多彩な34人の専任教員を配置
複数領域の融合と共創で「常識を覆す」新学部が誕生─東京理科大学 創域情報学部 情報理工学科

PR 取材・文 雫 純平(大学通信) 構成 小林 聡(大学通信)
多彩な34人の専任教員を配置 複数領域の融合と共創で「常識を覆す」新学部が誕生─東京理科大学 創域情報学部 情報理工学科

今や、誰もがAI(人工知能)をはじめとする様々な情報技術にアクセスできる時代となった。情報系の分野のみならず、医学や工学、社会学といったあらゆる分野で情報技術の活用が必須となっている。そんな中で東京理科大学が2026年4月に新設する創域情報学部は、情報学そのものを研究し発展させることに加えて、その知識や技術を他の分野に伝えていく人材を養成する、新しいタイプの情報系学部だという。専任教員として着任する予定の、松田一朗教授と諸橋賢吾教授にお話を聞いてみよう。

多彩な34人の専任教員を配置 複数領域の融合と共創で「常識を覆す」新学部が誕生─東京理科大学 創域情報学部 情報理工学科
諸橋賢吾 教授
現:公立千歳科学技術大学 理工学部 応用化学生物学科

多彩な34人の専任教員を配置 複数領域の融合と共創で「常識を覆す」新学部が誕生─東京理科大学 創域情報学部 情報理工学科
松田一朗 教授
現:東京理科大学 創域理工学部 電気電子情報工学科

両者ともに、26年4月より東京理科大学 創域情報学部情報理工学科 教授として就任予定

他学科の3倍ほどの規模で関心のあるテーマが見つけやすい

―26年4月に開設する創域情報学部は、どのような学部なのでしょうか。

松田 情報技術の発展はめざましく、今やAIなどはあらゆる分野で活用され、科学の発展に寄与しています。これをさらに一歩押し進めるためには、情報技術を他の分野に伝えることのできる、横断的な知識を持つ人材の育成が必要だと判断しました。そのための拠点となるのが、今回新設する創域情報学部です。

諸橋 情報理工学科のみの1学科制で、1学年の定員が360人となっています。本学内の標準的な学科と比べると3倍程度の定員をもつ大規模な学科で、その分豊富な数の教員が揃っています。34人の専任教員がそれぞれ先進的な研究を行っていますので、関心のあるテーマを見つけやすいことでしょう。また、先端企業との連携もこの学部の特徴の一つで、教育や研究活動に外部の企業も積極的に参加します。これによって、企業のニーズを踏まえて最先端分野の研究をすることが可能となり、社会で求められていることが何かを意識しながら学ぶことができます。情報に興味がある方はもちろんですが、自分の好きなことや将来のやりたいことがまだはっきりしていない受験生にこそ、お勧めしたい学部です。

―入試の段階では主に「C(Computing)系」「D(Data integration)系」に分けて募集が行われます。先生方はどちらの系で、どのような内容を扱っているのですか。

松田 私の所属するC系では、まずコンピューティング(※1)のスキルを身につけていきます。簡単に言うと、計算機を自由に使いこなせるようになるということです。2年次以降はさらに基盤を学ぶ「コンピュータ科学コース」と応用を学ぶ「知能メディアコース」に分かれていきます。
※1 コンピューティング…対象の処理や問題を、その特徴を定式化することによってモデル化し、モデルに基づいて、解析したりコンピュータで実行できるようにしたりする技術。

私の研究室はC系の応用である知能メディアコースに所属し、主に画像処理を取り扱います。画像は、研究対象として長い歴史をもっています。基礎知識をしっかりと身につけながらも、AIなど最新技術を積極的に活用できる人材を育てたいと考えています。

諸橋 もう1つのD系は、データの分析や運用を学ぶものです。2年次からは基盤の「データ科学コース」と応用の「社会システムコース」に分かれることになります。私の研究室はD系の基盤であるデータ科学コースに所属しており、情報学と生物学を掛け合わせた造語で「デジタル生物学」を標榜しています。

もしかしたら生物学と情報学のつながりがピンと来ない方もいるかもしれませんが、実は生物は情報の塊とも捉えることができるのです。例えば、DNAは文字の羅列ですから、情報学のテキストマイニング(※2)と同じ手法で取り扱うことができます。生物系の実験とコンピュータ解析の両方を取り扱うことのできる研究室は全国でもそう多くありません。色々なことに関心を持つ、好奇心旺盛な学生が集まってくれたらと思っています。
※2 テキストマイニング…テキスト内の単語を分析して、情報を抽出すること。

多彩な34人の専任教員を配置 複数領域の融合と共創で「常識を覆す」新学部が誕生─東京理科大学 創域情報学部 情報理工学科

リサーチキャンパスならではの複合的な学び

―創域情報学部が置かれる野田キャンパス(千葉県・野田市)の特徴を教えてください。

松田 現在10学科という多彩な学びをもつ創域理工学部(※3)に加え、大学院の創域理工学研究科、生命科学研究科が連携して教育・研究を行う「リサーチキャンパス」という位置付けです。新しくできる創域情報学部には、私を含めて多彩な分野の教員が創域理工学部から着任予定です。「創域」を冠する2つの学部が同じキャンパスで学び、連携し合うことで、様々なイノベーションが起こせるのではないかと期待しています。
※3 2026年4月より創域理工学部は8学科となる。

諸橋 松田先生も私も本学の卒業生で、学生時代はこの野田キャンパスで過ごしました。今も変わらない自然の豊かさが、やはり魅力的ですね。大学での勉強や研究は大変なときもあるでしょう。頭が疲れたときにふと外を見ると緑が溢れており、目の前には利根運河が流れています。学生には心が安らぐ環境と言えるのではないでしょうか。

多彩な34人の専任教員を配置 複数領域の融合と共創で「常識を覆す」新学部が誕生─東京理科大学 創域情報学部 情報理工学科
創域情報学部の拠点となる野田キャンパス

―卒業後の進路としてはどのようなものが想定されていますか。

松田 教員の立場からすると7〜8割程度の大学院進学率になってほしいという思いがあるのですが、情報系は学部卒でも就職先が引く手数多ですから、結果として進学と就職が半々くらいになるのではないでしょうか。就職先としては、情報分野、通信分野は当然として、金融や製造、教育、エンターテインメントなど、ありとあらゆる分野が想定されます。

諸橋 データ科学コースには統計学の教員が複数揃っています。統計学は海外では非常に重要な学問とされています。国内でも統計学を学んだ人材は製薬や生命保険など、企業からの需要が大きくなっています。本学部では履修の仕方次第で統計学にプラスして複数の領域を専門的に学ぶことができるわけですから、おそらく就職先に困ることはないでしょう。

―最後に、進路指導教諭の方へのメッセージをお願いします。

松田 理工系総合大学である本学で、1学科としては最大の規模となっています。今はまだ学びたい内容が漠然としている状態であっても、入学後にどんどん興味が広がっていくようなカリキュラムを用意しており、どんな学生でも満足できると思います。「常識は覆されることを待っている」というキャッチコピーの通り、新しいことに挑戦したいという受験生をぜひ送り込んでいただければと思います。

諸橋 私の研究対象である生物学の世界では、多様性を保つことが何よりも大切です。均一な状態では、環境が変化したときに対応できず、生存競争に敗れてしまうからです。大学も同じで、多様なタイプの学生が集まり、融合、共創することで新しい発想が生まれていきます。大学に活気ある多様性を与えてくれるような、得意なことや好きなことがはっきりした、尖ったところのある受験生も大歓迎です。