就学支援金制度で学費の不安も解消!
注目したい「私立」高校単独校の魅力―ユニヴプレス
「大学受験同様に中学受験の情報は山ほどあるのに、高校受験の情報ってなんでこんなに少ないの?」 そう思っている読者は多いのではないか。 大学通信にも、高校受験に関する悩みが数多く寄せられる。限られた情報の中で、どのような観点で学校を選んでいけばよいのだろうか。今回は拓殖大学第一高等学校の取り組みとともに見ていきたい。
私立高校の無償化により都内中学生の高校選択の幅が広がる
「私立高校は学費が高い」という一般的なイメージは、多くの受験生や保護者の間で根強く残っている。特に、中学受験とは異なり、高校受験では「公立が主役で私立は滑り止め」という考えが定着しており、学費の負担を軽減するため、志望校のレベルを下げて公立高校を受験する家庭も少なくない。
また、「そもそも高校受験は情報があまりなく、高校選びの材料が少ない」とういう声もよく耳にする。具体的には、「高校から入学できる私立高校がどれくらい存在するのか?」「その入試情報はどこで手に入るのか?」「一貫校と高校単独校の違いは何か?」といった情報が不足しており、高校選択の幅を狭めている要因となっている。
私立一貫校と公立トップ校が主要な選択肢として挙げられる中、高校から入学できる私立の高校単独校は限られている。一貫校では中学から入学している生徒との学習進度の差が課題となるケースもあり、高校入学後、全員が同等のスタートラインに立てる私立の単独校を希望する声も少なくない。
そんな学校選びに悩む受験生や保護者が知っておきたいのが、国の就学支援金制度と東京都の授業料軽減助成金だ。私立高校の授業料が実質無償化されるこの制度は、数年前から段階的に実施され、24年度入試からは、所得制限なく、申請すれば東京都民全員が対象となる。
従来、私立高校は高額な学費がネックとなり、進学を見送る家庭が少なくなかった。しかし、この新しい制度の導入により、経済的な負担が大幅に軽減され、誰もが自分の希望する学校に挑戦できる環境が整ったことになる。
「学費の心配は無用で自分の夢に向かって、学校のレベルを下げることなく、公立・私立問わずチャレンジできる」この制度は、都内の中学生にとって高校選びの新時代の幕開けを告げたと言えそうだ。
ストレスなく自由に進学先を選べる時代になったのなら、大事なのは学校の校風や教学内容、大学進学実績など。そこで今回は、都内の私立高校では数少ない、附属中学を併設しない高校単独校である拓殖大学第一高等学校(以後拓大一高)の魅力について同校入試部長の北野邦雄先生に話を聞いてみた。
「スタートは同じ、ゴールはひとつ」3年間を全員で駆け抜ける雰囲気づくり
東京都武蔵村山市に位置する拓大一高は、多摩モノレールと西武線の2路線が利用できる玉川上水駅からわずか徒歩3分という抜群のアクセスを誇る。広々としたキャンパスで、生徒一人ひとりがゆとりを持って学べる環境が整っている。
高校単独校である点も、特徴の一つだ。高校から入学し、難関大学進学を目指せる高校は、都内において決して多くはない。中高一貫校に高校から入学するという選択肢も存在するが、中学からの入学者との学習進度や人間関係など、様々な課題が生じる可能性が否定できない。拓大一高においては、全員が高校受験を経て入学し、同じスタートラインから学校生活を始めるため、新たな人間関係を円滑に築き、学習進度においても差が生じにくい。
しかしながら、新しい環境に戸惑いを覚える新入生もいるであろう。だが、心配は無用。拓大一高では、そのような新入生が円滑に学校生活に馴染めるよう、入学当初の4月に面談強化週間を設けている。教員と生徒がじっくりと向き合い、悩みを早期に発見し、解決へと導くことによって、生徒一人ひとりをしっかりとサポートしているのだ。このような取り組みが、生徒を決して一人にせず、全員一丸となって目標に向かって進むという、温かい学校風土を生み出している。
拓殖大学第一高等学校
入試部長
北野 邦雄先生(数学科)
北野先生は生徒の気質についてこう話す。「拓大一高の生徒たちは、何事にも真摯に取り組む姿勢が素晴らしいです。勉学はもちろん、部活動や学校行事においても、高い目標に向かって一生懸命努力する姿は、私たちの誇りです。同時に、温かくて思いやりのある生徒が多く、人間性も豊かです。この二つの要素が、本校生徒の大きな特徴と言えるでしょう。6月の女子生徒2名、9月の野球部生徒の事例は、まさに本校生徒の素晴らしさを象徴する出来事でした。外出先で倒れた方を、迷わず救護し、見事に救出に貢献したことは、消防署からの表彰も受けた素敵な行動です。これらの事例は、生徒たちが日常的に、思いやりの気持ちを持ち、それを自然に行動に移せる心の温かさを教えてくれます。」
拓大一高は、広大なキャンパスと温かい人間関係の中で、学習面だけでなく、精神面や人間性の成長も力強く後押しする学校だ。
カリキュラム改革・国際理解教育など実績を残すにはシステムに工夫がある!
拓大一高は、2022年のカリキュラム改革により、生徒一人ひとりの将来設計に合わせた学びを可能にした。2年次以降は必修科目以外を選択制とし、効率的な学習を支援する柔軟なカリキュラムは、生徒の学習意欲と将来への意識を高めると同時に、時間的なゆとりを生み出し、部活動との両立など、より充実した学校生活を後押ししている。
近年は、国際理解教育にも力を入れており、その一環として1年生全員参加のディスカッションプログラムを実施している。外国人講師の指導のもと、英語のみで議論し、最終的に英語で発表を行うことで、実践的な英語力の育成を目指す。また、コロナ禍の収束を受け、オーストラリアへの短期およびターム留学(希望者対象)も再開し、生徒にとって異文化に触れる貴重な機会となっている。
写真=ディスカッションプログラム
受験対策においても、独自の取り組みを行っている。1年次から利用可能な「校内予備校」は、外部の予備校講師が学内で授業を行うもので、質の高い授業をリーズナブルな費用で受けられる。また通学の手間も省けるため、生徒は効率的に学習に集中することができるのだ。
この取り組みについて北野先生はこう説明する。「実は新カリキュラムになったのは、今年の3年生が最初になりますので、まだこれからのところもありますが、彼らならきっと頑張ってくれると思っています。ディスカッションプログラムについては、以前は海外への修学旅行を実施していましたが、コロナ禍以前から費用が高騰し、実施が困難になっていました。当時の校長や管理職、英語科の先生方を中心に「国際的な機会を生徒に与えたい」という思いから、代替案として東京で実施できるプログラムを検討し、現在の形に至ります。結果的に、コロナ禍で修学旅行が実施できなかった期間も、このディスカッションプログラムのおかげで生徒の学びの機会を維持することができました。」
2024度入試において、国公立大に39人、最難関私立大の早慶上理ICU※1に45人、GMARCH※2に288人の合格者をだすなど、これらの革新的な取り組みを通じて、生徒たちの能力を最大限に引き出し、高い実績を上げているのだ。
https://www.takuichi.ed.jp/career/result/
※1 早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大、国際基督教大
※2 学習院大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大
充実した文武両道の学校生活こそが、社会に出てからの輝かしい未来へとつながる
拓大一高は、「文武両道」を重視する学校としても広く知られており、全生徒の8割以上が部活動に所属している。それは、学業や部活動の一方に偏るのではなく、両方に全力で取り組むことで、生徒たちが、本当の意味での「充実した高校生活」を送れると考えているからだ。仲間と励まし合い、目標に向かって頑張った経験は、精神力や時間管理能力、協調性といった、社会に出てから必要な力を育てる。「文武両道」を通して得られる達成感や自信は、その後の人生においても大きな糧となり、様々な困難を乗り越える力となるだろう。北野先生はこう話す。「特進コースの生徒達でも、クラブに所属し、週5・6回の部活動を頑張っている生徒がかなりいます。その中には東大や京大に合格した生徒もいますが、部活動を最後までしっかりやり切ってくれました。しっかり自己管理・時間管理をし、悲壮感丸出しでではなくて、本当にかっこよく両立してくれていました。本当にみんな素晴らしい生徒たちだと誇りに思います。」
拓大一高には、単に学力を伸ばすだけでなく、心身ともに成長できる環境があるのだ。
最後に北野先生に、これから受験を控える受験生や保護者へのメッセージをいただいた。
「今まで私立はどうしても学費が高いというので敬遠されがちでした。しかし、就学支援金制度で、そのハードルは大きく下がったと思いますし、本校においては、成績優秀な生徒に対する学校独自の奨学金制度も継続して実施しております。受験生には、そういう垣根なしで学校選びをしてもらえて、私立も都立も変わらない視点で見てほしいと強く思っています。『都立高校にどうしても合格したいから、私立高校は念のため』といった、守りに入った選択ではなく、もっと積極的に、都立高校への挑戦と同時に、私立高校の魅力も深く探求してほしいです。都立高校へのチャレンジを諦めることなく、同時に本校も第一志望として検討していただけたら、これほど嬉しいことはありません。もっと言えば、都立よりも私立1本でと言ってくれて、それが拓大一高であればもっと嬉しいですね。
拓大一高への進学を選んでいただけたなら、3年間を通して、一人ひとりが笑顔で卒業の日を迎えられるよう、そして、ご家族の皆様にも『拓大一高を選んで本当に良かった』と心からご満足いただけるよう、教職員一同、全力でサポートさせていただくことをお約束します」
いよいよ高校受験の季節がやってくる。受験生たちは、これからの人生を大きく左右する決断を迫られるだろう。高校選びは、単なる進学先を決めることではない。自分の夢や目標をしっかりと見据え、後悔のない選択をしてほしい。