人生を左右すると言っても過言ではない就職活動。東洋大学では、そんな岐路に立つ学生のために、多数の就職支援プログラムを提供している。多彩なプログラムの中で、今回紹介する「UP講座」は低学年からの伴走型就職支援だ。詳しい内容について社会学部4年生の辻世梨奈さんと、国際学部3年生の吉田士恩さんに話を聞いた。
左：吉田士恩さん（国際学部国際地域学科3年・茨城県 鹿島学園高校出身）
右：辻 世梨奈さん（社会学部社会学科4年・神奈川県 私立高校出身）
低学年からの伴走、独自の段階的キャリア支援
―東洋大学を志望し、入学した理由を教えてください。
辻 高校時代は、将来就きたい職業が定まっていませんでした。そのため経済学部などの専門分野よりも、幅広く社会問題に触れたいと考え、社会学部のある大学を受験しました。東洋大学の社会学部は学科も充実していて、社会学を深く専門的に学べると考え、いくつか合格した大学の中から選びました。
吉田 私には、大学で環境学を学びたい、留学したいという明確な目標がありました。しかし、スポーツ推薦で入学した高校では文系しか選べず、地歴も日本史しか選択できなかったため、文系で環境学を学べる大学に進む選択肢が少ないと感じていました。そんな中、東洋大学の国際学部を調べたところ、文系・理系両方の先生が在籍しており、その中に環境学を専門とする先生がいることを知り、この大学を選びました。
―「UP講座」をなぜ受講しようと思ったのですか。
辻 入学当初から就職活動に対して漠然とした不安や焦りを感じていたからです。「学歴だけで判断されてしまうのではないか」「就活は厳しいらしい」といった話が周囲で聞かれ、こうした不安を解消するためにも、「できるだけ早く行動した方が良いのではないか」と考え、このUP講座を見つけてすぐに受講を決めました。
吉田 ニュースで企業の採用方針に関する報道を見て、大学名による評価の差を意識してしまい、不安を感じたのが一つ目のきっかけです。もう一つの理由は4年後の年後の社会人としての明確なビジョンを描けていなかったことです。まずはこのような活動に参加することで、自分の具体的な未来像を作り上げたいという強い思いがあり、受講することにしました。
―「UP講座」の存在を、どのような方法で知りましたか。
辻 東洋大学公式アプリのインフォメーション機能で知りました。アプリの情報を見て興味を持ち、自分にピッタリだと感じたので、そのまま申し込みフォームからすぐに申し込みました。
吉田 1年生の時、「学校探検」の気分でキャンパスを歩き回っていました。その途中で偶然キャリアセンターに立ち寄り、UP講座の掲示を見つけて「これは自分に合っているかもしれない」と思い、参加を決めました。当時は好奇心旺盛で、とにかくやってみようという気持ちでした。
学部・学科を超えた多様な学び、継続的・段階的な学びで自信を育む
―「UP講座」のプログラムの中で、印象に残っているものを教えてください。
辻 企業研究のプログラムが特に印象に残っています。就活での最終選考を見据え、企業理解の深め方や自分の強みのアピール方法について、「具体的にこうすれば良い」という実践的な方法を学べました。
また、興味のある企業を研究し、受講生の仲間や講師からその場でフィードバックをもらう機会があり、企業研究の基礎と具体的なやり方を早い段階で身につけることができました。就活が本番になる前に、余裕を持って企業研究のコツを掴む期間があったことが、私にとって相当なアドバンテージに感じました。
吉田 最も印象的だったのはグループディスカッションです。講座は基本的に、講師からの説明、実践、フィードバックという流れで進みました。受講生は積極的に参加しようという意識が高く、多様な学部の学生と議論することで、「こういう視点もあったのか」「こういった経験や学びをしているのか」といった多くの刺激や発見を得られました。所属する学部内だけでは得られない多様な意見を聞けたことが、非常に印象深い経験となりました。
―辻さんは来年、公的金融機関に就職予定ですが、就職活動において「UP講座」を受講して良かったと思った出来事はありますか。
辻 受講して最も良かったのは、信頼できる職員の方々や、同じ熱量で就活に励む仲間に出会えたことです。講座時間外でも気軽に相談できる職員の方々の存在は、自信が持てない自分にとって非常に心強かったです。
また、同じベクトルで就職活動を頑張るUP講座の仲間とは、オープンに情報交換や選考状況などを話し合える関係性が築け、大きなメリットとなりました。
さらに面接対策では、基本姿勢や質問への対応方法や、自己分析・企業研究に基づく具体的なアピール方法を学び、学んだことをすぐに実践できた点も有益でした。
―吉田さんは今、就職活動をどのように進めていますか。また現時点で「UP講座」を受講してよかったと感じたエピソードがあれば教えてください。
吉田 1年次から、大手企業が集まる大学主催のイベントに積極的に参加し、早期に志望業界を絞れました。現在は夏のインターンシップを終え、早期・本選考に向け準備中です。
UP講座で良かった点は、やはり先ほども挙げたグループディスカッションへの取り組みです。夏のインターンシップではグループディスカッション選考やグループワークが多かったのですが、周りの学生の大学名を気にせず良い意見や結論を導き出せました。その結果、採用担当者からいい評価をいただける機会も多く、UP講座での経験が役立ったと実感しています。
―「UP講座」を受講してきて、自分の中での変化や成長したと感じていることはありますか。
辻 受講前は、一部の企業の採用基準に関する報道や、自分自身に突出したスキルや資格があるわけではないため、「大手企業は無理」と諦めてしまう気持ちがありました。しかしUP講座で早めに準備したことで、「これだけ準備したのだから大丈夫」という自信と、正しい就活のやり方を教わった安心感を得ました。
UP講座での2年間を通じて、当初抱いていた不安は不要だったと気づき、自分に自信が持てるようになったことが、私にとって最も大きな変化でした。
吉田 最も大きな変化は、就活への恐れや戸惑いの解消です。1年次には混乱していた「どうすべきか、何をすべきか」が明確に整理され、目標達成に向けて順序だてた行動が可能になりました。
二つ目の変化は、お互いを高め合える仲間であり、良きライバルとなる存在を得られたことです。SPIの点数を競い合うといった切磋琢磨や、協力し合える関係性は大きな財産だと感じています。
Column
UP講座とは、1年次から3年次までにONE UP、TWO UP、THREE UP講座と段階を踏み、各学年で、それぞれのテーマに沿った各種の講座を経て、4年次の本番へと繋げる就職・キャリア形成支援プログラム。
1年次 ONE UP就職講座とは
（自分を知る）をテーマに、自分自身を見つめなおすことで、自身の強み・価値観を発見する。
⃝講座内容 「自分なりの面白いことを探す（大学をサブスクのごとく使い倒す）」など
2年次 TWO UP就職講座とは
（社会を知る）をテーマに、目的をもって活動することや、社会との接点を増やすことで、将来を考える機会を増やしていく。
⃝講座内容 「目標設定・手段（学業・課外活動・その他活動）の決め方を学ぶ」「業界・企業研究（学内ISへ繋ぐ）」など
3年次 THREE UP就職講座とは
（相手を知る）をテーマに、就職活動をする上での自分の立ち位置や企業へのアプローチ方法を知る。
⃝講座内容 「自己分析・PR」「業界・企業研究（志望動機含む）」など