変化(Change)、挑戦(Challenge)、社会貢献(Contribution)の3Cを行動目標に掲げ、社会に貢献する人材を育成する青稜中学校・高等学校。学外の企業との連携を推進し、ゼミナール授業をはじめとする様々な取り組みによって生徒の挑戦心を育んでいる。校長就任から6年目を迎えた青田泰明先生に、学校の魅力を伺った。
―6年間の学校の変化について教えてください。
校長就任時はコロナ禍でしたが、生徒の学びや成長を止めてはならないという使命感から、いち早くオンライン授業を導入しました。それが本校のチャレンジ精神を高めるきっかけになりました。
何事にも挑戦しようとする姿勢が文化として定着し、新たな課題に果敢に挑戦しようと、主体的に活動する生徒が目立つようになりました。「挑戦は正義だ」と繰り返し伝え、生徒の挑戦を後押しすることで、難関大学を目指す生徒や学外のコンテストに参加する生徒が増えています。教員から与えられた課題をこなすだけではなく、自ら課題を見つけて取り組む姿勢が身についてきました。中高生は自発的に行動することが求められる一方で、教員や保護者の指示に従うように指導されますが、人生の主人公はあくまで自分であることを忘れないでほしいと思っています。
また、大学進学プログラムについては、放課後講習や最難関国公立大学を目指す生徒向けの最難関講習のほか、チューターが個別指導を行う自習室「Sラボ」を設置。生徒一人ひとりをきめ細かくサポートしています。放課後も友人と教え合いながら勉強したいという生徒の要望に応えて、今年の9月から完全下校時刻を22時にしました。
教員と生徒の距離の近さも本校の特徴です。生徒の力になりたいという思いを原動力に、新しい教材やプロジェクトを意欲的に取り入れています。生徒と教員が互いに挑戦する心を高め合うことで、大学合格実績の向上にもつながっています。

毎週1回2時間の授業を行うゼミナールでは、学年混合のグループディスカッションやプレゼンテーションを通して、表現力や読解力、論理的思考力などの非認知能力を磨いています。全14講座から好きな講座を選んで1年間課題に取り組み、2年間で2種類のゼミを経験します。教員の専門分野や趣味・特技を生かした多彩な講座が魅力です。社会課題や天気予報、アニメ・漫画といったサブカルチャーなど教科学習の枠組みを越えたテーマが生徒の好奇心を刺激し、学習意欲を高めています。
私が担当する講座では、毎週様々な企業を招き、SDGsに対する解決策を考えながら思考力を鍛えています。これまでに、江崎グリコやリクルート、サントリーなどの有名企業とコラボレーションしてきました。例えば、江崎グリコとの取り組みでは、ごみの分別を目的に、遊び心を取り入れた投票式のごみ箱を設置しました。現在の投票テーマは「麦茶とルイボスティーのどちらが好きか」。その結果から校内に設置する自動販売機の種類を決定します。生徒にとって身近なテーマにすることで、自分の意見で学校が変わることを実感し、市民性を育んでいます。将来的には生徒にもテーマを考案してもらいたいと考えています。そのほかの講座でも、生徒のアイデアをアウトプットする機会を数多く用意しています。やりがいを感じながら取り組んでほしいと思います。
企業をはじめとする学外組織との積極的な交流は、生徒の視野を広げる役割を果たしています。学校だけが世界のすべてだと錯覚し、失敗を恐れてチャレンジすることを避ける生徒もいますが、失敗と成功は等価値であり、失敗してもいいとたびたび伝えています。最近は生徒から企業の方々に鋭い質問を投げかけ、堂々と意見を伝える様子も見られます。勇気を出して一歩踏み出すことが自身の成長につながると実感しているようです。自己表現が苦手な生徒も教員が重点的にフォローすることで、コミュニケーション力や発信力が飛躍的に向上しています。学校は広い社会の中の一部にすぎません。そのことを理解し、失敗を恐れない心を培ってほしいと考えています。
―今後の展望をお聞かせください。
これからの学校教育には、AIの活用が欠かせません。しかし、単にChatGPTなどのツールを使うだけでは、生徒の思考力を阻害してしまいます。生徒の学びを深め、成長につながるようなAI導入のあり方について、外部企業とも議論を重ねながら追究していきます。
また、将来生徒たちが直面する社会課題を見据え、より良い社会を目指していく感覚を育むことも重要です。SDGsという言葉が先行しがちですが、貧困や飢餓、環境問題など、世界には解決すべき問題が数多く存在しています。自らの力で未来を切り開く力を身につけるために、身近な課題に向き合う姿勢を丁寧に育てていきたいと思います。
―青稜中学校・高等学校の魅力を教えてください。
挑戦を楽しむことこそが青稜らしさであり、社会を変えたいと思うチャレンジャーには最適な学校です。これからの時代に必要とされる非認知能力を伸ばすためにもオープンイノベーションを推進し、あらゆる人にとっての挑戦のプラットフォームであり続けたいと思っています。挑戦には大変なことや失敗がつきものですが、教員が生徒と伴走し、達成感ややりがいを得られるように導いていきます。そして、先行きが不透明な社会の中でも、変化を恐れず前向きな気持ちをもって挑戦し続けることで、社会に貢献できる人間へと成長してほしいと思います。
