国内でも珍しい、刑務所や少年院などでのフィールドワークを実施
現場ならではの空気感や緊張感を体験できる
立正大学法学部「矯正保護実務フィールドワーク」

PR 取材・文 雫純平
国内でも珍しい、刑務所や少年院などでのフィールドワークを実施 現場ならではの空気感や緊張感を体験できる 立正大学法学部「矯正保護実務フィールドワーク」

法学部といえば、どのようなイメージを持つだろうか。理論的、真面目、就職に強いなど、様々なものがあるだろう。法学部での学びについて言うと、法律や判例を覚え、契約書や資料を熟読しながら正しい判断を下すというような、座学中心の学びがイメージしやすいのではないか。

確かに、法律の知識を得るために座学は欠かせないものだが、それと併せてキャンパス外での学びを取り入れている大学もある。今回は、多様なフィールドワークを実践し、学生のキャリア形成に活用している例としては、立正大学の法学部のフィールドワークを取材した。

<前回記事>
多様なフィールドで活躍できる人材を育成 立正大学法学部のフィールドワーク

ユニヴプレス編集部は、2025年8月27日に実施された東京保護観察所でのフィールドワークに同行し、その模様を見学した。合わせて、立正大学法学部の丸山泰弘教授にお話をうかがっている。

国内でも珍しい、刑務所や少年院などでのフィールドワークを実施 現場ならではの空気感や緊張感を体験できる 立正大学法学部「矯正保護実務フィールドワーク」
この日に実施された「矯正保護実務フィールドワーク」の様子。
法学部と心理学部の相互履修科目で、約20人の学生が東京都千代田区霞が関にある合同庁舎6号館A棟の東京保護観察所を訪れた。

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「保護観察」とは、犯罪をした人や非行のある少年に対し、再犯・再非行を防止し、立ち直りを支援するもの。東京保護観察所が、霞が関の法務省の建物の中に置かれていることを知らない人も多いのではないだろうか。

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「更生保護制度の概要」講師は東京保護観察所の軽部首席保護観察官

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日々第一線で実務に携わっている講師から講義を受けられることはフィールドワークの魅力の1つだ。

国内でも珍しい、刑務所や少年院などでのフィールドワークを実施 現場ならではの空気感や緊張感を体験できる 立正大学法学部「矯正保護実務フィールドワーク」

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この処遇会議室では、性依存者同士のディスカッションなどが行われるという。保護観察の対象者を孤立させないことも更生支援策の1つだ。

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東京保護観察所の杉山所長から、立正大学の学生たちへメッセージ

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国内でも珍しい、刑務所や少年院などでのフィールドワークを実施 現場ならではの空気感や緊張感を体験できる 立正大学法学部「矯正保護実務フィールドワーク」
学生にとっては、いつもより少し緊張感のある授業となったのではないだろうか。

フィールドワーク終了後、改めて丸山教授にお話を伺った。

――今回のフィールドワークの趣旨を教えてください。

犯罪をした人や、非行のある少年たちの更生を支援する現場に学生たちが直接に出向くことで、最前線で活動している人たちの生の声を聞き、現場の空気感を肌で感じてもらうことがこの科目のねらいです。本日訪れた東京保護観察所の他にも、刑務所や少年院、更生保護施設などでフィールドワークを実施しています。

――法学部というと座学の学びが中心というイメージがあります。座学では学べないフィールドワークならではの学びとは、どのようなことでしょうか。

刑務所や少年院といった刑事施設は、一般人が気軽に入れる場所ではありません。弁護士や検事といった法曹資格を持つ人であっても、経験が少ないかもしれません。そのような施設の中でしか感じることのできない空気感や緊張感を、実際に体験してもらうことがフィールドワークの醍醐味ではないでしょうか。

また、それぞれの現場で長年実務を担っている講師の方々から、実体験に基づいた内容の講義を受けられることも特徴の一つで、これは大学の中だけでは得られない貴重な機会です。

――今回のフィールドワークには、どのような学生が参加したのですか。

3年生または4年生の、刑事施設や刑事司法手続に興味がある学生が参加しています。参加者の中には、実際に就職先の候補として法務教官、刑務官、保護観察官などを考えている学生も少なくありません。

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立正大学法学部 丸山泰弘教授

――フィールドワークの実施に際し、どのような準備をして挑まれたのですか。

まず、前年度の末にあたる3月に、履修希望者を集めてオリエンテーションを行います。そして、今年度の1期(前期)中には受講生を集めて、刑事司法手続についての簡単な内容や、施設参観での注意事項をレクチャーしています。

学生各自では、犯罪白書などを購入し、フィールドワークで訪れる各施設やその諸課題などを学びながら、課題提出などを行っています。

今回訪れた東京保護観察所など、場所によっては独特のルールがあることもありますので、我々教員側も、訪問時の心得など注意深く準備してから同行しています。

――フィールドワークを実施することで、どのような教育効果を期待していますか。

法学部の学生が本格的に刑事政策を学べるのは3年生の2期(後期)からです。この夏休みの時期では、学問的な知識がない学生がほとんどですから、その分、余計な雑念がないまま刑務所や保護観察所を訪問することができます。

特に、刑事ドラマや映画がいかに実態に即していないものなのか、犯罪報道がいかに偏ったものなのかなどを理解するために、今回のようなフィールドワークが大いに役立つと考えています。

――受験校を検討中の受験生へのメッセージをお願いします。

刑務所や少年院を参観するだけなら、様々な大学やゼミで行っていると思いますが、このようにフィールドワークの授業として実施する大学は東京にはありません。日本でもかなり珍しい取り組みです。非行防止や再犯防止に取り組む専門職について学びたいと思うのであれば、ぜひ立正大学法学部に来てください。

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法務省旧本館(赤れんが棟)の前で記念写真