キャリアセンターをハブにした「オール関学」で学生の豊かな未来を開く―関西学院大学

PR 取材 井沢 秀(大学通信) 文 松本守永(ウィルベリーズ)
キャリアセンターをハブにした「オール関学」で学生の豊かな未来を開く―関西学院大学

99.8%という高い就職率※1に加え、進路把握率99.7%※2、学生の就職満足度98.0%※3といった実績が象徴するキャリア支援の質の高さから、「キャリアの関学」と称される関西学院大学。有名企業400社実就職ランキングにも常に上位に名を連ねる。その牽引役でもあるキャリアセンターの取り組みは、多彩かつきめが細かい。また、全学が一体となって学生の可能性を開花へと導く取り組みも、同学の大きな特色だ。企業からの高い評価や学生の充実した大学生活と就職活動の背景には何があるのか? キャリアセンターの小浪陽子センター長に話を伺った。
※1:2025年3月卒業生 ※2:2025年3月卒業生 ※3:2024年3月卒業生

―関西学院大学のキャリア形成支援が、就職率をはじめとした高い実績に結びついている要因はどこにあるとお考えでしょうか。

本学では、キャリア教育や就職支援を通じて、学生一人ひとりが自らの可能性を広げ、社会に向けた一歩を踏み出せるよう支援しています。その根底には、「Mastery for Service(奉仕のための練達)」というスクールモットーがあります。隣人・社会・世界に仕えるために自らを鍛えることのできる、創造的かつ有能な世界市民というスクールモットーを体現する人材の育成は、全学をあげてのミッションとなっています。このような人材に学生が成長するための機会を提供し、学生が将来のビジョンを描き、自ら歩き出していくための支援を行おうというのが、キャリアセンターの取り組みに共通する考え方です。

私たちは、学生の疑問や悩みに対して答えを提示するのではなく、学生が自ら答えを導き出すための支援を行うことを大切にしています。自身で考えて見つけ出した目標であれば、実現に向かって自分の力でしっかりとした足取りで歩いていくことができます。面接などの際にも、なぜその目標を掲げているのかを自分の言葉で語ることができます。

変化がめまぐるしく先行きが不透明な現代において、社会ではビジョンを掲げる力や自ら考えて行動や発信をする力が強く求められています。私たちが重視する方針は、これらの力を養うことにつながっています。その結果が、高い就職率や就職満足度だと考えています。本学卒業生が「主体的に行動する力」「豊かな人間関係を築く力」などで企業から高い評価を受けているのも、本学のキャリア教育・就職支援における考え方の1つの成果ではないでしょうか。

―キャリアセンターとして重視している学生への支援の方針についてお聞かせください。

低学年次から学生が社会に目を向けることを重視しています。そうすることで学生は社会と自分を知り、自身の可能性を広げることができるからです。

具体的な取り組みとしてはまず、「shigoto☆trip」があります。これは、学生が企業のオフィスや仕事現場を訪問・見学し、働く社員との交流を通じて自らの将来について考えることを目的としたプログラムです。

「BiZCLASS」もまた、代表的な低学年次からのキャリア支援です。BiZCLASSは企業を招いたワークショップで、社会で活躍するためのビジネスマインドやイノベーションマインドを養うことを目的としています。

情報にあふれた現代は、インターネットなどで調べた情報に触れることで「わかったつもり」になってしまいがちです。しかしそれでは不十分です。自分で見聞きし、感じることが大切です。shigoto☆tripとBiZCLASSはそのための機会でもあります。

このほかには、キャリア教育科目として「KGキャリア入門」「キャリアゼミ」「ライフデザインと仕事」「霞が関セミナー」という正課科目が開講しています。各界で活躍する卒業生が自身のキャリアなどについて語るKGキャリア入門は、1学年の約75%の学生が受講しています。低学年次のうちにそれだけ多くの学生がキャリアについて考える場となるKGキャリア入門は、その後の成長の機会へと進むための「入り口」としての役割も担っています。

キャリアセンターをハブにした「オール関学」で学生の豊かな未来を開く―関西学院大学

―個々の学生に応じた支援も、大きな特徴と伺っています。

国家資格保有のキャリアアドバイザーが3年生以上の学生に対して個別に支援を行う「個人面談」は19086件(2024年度実績)、学年を問わず全学生の相談に対応する「カウンター相談」は3457件(同)と、昨年度1年間で22543件の学生相談に対応しました。個人面談は、前述した「答えを提示するのではなく、学生が自ら答えを導き出す」中心的な場面となっています。また、面談内容をキャリアセンター職員と共有したり、企業のニーズや社会の動向の変化をキャリアセンター職員がキャリアアドバイザーに伝えるなど、両者が緊密な連携を図っています。これもまた、学生の状況に応じたきめ細かな支援を支える背景の1つとなっています。個人面談では、英語面接や理系の技術面接対策など、専門性の高い相談に対応することも可能です。

―企業との連携については、どのような取り組みを行っているのでしょうか。

企業様の来訪に加え、キャリアセンター職員が企業を訪問し、企業の取り組みや人材ニーズなどについて聞き取りを行っています。同時に、本学の教育やキャリア形成支援について説明をし、相互理解を深めています。意見交換する企業数は年間約1260社に及びます。また、キャリア教育の一環として大学に企業からは社員の方をお招きし、講演やワークショップで講師を務めていただいています。これらの取り組みは企業にとって、必ずしも自社の採用活動に直接つながるわけではありません。ともすれば腰が重くなりがちですが、本学職員が企業を訪問し、社会や人材育成に関する課題について顔を合わせて意見を交換することによって築かれた信頼関係が、学生にとって有意義な連携へとつながっています。

ここで非常にありがたいのが、本学卒業生の存在です。卒業生が様々な企業で活躍してくれているおかげで、私たちの訪問を快く受け入れてくれるケースが多いです。なかには人事部に卒業生が在籍していて、「後輩のため、ひいては日本の将来のためにぜひ協力したい」と言ってワークショップなどで講師を務めてもらえることもあります。

卒業生をはじめとして企業と緊密に連携できることは、社会からのニーズを的確に捉えることにつながります。把握したニーズは学部での教育や正課外プログラムなどへと展開でき、結果としてニーズに即した人材の育成が可能になります。学生の目が社会へと向けられ、ビジョンを持って学生時代を過ごすという効果が生まれるのも、企業との豊富なつながりがあるからこそです。

キャリアセンターをハブにした「オール関学」で学生の豊かな未来を開く―関西学院大学

―充実した学生生活や満足のいく就職を実現するには、キャリアセンターのみならず大学全体での支援が重要になります。この点に関して、関西学院大学の取り組みをお教えください。

本学では、「キャリアは関西学院全体でつくるもの」と考えています。正課での学びを担う各学部や、留学、ボランティア活動、クラブ活動といった正課外での活動を支えるそれぞれの部署などが一体となった「オール関学」でキャリアをつくるのです。

学生の興味や疑問は多岐にわたります。本学にはそれらに応える多様なプログラムが整備されています。両者をつなぐ「ハブ」の役割を担うのがキャリアセンターです。キャリアセンターのカウンターにはしばしば、「今、何をしたらいいか知りたいです」という質問を抱えた学生が訪れます。そういった学生の興味関心などを聞きながら、そこにマッチする学内のプログラムを案内してキャリア形成の機会へ送り出していくことは、「ハブ」としての役割の一例です。

学内で開催されている留学フェアにキャリアセンターがブースを出展していることも、オール関学の一例です。留学は学生にとって大きな関心事ですが、時期や期間によっては就職活動や研究との両立が難しいというイメージもあります。そこでキャリアセンターが、海外からでもオンラインで個人面談に応じられることや同様の疑問を持っていた先輩の事例などを説明し、不安の払拭とチャレンジの後押しに努めています。

本学の留学プログラムは、内容も期間も多種多様です。キャリアセンターでは、キャリアという視点からプログラム選びをサポートしています。近年では本学に限らず留学を経験する学生が多くなったため、単に留学をしただけであったり、語学力を養ってきただけでは企業ニーズにマッチしづらいケースも生まれつつあります。異文化で協働する経験をはじめ、「留学先で何をしてきたか」が問われるようになっているのです。そこで私たちは、留学に興味を持つ学生に対して「どのような目的で留学をするのか」など、留学前のサポートに力を入れています。ビジョンを持って留学を考えることで最適なプログラムを選ぶことができ、留学先でも有意義に過ごすことができるのです。このように学内の他部門と連携してキャリア形成支援を行う例は、起業志望、公務員志望、教員志望、外国人留学生、要配慮学生、卒業生支援、保証人サポートと、様々な分野に及んでいます。

―キャリア形成支援の今後の展望をお教えください。

現在取り組んでいる、低学年次からのキャリア教育をさらに推進していきます。本学には、学生の可能性を伸ばすことのできるプログラムが、正課・正課外の両面で広がっています。それらにいち早く学生がつながるように支援することで、学生は「なりたい自分」を見つけることができます。そうするとおのずと、学生生活は充実したものになっていきます。

近年、就職活動は早期化・長期化傾向にあるためネガティブにとらえられがちです。しかし視野を広げ様々な世界に目を向けて見ると、社会人になることに対する期待感が生まれてくるはずです。そのきっかけとなるのが低学年次のキャリア教育です。本学の学生には、豊かな学生時代を過ごし、社会に向けた一歩として、力強く就職活動に臨んでもらいたいと願っています。

―高校の先生方や受験生にメッセージをお願いします。

本学には成長のための機会が豊富にあります。学生が「こうありたい」という自分を発見することができ、その実現を後押ししてくれる環境と体制が整っています。本学キャリアセンターは、なりたい自分を見つけるプロセスであるキャリ教育から、なりたい自分を実現する就職支援まで、一貫したサポートを行っていることが強みです。センター内はもとより、学内の他部署も一体となったシームレスな連携は、学生たちの高い満足度と進路決定につながっています。学生1人ひとりが、目指す未来に向けて力強く歩む充実した日々を送ることができるように、私たち教職員は一丸となって全力で支援します。受験生の皆さんが本学で「なりたい自分」と出会い、実現することを楽しみにしています。

学生一人ひとりを見つめた入学時からの段階的で手厚いキャリア形成支援

キャリアセンターをハブにした「オール関学」で学生の豊かな未来を開く―関西学院大学

shigoto☆trip

キャリアセンターをハブにした「オール関学」で学生の豊かな未来を開く―関西学院大学

職場見学型プログラム。これまでに全日空の協力で伊丹空港を訪問したほか、大林組の建築現場やコンサルティング会社のオフィスを訪問。訪問先でワークに取り組み、「働く」という視点で企業理解を目指す。

BiZCLASS

キャリアセンターをハブにした「オール関学」で学生の豊かな未来を開く―関西学院大学

企業提供の実践的な課題に挑戦するプログラム。お題は「未来の駅を考えよう」 (JR西日本)など。成果発表では、優れた点を評価されるだけでなく、課題点についても率直なフィードバックを受け、今後の学びへとつなげていく。

キャリアガイダンス

キャリアセンターをハブにした「オール関学」で学生の豊かな未来を開く―関西学院大学

学年やニーズに合わせて、キャリアガイダンスが年に複数回開催されている。就職活動の基礎から、スケジュール、インターンシップ、キャリアセンターのサポートまで丁寧な解説が行われている。

個人面談

キャリアセンターをハブにした「オール関学」で学生の豊かな未来を開く―関西学院大学

面談を担当するのは、国家資格保有のキャリアアドバイザー。進学するか就職するかという進路の悩みから、企業研究の方法やエントリーシートの書き方という実践的な悩みまで、キャリアに関する幅広い相談に対応している。