写真=2025年5月13日の「観光食マネジメント論」では、特別講師として大分県のゆふいん料理研究会新江代表を招き、講義に加えて調理実習も実施。地元野菜を用いて「粉ねり」などの郷土料理を作った。こうして地域の食文化に触れた経験は、学生がフィールドワークをおこなう際の武器となる。
観光まちづくり学部
米田誠司教授
専門分野:公共政策、観光政策、食文化
「観光まちづくりとは何ですか」と、高校生からオープンキャンパスなどで聞かれることがあります。私の考える観光まちづくりとは、縁(よすが)です。あるまちに興味を抱く、訪れてみる、地元の人とつながる、そうした“地域を元気にする”ためのきっかけとなり、関係性を作ることが観光まちづくりの役割ではないでしょうか。
その中で大切な要素の一つ、食について学ぶのが「観光食マネジメント論」です。文字通り観光食のあり方を考える授業で、各地域の伝統食や農林漁業などの知識を学ぶのと同時に、地域の生の声に触れる体験や実践の場を設けています。ここで学生に身につけてほしいのは、食の向こう側を見る力です。食材はどこから来るのか、生産者の想い、日本の行事食とは何かなど、食の向こう側を知ると世界に奥行きが生まれ、まちづくりにおける発想力が高まります。今後、学生が地域に出て調査をおこなう際、ひいては社会に出て地域のために仕事をする際、そうした力は必ず役に立つでしょう。
本授業に限らず、観光まちづくり学部では生きた学びを大切に、課題解決型学習などを通じて地域への提案力を実践的に身につけていきます。その象徴が「観光まちづくり演習」です。2~3年次にかけて、まずは調査手法を学び、次にまちを訪れて地域の魅力や課題を分析し、最終的には地域の課題解決につながる提案を立案します。グループワークが中心で、ときにはメンバー間で対立しながら、ときには教員からダメ出しを受けながら、ディスカッションを重ねてより良い提案を作っていく。このプロセスで培われる他者とのコミュニケーション力や協働力は、業種・職種に拘わらず社会で広く求められる力です。実際、就職活動中の学生からは、この演習での経験が面接で高く評価されたという声を聞きます。
地域をより良くしたいという想いを、実際に地域を動かす力へと発展させるのが本学部の学びです。地域活性化やまちづくりに関心のある人に、ぜひ来ていただきたいと思います。
観光まちづくり学部:観光を基軸に持続可能なまちづくりを考え、多様な側面から地域に貢献できる人材を育成します。現場の課題解決に取り組む演習科目、文理融合型の授業、グループワーク型の学習が主な特徴で、社会学、観光学、民俗学、歴史学、公共政策、都市計画など、多彩な専門分野の教員が集まっています。
國學院大學のスペシャルサイトにて、学生インタビュー記事を多数掲載中
https://shingakunet.com/school/SC000571/studeep/special/smp/
観光まちづくり学部HP
https://www.kokugakuin.ac.jp/education/fd/tourism