安田理氏に聞く 今注目の学校
安田学園中学校・高等学校
野外探究・磯(東京海洋大学館山研究所)=写真
中学先進コース
安田学園には、教育目標の「自学創造」を実現する独自の教育プログラムがある。今年7年目を迎えた中高一貫部の先進コースでは、生徒が自ら考え、問題を解決する力を伸ばす「探究学習」を実施。自然科学や人文社会などの多彩な題材をもとに、ベースとなる「疑問→仮説→検証」の思考サイクルを身につけていく。
中学では、通常の授業などで培った基礎学力に合わせ、学年によって題材やテーマを変えて探究学習に取り組み、論理的に考える力を養っている。
高1からは、グループ単位での探究から個人探究へと切り替わる。興味のあるゼミに所属して、調べたいテーマを自分で決めて調査を進め、1年かけて論文にまとめていく。探究学習の集大成となるのが高2の「グローバル探究」だ。高1で作成した論文を英語に翻訳し、各自がイギリスでプレゼンテーションを行う。
こうした探究学習にも欠かせない英語力だが、安田学園ではグローバルプログラムとしてさまざまな取り組みを行っている。その一つがオンライン英会話だ。インターネットを介して、プロの英語講師との1対1による個別指導が行われる。
これまでは希望者対象だったが、今年度から中1~高3の通常の授業で取り入れられた。生徒たちは画面を通して身振り手振りを交えながら、積極的に英会話に取り組んでいるという。
数々の改革により、大学合格実績も飛躍的に上がっている。今年は国公立大に49人、早慶上理に34人、GMARCHに144人が合格。昨年の約1.5倍の実績となった。来年には共学化後、初の中高一貫部の卒業生を送り出す。さらなる注目を集めそうだ。
安田理氏からのコメント:10年で下町を代表する進学校に
「サンデー毎日」が5月19日号で「10年で伸びた500高校」という特集をした。その中で、安田学園は表の上位に顔を出していた。
有名私大の難化が著しい中で、早稲田大・慶應義塾大・上智大・東京理科大とMARCHの合格者は77→195と飛躍的に上昇。今や都立の両国と並ぶ下町を代表する進学校である。
一方、「探究」に力を入れていることで知られる。次の学習指導要領を先取りしているので、新しい大学入試になっても実績を伸ばし続けるに違いない。
- 安田学園中学校・高等学校
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安田 理(やすだ おさむ)
安田教育研究所代表。東京都出身。早稲田大学卒業。
大手出版社にて雑誌の編集長を務めたあと、2002年安田教育研究所を設立。