吉祥寺に全学部集約のワンキャンパスを擁する成蹊大学は、1906(明治39)年、創立者・中村春二により本郷西片町に創設された「成蹊園」を起源とします。その後、中村の個人主義と自由主義を基礎に据えた人間教育に賛同した岩崎小弥太と今村繁三の協力のもと、1912(同45)年に「成蹊実務学校」を開設。旧制成蹊高等学校の時代を経て今日へと至ります。創立以来のリベラルな校風のもと、「本物に触れる教育」を通して、持続可能な社会に貢献できる人物の教育を展開。「丸の内ビジネス研修」や「三菱海外ビジネス研修」などの企業と連携した人材育成プログラム、全学共通の教育プログラム、きめ細かなキャリア支援体制の充実なども大きな特徴です。次の100年を睨んで「共創人材(❶)」の育成をめざす成蹊大学は、2024年に文理融合を加速させる大学11号館が完成。2026年には「文理の複眼思考」で他者との「共創」をテーマに探究する新学部「国際共創学部」を開設します。
❶共創人材
「共創」とは、異なる立場や視点を持つ組織・個人が連携し、新しい価値やアイデアを生み出すプロセス。持続可能な社会の実現のために、複眼的思考と他者との「共創」によって、あらゆる活動を推進していける「共創⼈材」を育成している。

森 雄一学長
1994年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。修士(文学)(東京大学)。専門は日本語の意味論・文体論・文法論。成蹊大学文学部教授、同文学部長などを経て、22年4月より現職。著書に『学びのエクササイズ レトリック』(ひつじ書房)など。
ESD実現のため文理を超えた教育
成蹊大学は1912年、大正自由教育の旗手である創立者の中村春二が、三菱財閥の4代目総帥の岩崎小弥太と銀行家・今村繁三の支援のもと創設した成蹊実務学校を前身としています。「個性の尊重」「品性の陶冶」「勤労の実践」を建学の精神とし、小中高大の児童・生徒・学生が一堂に通う成蹊学園としての強みを生かして、今日に至るまで個性と自由を尊重した人間教育を行ってきました。
そんな成蹊大学が次の100年を見据えて2026年4月に「国際共創学部(国際共創学科)」を開設します。
高度化・複雑化した現代の社会課題の解決、そして持続可能な社会の実現のためには、従来の文系・理系の枠組みを超えた複眼的思考を備え、他者との「共創」によってあらゆる活動を推進することのできる人材が求められています。
日本および世界の地域の文化や諸課題を知り、人の営みそのものを学ぶ「国際日本学専攻」と、自然環境や地理といった人と社会を取り巻く環境を探究する「環境サステナビリティ学専攻」の2専攻を設定。専門教育と「文理複眼」の思考を養う専攻を横断した学び、そして英語をはじめとする諸言語やデータサイエンスといった情報分析など、現代社会に必須となる多彩な学びを深めていきます。

時代のニーズに応え新たな価値を創造する人材を育成
実務学校を源流にもつ成蹊大学は、ますます複雑化していく社会での諸問題を実践解決できる人材の養成に取り組んでいます。そのためには、キャンパス内だけではなく、学外での学びも必要です。成蹊大学には、産業界と連携したキャリア支援プログラムが数多くあります。
その一つが、2013年度から続く選抜制の産学連携人材育成プログラム「丸の内ビジネス研修(MBT:Marunouchi Business Training)」です。文理融合のプロジェクトで、3年次生および大学院1年次生を対象に、ビジネスの中心地である丸の内で、三菱グループを中心とする企業と共に、異なる考え方や専門分野への相互理解を深めます。4月の学内準備研修から始まり、丸の内研修、インターンシップ研修、10~11月のインターンシップ成果発表会・丸の内成果発表会まで、約7カ月かけて課題解決に取り組みます。
一方、三菱海外ビジネス研修(MOBT:Mitsubishi Overseas Business Training)は、グローバル意識を持ち、将来海外で活躍するビジョンを持った学生を対象に実施されるプログラムです。希望者は3年次の夏期休業期間中の約1週間にわたり、協力企業へ派遣され、多様な切り口から「グローバルマインド」を醸成し、将来的な人格形成やキャリア形成に繋がる貴重な経験を積むことができます。
そして、2026年度から始動するプログラムが学部横断型の「成蹊Global Study Program(GSP)」です。GSPの特徴は、実践的な英語力の強化、英語による専門科目、GSP専用の少人数発信型のゼミの設置、手厚い経済的サポートなどで、これによりグローバル化時代に貢献できるスキルや積極性を育むことができます。なお、「成蹊Global Study Program」の修了証はデジタル証明書の一つであるオープンバッジ(❷)で発行されます。
❷オープンバッジ
修得した知識やスキルを対外的に証明する国際技術標準規格のデジタル証明書。成蹊大学では副専攻制度、成蹊Global Study Program、成蹊アントレプレナーシッププログラム、丸の内ビジネス研修、数理・データサイエンス・AIリテラシープログラムなどで発行している。
さらに、「自ら問い、自ら考え、自ら答えを引き出す」という、成蹊大学がずっと大切にしてきた主体的な学びの姿勢を、より加速させる場が完成しました。2024年、新11号館に誕生したラーニングコモンズ「トーリウム」です。
最先端の研究環境を備えた理工学部の研究室と情報教育設備に加え、文系・理系が共創した学びを促進できます。仲間と共に学び合う「グループ学習エリア」、一人で集中して学習に取り組む「個別学習エリア」、学習成果の発表やイベントを開催できる「プレゼンテーションエリア」、専属のアカデミック・インストラクターによる学習支援が受けられる「アカデミックサポートエリア」など多様な学びを支えるエリアによって構成されます。大勢の学生が集うワンキャンパスの大学ならではの、新たな視点、発想のヒントがここにはあります。
2027年秋には、成蹊大学初の教育寮が誕生します。様々な国籍の学生が共に生活することで多文化・多言語環境に接し、日本にいながら異文化理解、国際感覚を養う「寮内留学」という環境を創出します。
こうした教育プログラムやキャンパス内外での学びを通じて、お互いを尊重し合い多様な価値観で物事を捉え、新たな価値を創造できる人材育成を目指します。
個々に向き合う充実のキャリア支援体制
就職活動を成功に導くための秘訣は、充実した学生生活を送るとともに、早めの準備を行うことです。どのような準備をすればいいのか、不安を抱える学生を最大限支援するのが「キャリア支援センター」です。将来のキャリアについて1年次から幅広く相談することができ、3年次からはエントリーシートや面接対応など具体的な就職活動全般のサポートをします。学生が相談員を選択して予約するシステムを採用し、一人ひとりに合ったアドバイスが行われます。「業界研究セミナー」「キャリセンLIVE(❸)」「優良企業の探し方講座」「学内企業セミナー」など各種支援講座も設けています。
❸キャリセンLIVE
オンラインツールを使用し、就職活動時期に合わせたトピックスを生配信(年間約20回実施)している。配信が一方通行にならないように、配信中に学生の質問に回答し、双方向のコミュニケーションを図っている。疑問や不安を参加者同士で共有することができ、就職活動へのモチベーションアップにもつなげている。
成蹊大学の2024年度の就職率は97.2%。就職希望者の約6割が企業規模従業員1000名以上の大企業に就職をしており、経済動向にかかわらず高い実績を残し続けています。
「成蹊大学は全学部が一つのキャンパスにあり、文系理系の枠にとらわれず広く学ぶことができます。キャリア支援には特に力を入れているため、将来が心配という方も安心して学ぶことができるでしょう。活気ある吉祥寺の街と魅力に富んだキャンパスで4年間充実した時を過ごし、大いに成長なされるよう教職員一同全力で支援します。ご入学をお待ちしています」と、森雄一学長は受験生にエールを送っています。
成蹊入試トピックス
2教科型全学部統一入試(E方式)で英語外部検定試験のスコアが利用可能(換算点方式)
4教科6科目型奨学金付入試(S方式)と5科目型国公立併願アシスト入試(P方式)は出願締切が共通テスト後の1月20日で自己採点後に出願可能。入学手続締切日は3月11日の国公立大学前期合格発表後で国公立大学との併願に最適。

