分野を超えて、社会に求められる人材を育てる
学部教育と接続し、学生の可能性を大きく広げる独自のキャリア教育─福岡大学

PR 取材・文 林 郁子
分野を超えて、社会に求められる人材を育てる 学部教育と接続し、学生の可能性を大きく広げる独自のキャリア教育─福岡大学

人文・法・経済・商・商二部・理・工・医・薬・スポーツ科からなる9学部31学科を備え、約2万人の学生が学ぶ、西日本屈指の総合大学である福岡大学。1934年の創立以来、人材教育と人間教育の共存、学部教育と総合教育の共存、地域性と国際性の共存を教育理念とし、多くの優秀な人材を輩出してきた。近年は首都圏や関西圏の大企業への就職も好調だ。単なる就職支援だけではなく、学生のキャリア教育や人間教育を積極的に進める同大学のキャリアセンターの取り組みについて、センター長を務める商学部教授・笹川洋平先生にうかがった。

―貴学では学生のキャリア形成にどのように取り組まれていますか。教育理念との接続についても教えてください。

本学では、「人材教育と人間教育の共存」という教育理念に基づき、キャリアセンターも、キャリア教育や人間教育を担う組織だと位置付けています。センターの職員も教員と同様に学生に寄り添い、指導にあたります。その一環として、企業説明会の開催や自己分析などのセミナー、課外講座の開講といった一般的な就職支援だけでなく、「課題解決型プログラム」などのアクティブラーニング型のプログラムを企画・開催し、学部で学んだ専門的な知識を社会で生かすための、人間としての良識や社会人基礎力を育成しています。

キャリアセンター主催プログラムは基本的に全学部を対象としているため、他学部他学科の学生と協働することも多く、多様な考え方や学びについて知るきっかけにもなっています。

また、教育理念の「地域性と国際性の共存」においては、「企業発見ツアー」と称して地元企業との結びつきを大切にし、工場見学など学生が企業で働く方々と触れ合う機会なども積極的に設けると同時に、首都圏や関西圏の企業、グローバル企業などにも学生が目を向けるきっかけとなる企画を実施しています。東京や関西の企業を訪問し、そこで働く卒業生と交流する「就活キャンプ」や、東南アジアで課題解決に取り組む「海外インターンシッププログラム」では、学生の視野を広げることを狙いとしています。

学生と教職員の信頼関係が手厚い就職支援を可能に

―学生数が非常に多いにも拘わらず、きめ細かな就職支援ができるのはなぜですか?

本学のキャリアセンターでは、就職ガイダンスや自己分析講座等は専任職員が企画から運営まですべてを行っています。日々学生に接している職員が手がけるため、本学の学生のニーズを的確に反映することができます。また、プログラムやセミナーをはじめとする就職支援を通して、教職員が学生と深く関わっているため、学生の状況をきめ細かく把握することができます。学生側も教職員が親身になって対応してくれることを理解しているため、キャリアセンターの利用に非常に積極的です。

本学では、学生一人ひとりに向き合う個別相談に力を入れており、その件数は年間1万8000件を超えています。繁忙期はセンターの職員だけでは対応が難しいため、本学の学生のことをよく知っている外部の就職相談員にも加わってもらい、学生を待たせることなく、希望する日時に相談に乗れるように体制を整えています。

そのほか、就職活動を終えた4年生が学生アドバイザーとして、就職活動を始める3年生のための体験座談会などを開催し、個別のアドバイスにも対応しています。今年は20人ほどが学生アドバイザーの活動をしてくれていますが、その多くが昨年、先輩の学生アドバイザーや企業訪問などで卒業生にサポートしてもらった経験があり、先輩から受けた恩を後輩に返していくという良い循環ができていることをとても嬉しく思っています。

―今お話にあったきめ細かな対応のように、貴学が他大学には真似できないと感じている強みがあれば教えてください。

やはり9学部31学科がワンキャンパスに集まっているスケールメリットです。本学では毎年1月に2日間で330の企業や団体がブースを並べる「学内合同業界研究会」を開催しており、学生は3年生を中心に3500人ほどが参加しています。参加する企業や団体にとっては、幅広い学部学科の学生にアプローチできる点が大きなメリットとなっており、本学学生の採用に積極的な地元企業のほか、全国規模の大手企業も多く参加してくれています。また、学生にとっても、文系の学生がメーカーに興味を持つなど、業種や職種選択の幅を広げるきっかけとなっています。

また、先の個別相談や学生アドバイザーの話でも触れたように、教職員と学生の間に信頼関係が築かれていますから、企業訪問の際などに多くのOBOGが後輩のために労を惜しまず協力してくれます。

キャリアセンターが独自のプログラムづくりに取り組みはじめて10年ほどになります。10年かけて積み重ねてきた知見やノウハウは、まさに本学だけの強みと言えるでしょう。

分野を超えて、社会に求められる人材を育てる 学部教育と接続し、学生の可能性を大きく広げる独自のキャリア教育─福岡大学

大学卒業後の未来まで見据えた大学選びを

―今後どのような取り組みに力を入れていきたいですか?

就職率は97.3%と好調ですが、前向きに就職活動に臨める学生とそうではない学生がいるという現実があります。就職活動が早期化する中、焦りや不安でドロップアウトする学生が出ないように、丁寧にフォローしていきたいですね。試みの一つとして、「FUキャリアロードマップ」という、いつ何をすればいいのかが一目でわかるスケジュールを作成しています。ほかに、1、2年生が気軽に参加できるキャリア教育プログラムも充実させていきたいですね。

―最後に、受験を考えている高校生と保護者、高校の先生へのメッセージをお願いします。

高校での進路選択時には、目指す大学に入ることがゴールのように思いがちです。しかし、大切なのは大学卒業後、どのように社会で活躍できるか、豊かな人生を送ることができるかです。大学選びの際には、ぜひキャリア教育や卒業生の活躍などにも目を留めてみてほしいと思っています。

何より本学は卒業時に9割以上の学生が「福岡大学で学んでよかった」とアンケートに回答するなど、教育や学校生活への満足度が非常に高い大学です。安心して任せていただければ幸いです。

よりよい就職をサポートする多種多様なキャリア教育プログラム

就活キャンプ

東京または関西圏の複数の企業を3泊4日の日程で訪問。仕事の現場を知るとともに、そこで働く卒業生との交流を通して、職業選択の幅を広げ、学生の可能性を広げる。業界分析や研究を行い選考に備える事前研修会・事後研修会も併せて実施。

課題解決型プログラム

企業や自治体が実際に直面している課題に対し、学生が解決策を提案するプログラム。学生がグループで解決策を考え、プレゼンテーションを行うことで、課題解決能力とともに社会人基礎力を身につける。高校生が参加し高大連携で取り組むプログラムもある。

海外インターンシッププログラム

2023年度から外部企業が提供するインターン型のプログラムに学生を派遣。カンボジアやマレーシアで他大学の学生や現地の人と協力しながらカレー店を経営し、実地でマーケティングを学ぶとともに、異文化を理解しグローバルな価値観を身につける。

企業発見ツアー

1、2年生を対象に、地元企業などの協力のもと業務説明や工場見学、社員座談会などを実施。学生が自身のキャリアを考えるきっかけを提供する。

分野を超えて、社会に求められる人材を育てる 学部教育と接続し、学生の可能性を大きく広げる独自のキャリア教育─福岡大学