カリキュラム・アドバイザーと並走しながら学びのライフスタイルを作り上げる―東京工芸大学 工学部

PR 取材・文 雫 純平(大学通信) 構成 小林 聡(大学通信)
カリキュラム・アドバイザーと並走しながら学びのライフスタイルを作り上げる―東京工芸大学 工学部

東京工芸大学は、工学部と芸術学部の2学部から構成されている。先端テクノロジーとアートの融合を推進する、ユニークな大学だ。本稿では、厚木キャンパス(神奈川県厚木市)で展開されている、工学部での学びに注目した。学生ひとり一人に目を配るカリキュラム・アドバイザーと並走しながらの学びや、オンデマンド授業を活用し研究・課外活動の時間を充実させる、「つうおん」と呼ばれる新しい学びのスタイルについて紹介したい。

必修授業内で人間関係を築けるカリキュラム・アドバイザー制度

カリキュラム・アドバイザーと並走しながら学びのライフスタイルを作り上げる―東京工芸大学 工学部
東京工芸大学 理事・工学部長
陣内 浩 教授

―面倒見が良いと言われる「カリキュラム・アドバイザー」の制度について、教えてください。

カリキュラム・アドバイザー(以下、CA)は、中学や高校の担任に相当する制度です。コースによって多少の差はありますが、8人程度の学生班(CA班)に対し、コース内の専門教員1人がCAとして担当し、入学してから3年次の後期に研究室に配属されるまでの2年半を、学生と並走しながら大学での学びのライフスタイルを作り上げていきます。

担任制を置いている大学は他にも多くあると思いますが、大学に入学したばかりの1年生が教員に相談に行くというのはやはりハードルを感じるものですよね。そこで本学では、初年次にCAが担当する「学修技術と自己管理」という必修科目を設けています。これは大学の学修で成果を上げるために必要な考え方や技術を身につけるための科目です。授業内に学生とCAの面談も盛り込んでおり、この先いつでも気軽に相談ができるという人間関係を築いていきます。また、授業を通してCA班の学生同士の人間関係も密になりますので、入学直後から4年間付き合う友人関係を作りやすいということもこの制度の特徴の1つです。

―CAには主に、どのようなことを相談できるのですか。

入学直後はまず、履修登録の仕方に関する相談が多いです。その後は大学生活での気軽な相談事から、資格取得のこと、進路のことなど、どんなことでも相談を受け付けています。少人数で学生ひとり一人に目が届きやすい状況ですので、成績が伸び悩む学生に対してはCA側から連絡をとり、早めに立て直しができるようサポートすることもあります。なお、3年次後期からは各研究室への配属がありますので、そこからは研究室の指導教官がCAの役割を引き継ぎます。卒業研究や就職活動を含め、学生生活の支援を卒業まで継続して行っていきます。

オンデマンドデーを活用し自分ならではの学びを追求

―今年度から始まった新しい学びのスタイル「つうおん」についても教えてください。

近年、就職活動では「ガクチカ」、つまり学生時代に力を入れたことがとても重視されています。専門分野の学びの他に、研究や課外活動などにチャレンジした経験のある人材が求められているということですね。一方で、工学部の学生は単位の取得が大変で、他のことをする時間がとれないという声が多いのも事実です。

そこで本学が導入したのが「つうおん」です。これは「通学」と「研究・課外活動+オンデマンド」を組み合わせた造語で、週のうち3日は通常通りに通学し、対面での授業を行います。残りの2日についてはオンデマンドデーとして定め、授業は全てオンデマンドで行い、PCやタブレットなど各自の端末で好きな時間に授業を受けることができるというものです。

カリキュラム・アドバイザーと並走しながら学びのライフスタイルを作り上げる―東京工芸大学 工学部

―オンデマンドデーはどのような活用が想定されていますか。

例えば、午前中に授業を全て視聴し終えておけば、午後は研究・課外活動の時間として自由に過ごすことができますよね。サークル活動やボランティア活動などをしてもいいですし、就職を見据えて企業のインターンシップなどに参加しても良いでしょう。4年生の先輩の卒業研究を手伝いながら、自らのスキルを向上させるような活動も可能です。CAの指導と評価のもとで、時間を有意義に使いながら「専門分野の学び」と「やりたいこと」をバランスよく実現できるような体制となっています。

―就職支援についてはどのようなことをしていますか。

就職活動は早い段階から準備をしておくことが大切です。1年次には早速ガイダンスなどで意識づけを始め、外部講師によるキャリア科目なども用意しています。また、インターンシップは進路選択の重要な要素として参加を推奨しており、所定の要件を満たした場合は単位認定も行っております。エントリーシートは研究室の指導教官が一枚一枚丁寧に指導していますし、就職支援課にはカウンセラーを配置し、面談を繰り返しながら学生本人が気づいていないような強みを引き出す指導を行っています。

そのような就職支援の甲斐あってか、本学部の就職率や、卒業生の就職先に対する満足度調査は毎年高い数値となっています。また、就職先となった企業にアンケートをとったところ、本学卒業生の特徴として「真面目」「素直」「協調性がある」といった人間性の高さに係る評価を数多く頂いております。本学の指導の方法は間違っていないものと、改めて感じているところです。

―最後に、進路指導教諭へのメッセージをお願いします。

CAを中心とした面倒見の良い教職員のきめ細かいサポートを通じ、自分ならではの学びのスタイルを作れるところが特長です。「つうおん」の導入により、さらに自由度が高く、様々なことにチャレンジがしやすくなりました。勉強と研究・課外活動を両立しながら自分を磨き、最終的に希望の進路に進んでいくような、充実した4年間の学びを提供いたします。

【学生インタビュー】柔軟に時間が活用できるので、色々なことに挑戦でき、視野が広がりました!

カリキュラム・アドバイザーと並走しながら学びのライフスタイルを作り上げる―東京工芸大学 工学部
川杉真理さん
工学部 工学科 建築学系
建築コース 2年生

「つうおん」により、自分で時間の使い方を工夫できるようになりました。オンデマンドの授業の日は、サークルや地域のボランティアなどの課外活動に参加していますが、今後は企業と連携したプロジェクトにもチャレンジしてみたいと考えています。柔軟に時間が使えることで学外の人々と関わる機会が増え、世界が広がりました。