大東文化大で「総合型選抜(基礎学力テスト型)」を新規実施

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大東文化大で「総合型選抜(基礎学力テスト型)」を新規実施

写真=大学通信 井沢秀取締役

多くの私立大学で「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」といった、年内に実施され合否が公表される選抜方式の出願がスタートしている。このような年内入試の現状はどのようなものなのだろうか。大学通信の井沢秀取締役に解説してもらった。

「昨今では、私立大学入学者の6割近くを年内入試の合格者が占めています。この傾向は今後も拡大していくでしょう。これは文部科学省が求める多面的な評価への転換と言えます。少子化が進む中で早期に意欲の高い学生を確保し、経営を安定させたいという大学側の狙いと、受験生の年内に進路を確定させたいという思考が一致した結果でもあります」

通常、年内入試が高校での学習成績状況や小論文、面接などを通じて総合的に評価する方式であるのに対し、一般選抜は学力試験が中心という位置付けだ。しかし、年内入試が主流となるにつれて、大学側は「入学後の学習についていけるか」という基礎学力を客観的に測る必要性に直面している。

西日本の一部私大ではすでにこの基礎学力テストを伴う公募制推薦が定着しており、その流れは東日本へも波及し始めている。25年度に東洋大が「学校推薦入試基礎学力テスト型」を実施し、多くの志願者を集めたことで話題となった。

大東文化大でも同様に基礎学力テスト型の公募制推薦が実施されていたが、26年度入試からは総合型選抜として11月23日に「総合型選抜(基礎学力テスト型)」が実施される。入試区分を総合型選抜に移行したことにより、推薦書不要での出願が可能となった。これにより、学校側の手続き負担を減らし、より多くの受験生が出願できる体制が整った。

基礎学力テスト型の特徴

この選抜方式の大きな特徴は、評価の比重が学力テストに置かれている点だ。

選抜の中心となるのはマーク式の基礎学力テストで、科目は国語・英語または数学・英語の2科目で実施され、配点は各100点の計200点となっている。

一方、従来の総合型選抜と同様に書類審査と小論文による事前課題も選考に含まれるが、配点は各25点の計50点と、学力テストが圧倒的に高い比重を占める。この配点は、一般選抜に向けて主要科目を勉強してきた受験生にとって大きなメリットとなる。特別な対策に割く時間が少なく済むため、受験の負担が少ないことが何より嬉しい点だろう。

さらに、英語民間試験の成績を得点に換算し使用できる英語民間型も採用しており、すでに高スコアを持っている受験生は、得意な分野を最大限に活かすことができる。

基礎学力テストのみを受験する独自型との併願も可能で、検定料の割引制度もあるためスコアを保有している受験生は、受験機会を増やしつつ費用を抑える戦略として検討してみてほしい。

入学金の二重払いを防ぐ柔軟な入学手続き期間

特に注目すべきは、一般選抜との併願制度である。

この方式は、大東文化大の他学部や一般選抜だけでなく、他大学との併願受験も可能となっている。一般選抜との併願で気になるのは、早期の合格による入学金の払い込みだろう。通常、年内入試では入学手続き期日が一般選抜より前に設定されていることがほとんどだ。

しかし、大東文化大は2月25日まで入学手続き期間を設けている。これにより、他大学に進学することになった場合でも、入学金の二重払いを防ぐことができる。この措置は、一般選抜で他の私立大学の合格を狙う受験生もリスクなく安心して出願でき、合格のチャンスを確実に増やすことを可能にする。さらに、この方式で合格を手にしたまま、同大の「桐門の翼奨学金試験」にも出願できる。奨学金が採用されれば、原則4年間の授業料が免除になり、経済的な不安も大幅に解消できる。

年内入試の中でも比較的受験ハードルの低い大東文化大の「総合型選抜(基礎学力テスト型)」であるが、それでも地方在住の受験生にとっては足を運ぶとなると負担が大きい。しかし、実施会場は全国11箇所(郡山、水戸、宇都宮、高崎、さいたま、千葉、池袋、横浜、新潟、長野、大阪)と広域に設置されている。入試のために遠方まで移動する必要がなく、移動時間や費用、精神的な負担などを大きく軽減できるため、地方在住の受験生にとっても受験機会を確保しやすい体制が整えられている。

過去データから読み解くチャンスが大きい学科

初実施となる「総合型選抜(基礎学力テスト型)」だが、合格を勝ち取りやすい学科はどのような学科なのだろうか。井沢取締役に聞いてみた。

「25年度に公募制推薦として行われた基礎学力テスト型の結果をみてみると、大学全体の実質倍率(受験者数÷合格者数)は1.81倍。外国語学部の中では中国語学科が1.14倍、英語学科と日本語学科が共に1.33倍で、国際関係学部は国際関係学科が1.20倍で国際文化学科が1.09倍と国際系学部は比較的狙いやすい状況です。文学部も2倍越えの学科もありますが、中国文学科、英米文学科、教育学科は比較的倍率が抑えられています」

他学科と併願する際も検定料の割引は適用されるので、検討してみる価値は充分にあるだろう。26年度の出願は11月1日~11月13日であり、まだ対策する時間は残されている。年内入試の出願を考えている受験生は参考にしてほしい。

最後に井沢取締役から受験生へのメッセージをもらった。

「併願可能な年内入試は合格チャンスを増やすために有用です。特に、一般選抜の対策が活かせる基礎学力テスト型は、効率的に受験機会を増やすことのできる方式です。この機会を最大限に活用して、自信をもって入試に臨んでください」