持。卒業生の半数近くが道外に本社のある企業に就職し、多様な分野でその力を発揮している。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。


就職に力を入れている大学ランキング2021(北海道・東北編)