「公務員になりたいけれど、どの大学に進学すれば有利なのか?」これは、進路に悩む多くの受験生とその保護者が抱える共通の問題だろう。単に「偏差値が高い」というだけでなく、独自の試験対策カリキュラム、手厚い個別指導、そしてOB・OGネットワークなど、「公務員試験に強い大学」には明確な特徴がある。
そんな受験生や保護者の悩みを解決し、「公務員試験に強い大学」の特徴を兼ね備えているのが、今回紹介する千葉商科大学だ。千葉県の市川市にキャンパスを構え、1学年の定員が約1400名(総合政策学部300名※)という中規模大学であるが、都道府県・市区町村職員の就職者数は、2020年の全学部合計12名から右肩上がりに増加を続け、2025年には53名を輩出している。

また、前年の2024年の都道府県・市区町村職員(教員等除く)就職者数ランキングで千葉県内では千葉大学に次ぐ2位、県内私立大学では1位となる就職者数だ。

千葉県にある中規模大学でありながら、なぜ千葉商科大学は公務員就職者を多数輩出できるのか。その秘訣について、総合政策学部の渕元准教授、今年度の公務員試験に見事合格された4年生の秋山さん、福田さんにお話しを聞いた。
※総合政策学部は2025年度からの新設学部。就職実績や学生の所属学部は前身の政策情報学部となります。
予備校に通うことなく、正課授業のカリキュラムで基礎から応用まで網羅

渕元哲准教授
不安定な経済情勢が叫ばれる現代において、公務員という職業が持つ高い安定性と、国や地域社会の運営を支えるという社会貢献度の高さは、多くの学生にとって依然として魅力的な就職先であり続けている。したがって、公務員になるための登竜門である公務員試験の合格を勝ち取るのは容易ではない。そのため、どの大学で学ぶか、つまり「公務員試験に強い大学」を選ぶことが、合格への可能性を大きく左右する重要な鍵となるのだ。その様な状況の中、千葉商科大学が多数の合格者を輩出できる理由について渕元哲准教授はこう話す。「本校の総合政策学部では、2015年より30科目以上に及ぶ公務員試験対策に特化したカリキュラムを導入しています。このカリキュラムは、大学に通いながら公務員試験対策の予備校に通う、いわゆる『ダブルスクール』が不要であり、正課授業のみで一次試験に合格できる実力を養成することを目指しています。これが、本学における公務員試験対策の核となっています。さらに、カリキュラムだけでは補いきれない部分については、少人数制のメリットを活かし、教員が個々の学生の個性に合わせた面接指導や個別の自治体の採用傾向を踏まえた受験指導をきめ細かく実施しています。この体制により、学生は課外活動や自習に集中する時間的な余裕が生まれ、公務員試験の面接でも重視されている、通称『ガクチカ』(「学生時代に力を入れたこと」の略語)と呼ばれる力を身に付ける活動に時間を充てることが可能になります。このように、ダブルスクール不要のカリキュラムこそが、近年、公務員就職者数が伸びている最大の要因であると考えられます。」
2024年度の千葉商科大学の公務員就職者数実績は、総合政策学部だけで43名、全学部では53名となった。主な合格実績は以下の通り。
- 東京都庁、北海道庁、東京都特別区(17名)、秋田市役所、千葉市役所、市原市役所、浦安市役所、鎌ケ谷市役所、白井市役所、富里市役所、習志野市役所、流山市役所、船橋市役所、松戸市役所、厚生労働省など
その実績は目覚ましいものがある。特に、東京都特別区職員の輩出率は、難関私立大学に匹敵する割合だという。

戸川ゼミの学生による防災かるたを活用したイベント
公務員の就職者実績を右肩上がりに増やしている千葉商科大学だが、近年の公務員試験において、比重が増している面接試験対策にも抜かりがない。ゼミナールは、各教員の専門分野を活かしたフィールドワークや地域社会での課題解決プロジェクトなどの活動を通じて、公務員試験の面接でアピールできる実践的かつ具体的な経験を得る場となっている。また、総合政策学部に「地域政策研究会」を設け、学生は面接試験でアピールしやすい地域での活動実績を積んでいる。「地域政策研究会」の活動内容について、渕元准教授に詳しく話を伺った。「地域政策研究会は、公務員を志望する学生が、所属ゼミの垣根を越えて参加できる『サブゼミ』のような役割を持つ研究会です。シリアスゲーム作成プロジェクト、フィールドワークプロジェクト、読書会プロジェクト、防災プロジェクトなど多数の研究活動があります。学生たちは、複数のプロジェクトに参加し、多様な地域社会に関わることで、『今、行うべき地域政策は何か』をシミュレートする力や、『諸問題を住民と共有するために、いかに創意工夫すべきか』という視点を学ぶことができます。私たちは学生たちに、これらの研究活動を自ら立案し成果発表するように促しています。それにより、政策立案者に求められる企画力、実践力を学生たちに身に付けてもらうことを目指しています。この研究会での経験は、公務員試験の面接において、ガクチカとして自信をもってアピールできる重要な財産となっています。」
さらに、もう一つ強調したい地域政策研究会のもたらした効果について、渕元准教授はこう続ける。「地域政策研究会では、1年生から3年生までが一体となって研究活動に取り組みます。同じ目標を持つ仲間と共に切磋琢磨できる環境が整っており、最後まで目標に向かって努力し続けることができるのが特徴です。研究活動を通じて、次第に上級生と下級生の強固な縦のつながりが醸成されていきました。現在では、4年生から下級生へ合格のためのノウハウが伝授され、継承されています。さらに、卒業したOB・OGも現役生を多方面から支援してくれています。私たち教員の知らないような場でも、受験の助言や模擬面接の手伝いといったサポートに加え、公務員生活のリアルを伝えることで、後輩の受験へのモチベーションを高めてくれています。このような世代を超えた繋がりが良き伝統を生み出し、それが合格者の増加にも大きく寄与していると考えています。」

学内にある地域政策研究会の専用の自習室
さらに、千葉商科大学では、論述試験対策においても他大学にはない試みを実施している。「政策事情特論」(時事問題対策)、「論文作成技法」(書式指導)といった授業の他に、レゴブロックを使用する「政策情報学演習」(レゴ®シリアスプレイ®メソッドと教材を使用したワークショップ形式の授業)を行っている。これは、社会課題に対応し自身の考えを整理すると共に、とっさの質問に臨機応変に対応できる思考力を養うトレーニングになっている。渕元准教授によると、「無口だった学生がこの授業を通して目覚ましく変化し、自信を持って自分の考えを発言するようになるケースが多数見られ、これが授業の大きな効果です。」と説明する。
合格者を出し続ける、充実のサポート体制

ダブルスクールが不要なカリキュラム、教員や仲間と共に学ぶゼミ活動や「地域政策研究会」など、充実した公務員試験サポート体制。こうした万全の環境の中で、見事栄冠を勝ち取ったのが、4年生の秋山雅治さんと福田結さんだ。二人は、どのような戦略と心構えでこの難関に挑み、合格を勝ち取ったのだろうか。
まず、なぜ二人は公務員を目指すうえで、千葉商科大学総合政策学部への入学を選んだのか。二人は口を揃えてこう言う。「公務員を目指せる大学を探している際に、千葉商科大学総合政策学部の公務員試験サポート体制が、他大学と比較して非常に充実していることを知り、受験することを決めました。」

福田さんの勉強ノート
公務員試験は、その試験範囲の広さ、長期にわたる学習期間、そして採用に関する情報が合否を左右する「長丁場」かつ「情報戦」の様相を呈している。計画的な学習計画と最新の情報を収集し、分析することが成功に直結する。では、いつからどのように公務員試験対策を始めればよいのだろうか。「公務員を目指すようになったきっかけは、高校3年生の時に家族から地方公務員を勧められたことです。私自身も、家族に安心してもらえる職業に就きたいという思いがあったため、公務員を志すようになりました。大学に入学してからは、総合政策学部のカリキュラムは公務員試験対策を兼ねている授業が多いので、まずは正課授業をしっかりやり、本格的に公務員試験の勉強を始めたのは、大学3年生からです。8月から夏休みをフルに使った夏期講座が始まり、数的処理やミクロ経済学を中心に自分のペースで勉強を始め、徐々に勉強時間を延ばすように心がけました。」(福田)、「高校2年生で進路選択をする際に、なりたい職業がなかったため、大好きな祖母と同じ公務員を目指すことにしました。私も大学入学後は、正課授業の公務員試験関連科目を中心に履修し、本格的に公務員試験対策を始めたのは大学3年生の8月からです。教養・専門科目から始め、模試(過去問)を活用して苦手科目を克服しました。4年生になってからは論文や面接対策まで、継続的に学習を続けるようにしました。面接対策に関しては、ゼミ活動が大きく影響しました。地域の方への取材やイベントを通じて、社交性、積極性、臨機応変な対応力、アドリブ力が鍛えられました。その結果、面接に対する苦手意識がなくなり、自信を持って臨めるようになりました。」(秋山) このように、二人の話からも、総合政策学部の正課授業カリキュラムが公務員試験対策に特化していることが、非常によく理解できる。

秋山雅治さん
カリキュラムや学習環境の整備が、公務員を目指すうえで不可欠なのは言うまでもないが、長期にわたる公務員試験を乗り切るには、当初抱いていた情熱を持続させるモチベーションの維持が極めて重要になる。総合政策学部では、地域政策研究会がその役割も担っていると秋山さんは話す。「地域政策研究会に所属して、まず驚くのが教員陣のサポートが非常に手厚いことです。学生のガクチカになるような機会を作ってくれたり、一人ひとりに合わせて学習相談をしてくれたりと、いい意味で高校の先生のように親身になってくれます。また地域政策研究会には、公務員を目指す学生が使用できる勉強部屋があります。同じ目標を持つ仲間が常にいるため、モチベーションの維持、情報交換、勉強の教え合いなど良いことばかりです。さらに、ほとんど毎日、公務員試験に精通した教員が大学にいるため、疑問や不安をすぐに解消できる環境が整っています。」福田さんは、情報面においても地域政策研究会は非常に有効だったと強調する。「公務員試験に関する最新情報の入手において、地域政策研究会は大変役立ちました。渕元先生がX(旧Twitter)に投稿されている公務員試験関連の情報を提供してくださるのに加え、先輩方が現場のリアルな声や試験に関する重要な情報を共有してくださいます。公務員試験対策は多岐にわたりますが、実際の筆記試験や面接に詳しい教員や先輩方に直接お話を伺うことが、何より参考になると思います。最新情報の入手という点で地域政策研究会には大いに助けられました。」

福田結さん
このように、熱意ある指導陣と、一人ひとりの個性に合わせた面接指導や就職相談、地域政策研究会といった大学独自の充実したサポート体制こそが、千葉商科大学総合政策学部の公務員試験対策の強みとなっているのだ。この手厚いサポートを最大限に活用すべきだと語るお二人に、公務員を目指す後輩に向けたメッセージをお願いした。「公務員試験への挑戦では、学力面での不安、面接の対策、あるいは民間との併願といった、様々な悩みが出てくると思います。そんな時は、総合政策学部には頼れる教員陣が多くいますので、ぜひ積極的に相談してください。きっと状況に合わせた良いアドバイスが得られるはずです。また一人で悩みを抱え込まず、友人と話し合ったりして、互いに支え合う事も重要だと思います。公務員試験は、努力と熱意がそのまま結果となって現れる試験です。妥協することなく試験対策に取り組み、面接では飾らない自分の言葉で、正直な熱意を伝えて下さい。」(秋山)、「公務員試験は、情報戦であると私は考えています。合格への鍵は、最新かつ信頼できる情報をいかに効率的に収集し、活用できるかにあります。疑問点が生じたら、すぐにSNSや情報サイトで検索し、不明点は残さないようにしてください。また、総合政策学部には、信頼できる教員、公務員試験を経験した先輩方、そして切磋琢磨できる友人が多数います。積極的に質問や意見交換を行い、あらゆる面で最新の情報が入手できる体制を整えてください。直前期など、周囲と比較して焦りや不安を感じ、精神的に辛くなってしまう時期が必ず訪れます。そんな時こそ、総合政策学部での学びや、これまで自分が努力を積み重ねてきた事実を思い出し、自信を持って乗り越えて欲しいと願っています。」(福田)
地域に貢献する公務員へ!政策実現力を磨く

地域政策研究会の合宿
最後に、今回のまとめとして、千葉商科大学総合政策学部の魅力を含めた、受験生と高校教員の方々へのメッセージを渕元准教授にお願いした。「千葉商科大学総合政策学部の公務員試験対策講座の最大の強みは、中規模大学ならではのバランスの取れたサポート体制にあります。大規模大学にはないきめ細やかな個別サポートと、小規模大学では実現が難しい、地域政策研究会やゼミ活動といった集団での活動を活かした幅広い学びと多様な経験の機会を両立させています。一人ひとりに目を配ったサポート体制のもと、地域政策研究会やゼミ活動では、志を共にする仲間と切磋琢磨し、共に公務員試験を乗り越えることができます。また、単に試験対策に留まらない、実践的な学びを提供している点も、本講座の大きな特徴です。近年、公務員を目指す学生の多くが、社会貢献・地域貢献したいという強いマインドを持っています。私たちは、そのマインドをより現実的な力に変える経験を重視しています。例えば、インターンシップなどで複数の自治体の市民活動センターに学生を派遣していますが、そうした活動を単にお手伝いするだけでは、公務員としての心構えは身につきません。学生に学んでほしいのは、市民活動団体が様々な要求を出してきた際に、その団体の意向を尊重しつつも、自治体の立場で現実の可否を厳しく仕分けし、できないことはできないと明確に相手に伝えるというプロセスです。このような経験を積むことが重要です。なぜなら、実際に公務員になった後、その地域で無制限に良いことだけを実行できるわけではないからです。自治体の仕事が、理想論や綺麗事だけではないという現実を、早いうちに理解してほしいのです。公務員になった後も役立つ充実したカリキュラムは、正課授業、試験対策、そしてガクチカに繋がる課外活動プログラムが一体となって設計されています。私たちは、このような経験をもとに、受験対策だけでなく、社会貢献できるマインドと必要な知識・技能を兼ね備えた人材の育成を目指しています。公務員になることをゴールとするのではなく、公務員として活躍し続けるために役立つ学びがあるのが、千葉商科大学総合政策学部です。本気で公務員を目指す方は、ぜひ私たちの学部で共に学びましょう。」
公務員試験という難関への挑戦は、決して容易な道ではない。しかし、千葉商科大学で用意された万全のサポート体制と、志を同じくする仲間と共に励む環境は、「なりたい」を「実現」へと変える確かな力になるだろう。公務員を本気で目指すなら、迷わず、千葉商科大学へ。
