続・我が子にちょうどいい学校は?4校の学校教諭が語ります。

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続・我が子にちょうどいい学校は?4校の学校教諭が語ります。

昨年は「自分の子どもに合う学校選び」について、青稜中学校高等学校の伊東充先生、多摩大学目黒中学校高等学校の井上卓三先生、文教大学付属中学校高等学校の神戸航先生、立正大学付属立正中学校高等学校の今田正利先生にお話をうかがいました。今年は「父親の関り方」「学校のルールと自由」「大学進学」についてのお話です。学校選びの参考になりますのでご一読ください。

続・我が子にちょうどいい学校は?4校の学校教諭が語ります。
左から今田先生、神戸先生、伊東先生、井上先生

父親の関り方それぞれ

今田:昔は難関大学合格を目標に子どもに猛勉強を強いる父親と、それを「少しかわいそう」と思いながらも父親に同調する母親が多かったのですが、今は母親も学歴重視の方が増えましたね。またバブル崩壊後、会社で頑張っても報われない体験をした父親は「もっと勉強して、より上位の学歴を獲得しておくべきだった」と思う人がいる一方、「もっと自分の好きなことをしておくべきだった」と反省し、子どもには好きなことを体験させたいと思う父親が増えています。同じ頃から高学歴なのに仕事ができない新社会人が目立ち、「いい学校って何だろう」という疑問を持つ、偏差値至上主義に懐疑的な見方をする人も増えてきましたね。「知識は後から得ることができるので、まずは中学高校時代には色々な体験をさせてあげたい」と思う父親が立正では増えてきたと感じています。

神戸:文教には「グローバルコンピデンスプログラム」という、社会において自分はどういう人間でありたいか、将来をグローバルな視点で考える授業があります。この説明で他者の意見を取りまとめる、自己主張をしっかりするなどコミュニケーション力が大事という話をすると、父親が強く共感します。日頃若い社員に対して感じていることなのでしょうか。また父親の特徴として物事の理由まで聞いてはじめて納得することが多いですね。最近の例で言えば修学旅行先の一つにエストニアがあるというと「何でエストニアなのでしょうか」と聞かれます。世界の中でもデジタル先進国で、それを活用した教育が進んでいますと答えると納得するようなことです。

伊東:自分の子ども3人を育てた過程をふりかえると、父親が教育に関与することが下の子になるにつれて非常に増えてきました。両親共稼ぎの時代で子供は夫婦で育てるものという考えが当たり前になる中、父親の教育への思いが顕在化して、普通に主張できる時代になったのではないでしょうか。父親の役も変わってきました。昔は生活指導で先生と母親の意見が食い違った場合は、父親が出てきて解決していました。今は両親同じ意見で結局まとまらないことも多くありますし、母親が父親を制して話をまとめることもあります。父親だから、母親だからではなく、それぞれの家庭で両親の役があると思います。ただ父親がスペック好き、データや理由付けなど理論好きな方は今でも多く、情緒を重視する母親が多いのとは対象的です。

井上:仕事優先から家庭優先の時代になり、子どもの教育に無関心な父親ではいけないという風潮も影響があると思います。私の父親は教員でしたが、平日の参観日はいつも欠席、それが当たり前でした。今は一般企業のみならず学校の教職員でも自分の子どもの学校行事で休みを取ることが当たり前です。また説明会で、子どもが40歳の時に活躍できる教育の話をする時も父親の共感が多いと感じます。終身雇用制が薄れ、転職が当たり前で会社がなくなるかもしれないことを実体験で感じているからでしょうか。社会の動向を反映していると思う一方、共稼ぎの時代ですので共感する母親も増えてきました。

続・我が子にちょうどいい学校は?4校の学校教諭が語ります。

学校のルールと自由の解釈

今田:立正は日蓮の人材育成に対する考え方が根幹にある学校です。国はトップリーダーがしっかりしているだけではだめで、一般の人々から社会に有益な人材を輩出し続けないと日本という国のバランスがとれないという考えです。どこの社会でも通用する有益な人材の育成には、3年間または6年間、何事かに我慢して物事を進める機会というのはとても重要です。このような考えの中で基礎的な力を持つ社会人を育てるため、礼儀や言葉遣いにはかなり気を遣って指導しています。結果として立正は緩い意味での自由はあまりない学校ですね。

神戸:「人間愛」が教育の根幹である文教で、生徒は自由と自律の両立を求めて活動しています。「個人の自由と、ここにいる生徒全体の自由は違う。また皆が幸せにつながらない自由は自由とは言わない」ということ、これが理解できることが重要で、自己ではなく全体を考えて自由を考える教育を実践しています。生徒達の思いを継承することも重要です。数年前に生徒会で制服のコート自由化を検討して、ある程度は生徒の自主判断に任せることとしました。当初は問題になることはなかったのですが、次の代に継がれていくにつれて少々乱れてきました。熱意をもって新しい制度を作り上げた生徒会の活動があっても、数年経過するとその志が薄れてしまいかねません。生徒の熱意を継承するためには規律を作った理由を明確にすることも必要です。

伊東:「ルールだから守りなさい」ではダメですね。学校には色々な規則があり、なぜその規則が存在するのかを考え、その中で自由を考えて欲しいと考えています。またルールが時代にそぐわないと思ったら理路整然と説明できるように指導しています。青稜では最近携帯電話の所持が自由化されました。発端は教員側が携帯所持を認めず「非常時は公衆電話を使用しなさい」という姿勢だったのですが、生徒が主要駅周辺で公衆電話を数えたところほとんどない。これでは非常に困るということで所持が可能になりました。またコロナの頃は学校生活が暗かったですよね。当時の生徒会はあれこれ規制がかかっている中で、楽しく学校生活を送ることを目的に七夕の短冊書き、クリスマスツリー設置やバレンタインのチョコ交換会など、様々なイベントを立ち上げました。本来学校生活に不要物は持ち込み禁止なのですが、生徒会が校長をはじめとした教員に相談して実現、経費負担までしています。チョコをもらえない生徒がいないのですから学校は明るいですよ。

井上:多摩大目黒は運動部の活動が盛んで、ここで規律の重要性を学んでいます。この影響は大きいですね。「他校の強いチームを見てごらん。みんな着替えも早いし、挨拶もするし態度もいいでしょう。結局強くなるにはそうするしかないよ」と話すと生徒は納得します。学校内でも他の部を見て色々考えていますので、運動部だけでなく生徒会を通じて学校全体へ効果が波及しています。ただ神戸先生がおっしゃっていた通り、次の生徒への繋ぎが難しいですね。先輩がきちんとリードして継承を続けてもらいたいし、先輩の意見が違うと思ったら後輩はきちんと論破できるように深く考えた上で継承してもらいたいですね。昨今部活動と学校の切り離しがよく取り上げられていますが、部活動は大変重要な教育の機会ですから、多摩大目黒では「部活動しようよ」と生徒に勧めています。

続・我が子にちょうどいい学校は?4校の学校教諭が語ります。

大学進学、どう考える

今田:立正では大学は通過点、社会人として活躍することが教育の最終目標と教えています。そのため難関大学に何人合格するかということには重きを置いていません。生徒の将来を考えるキャリアデザインに力を入れ、自分たちがやりたいことをメインに考え、その実現につながる大学を選ぶという進路指導です。また仏教主義の学校なので、世の中の価値観がすべてお金に換算されるという考えは幸せにならないと教えています。自分の中での達成感や充実感が大事なので、この点を踏まえて職業を選ぶことが大切なことです。職業観の育成にはインターンなど社会体験も多く実施しています。目標とする大学に指定校や総合型選抜制度があればもちろん利用させますので、おおよそ7割が年内入試で進学します。一方で例えば弁護士希望の生徒には、なるべく難関大学の法学部を目指した方が夢はかなうので、特進クラスに進み一般選抜試験で高い目標を持つように指導します。

神戸:社会に出てから自分はどうありたいか、何をしたいかをよく考えた上で、将来の進路選択を考える力を身につけさせることは立正中高と一緒です。「グローバルコンピデンスプログラム」は世界標準の貢献力を育み、生徒が物事に対して主体的に取り組むマインドを熟成してリアクションを起こすためのプログラムで、教師はそのモチベーターという役割も持っています。この学びには探究活動の要素を多く含んでいるので、昨今の風潮ですと総合型選抜の受験生が増えそうなのですが、現在の文教では生徒がより高い目標に挑戦する姿勢が強くなっており、国公立大学を中心とした難関大学受験を目標にする生徒が増えています。卒業生と連携した放課後の学習支援システムや、先輩の一般試験合格実績もこの姿勢を後押ししていますね。

伊東:青稜は約7割が一般選抜です。指定校も積極的に勧めてはいませんし、生徒からも要望が少なく、学校内は一般選抜を目指す雰囲気が強くなっています。多くの生徒を見てきましたが子どもたちの成長曲線は様々で、高校3年になって爆発的に伸びた生徒もたくさんいました。これから伸びる可能性を持った生徒を、年内入試のように過去の成績で早めに判断するのはもったいないと思います。また青稜は「挑戦」をモットーにしていますので、少しでも高い目標を持って受験に臨むよう生徒に言い続けていますが、同時に大学入試がピークではない、その先にも長い未来があり、決して受験の結果だけが目標ではないことも伝えています。

井上:40歳で活躍できる教育が大前提になりますが、多摩大目黒は一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜と様々な方向性を考えます。中学入学時はサッカー選手になりたいと言っていた生徒がサラリーマン希望になった場合には「サラリーマンを目指すなら出身大学が大切になってくるケースも多くなるよ」と、現段階で何をやりたい(なりたい)かがはっきりしていない生徒の場合には、「だからこそ満遍なく勉強をしながらやりたい(なりたい)ことをみつけよう」と、学校生活全般をみて自立を促した方が成長見込める生徒のご家庭には「生活面でも自立した方が伸びる要素がありますし、地方で就職することを考えると、その地方の国公立大学卒業はブランドにもなりますよ」等のアドバイスをするなど生徒によって、パターンは色々です。この方法は教師が幾度も生徒や家族と面談を重ねることが必要で、その際教師と生徒の間に信頼関係がなければ教師の言うことに耳を傾けませんから、日頃から個々の生徒をよく理解していることが前提になりますし、教師もそのことを心がけています。

4人の先生方のお話はそれぞれ異なる考え方もあり、それは各学校の教育方針や校風に反映されています。一方で共通する事柄もあり、例えば自由を考えさせる教育に関しては、分別のつく高校生ならある程度自由にさせてもいいですが、まだまだ無分別に行動しかねない中学生にはしっかりと型にはめる教育機会が必要と、複数の先生がお話しされていました。我が子を預けるならどんな学校がいいか、色々な先生の話を聞いて悔いのないように受験するための一助になれば幸いです。

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