未来のグローバルリーダー育成に向けて、生徒の成長をうながす伝統の「男子教育」—京華中学・高等学校

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未来のグローバルリーダー育成に向けて、生徒の成長をうながす伝統の「男子教育」—京華中学・高等学校

京華中学・高等学校は、1897(明治30)年創立の伝統校であり、長年にわたり社会に貢献する優秀な人材を育ててきた。大学通信が実施する学習塾の塾長・教室長に実施する「首都圏のオススメ私立中学」のアンケートでも毎年多くの項目で高い評価を得るなど、教育関係者からの信頼も厚い。24年度からは系列校である京華女子中学・高等学校、京華商業高等学校と共に、各校が独立しつつ同じ敷地で学ぶ「ワンキャンパス」の体制となった。その中で男子校としての伝統教育を守りつつ、多様な教育機会を広げている同校の教育の特色と今後の展望について町田英幸校長にうかがった。

教職員と生徒・保護者とで培ってきた「京華の教育」を引き継いでいくために

-毎年、多くの項目でランキング上位となっています。本年は「面倒見が良い」「生徒や保護者の入学後の満足度が高い」「入学時の偏差値に比べ、大学合格実績が高い」「生徒や保護者に勧めたい」の項目で1位と、非常に高い評価となりました。さらには「面倒見が良い」の項目1位は15年連続となっています。まずはこの結果について、どのように受け止められていますか?

未来のグローバルリーダー育成に向けて、生徒の成長をうながす伝統の「男子教育」—京華中学・高等学校


まずは、長年にわたり高い評価をいただいていることを嬉しく、またありがたく思います。15年間というと、多くの学校では教員の世代が入れ替わります。本校も世代交代が進んでおり、今は若手の先生の層がかなり厚くなっています。15年にわたり長くよい評価をいただき続けられているということは、それが本校の教育の基本姿勢として、ベテランから若手へとうまく引き継ぐことができているからでしょう。「ここは動かさないようにしよう」と意識して繋いている部分もありますが、校風として根付き自然と醸成されている部分もあると思います。また、本校の教員には卒業生も多いため、生徒として過ごした時に「よかった」と感じていた部分を、教員になってから今度は自分たちが生徒に還元しているようです。これからも、本校のよさを大事にしつつ、若い教員にもどんどん成長していってほしいですね。

中高時代に身につける「小さな自信」が、生徒を着実に成長させる

-多くの教育関係者の信頼を集める、京華流の「面倒見のよさ」について教えてください。

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学校説明会でもいつもお話ししているのですが、本校の「面倒見の良さ」は、「学校が生徒のお世話をする」という意味での面倒見の良さではありません。本校の面倒見の良さとは、生徒一人ひとりをしっかりと見て、その生徒が自ら成長できるように背中を押すことです。本校の建学の精神の「天下の英才を得て之を教育す」に基づいています。

本校では、15年以上前から変わることのない生徒への向き合い方というものがあります。それは「生徒に小さな自信をつけさせる」というものです。どうすれば自信がつくかといえば、一つのことをやり遂げる体験をすることです。必ずしも成功しなくてもいいのです。やると決めたことをやり切ったというだけでも小さな自信になります。勉強でも部活でも趣味でもなんでも構いません。生徒が興味を持ってやりたいと思ったことを応援する気風があります。教員はもちろんですが、生徒たちにもそういった意識があります。男子生徒には何かのオタクも多くいますから、鉄道や昆虫、コンピュータなど小学校ではもしかすると少し浮いてしまったような趣味でも、本校の生徒たちは「すごい!」と認めてくれますし、自分自身が夢中になるものを持っている生徒であれば、他人を否定することはありません。

なかには自分で「やりたいこと」がなかなか見つけられない生徒もいます。その場合は、担任をはじめとする多くの教員が、毎日きちんと生徒と向き合い、関わり合うことで、生徒の可能性を見つけることから始まります。生徒が自分でも気づいていない「よさ」を、信頼できる教員が認めたり評価したりすることで、生徒のやる気スイッチが入ることもあります。そうした生徒への向き合い方が、「面倒見が良い」という言葉に集約されているのだと思います。

基礎をしっかりと築くことで、生徒は大きく伸びる

-「入学時の偏差値に比べ、大学合格実績が高い」(1位)、「最近、大学合格実績が伸びていると思われる」(2位)の2項目でも高い評価を受けています。入学後に生徒の力を伸ばすためにどのような教育をされていますか?

未来のグローバルリーダー育成に向けて、生徒の成長をうながす伝統の「男子教育」—京華中学・高等学校


未来のグローバルリーダー育成に向けて、生徒の成長をうながす伝統の「男子教育」—京華中学・高等学校


入学後に成績が伸びる生徒が多いのは、先の話にもつながりますが、入学後にやりたいことを見つけてやる気に火がつく生徒が多いからではないでしょうか。受験時から上位の生徒は、もともと勉強する習慣が身についているため、入学後も自然に伸びていきます。それ以外の生徒が伸びるのは、やはりやりたいことを見つけてからです。やりたいことを見つけて全力で取り組むことで自信をつける、そこから一歩ずつ進んでいき、高校では目指す将来像を見据えて真剣に大学受験に取り組みます。

もちろん、生徒が伸びるための基礎をしっかりと築くカリキュラムも充実しています。本校は英語と数学の授業数を平均よりも多くとっています。それは、英語と数学は積み上げが大切な教科だからです。もちろんすべての教科が重要ですが、理科や社会は中学で学んだ内容を、より高いレベルではありますが高校でくり返すので取り戻すことが可能です。国語も積み重ねが重要ですが自分の力で学びやすい教科です。対して、数学はどこかが抜けてしまうと次のステップから崩れてしまいます。ですから、指導を手厚くすることで、理解できないままズルズルと落ちこぼれる生徒が出てしまわないようにしています。英語については、生徒が英語を使う楽しさを身につけられるように、オールイングリッシュの授業を取り入れていることもあり、結果的に授業数が増えています。

本校は土台を丁寧に築くために先取り教育は実施していません。しっかりと基礎を学ぶことが、最終的に生徒が大きく伸びる力を育むのです。

すべての基礎となる保護者との信頼関係

-毎年「生徒や保護者の入学後の満足度が高い」など、保護者からの評価が高い点も御校の特長ですね。

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これは「面倒見がよい」という評価にもつながっていると思いますが、本校は学校完結型の手厚い教育支援制度を設けています。6年間一度も塾や予備校に通わず、早稲田などの難関私立や一橋、東工大(現:ScienceTokyo)などの国立大に合格する生徒もいます。夏休みには、学力の底上げや大学受験対策など学年に応じた内容の講習会を開講していますし、日常の学習支援として放課後の補習指導も丁寧に行なっています。

また、本校では、中学校の間は定期試験ごとの成績表を保護者に直接渡しています。本校の創設者が始めたことで珍しい取り組みだと思いますが、120年以上にわたり続けてきました。生徒の成績や学習への取り組み方などについて、教員と保護者が率直に話し合える大切な機会となっています。こうした場で成績の話だけではなく、学校での生徒たちの様子を伝え、逆に保護者の方から生徒たちの家庭での様子をうかがったりしています。これからも保護者からの信頼に応える教育環境を大切にしたいですね。

ボーダレスに活躍できる人材育成のため、よりグローバルな教育を進めていきたい

-今年度から、男子校、女子校、商業高校の3校が集まるワンキャンパス制となりました。どのような変化がありましたか?

実はあまり大きな変化はありません。というのも、男子校、女子校、商業高校という各校の基本は変わりませんし、以前から演劇部や吹奏楽部など男女合同で活動してきた部活はありますし、商業と合同での夏季海外研修プログラムなども継続しているため、本校としては今年度から急に大きく変わったという感覚がないためです。中高6年間を通して男子生徒を大きく成長させる男子教育という本校の基軸はブレることなく、研修や文化祭といった行事での交流を通して、多様な経験ができればよいと思っています。

未来のグローバルリーダー育成に向けて、生徒の成長をうながす伝統の「男子教育」—京華中学・高等学校

-今後どのような教育に力を入れていきたいですか?

社会が目まぐるしく変化していく現在、生徒たちに身につけてほしいのは、変化に対応する力、ボーダーレスに生きていく力です。人工知能が進化することで必要な職能は変わっても、コミュニケーション力など人間と人間とが理解し合い、協働していくための力は変わらず必要となりますし、より一層重要になるでしょう。

そうした力を身につけるためのグローバル教育に力を入れていきたいと思っています。単なる英語教育の充実というだけではなく、生徒たちの意識を世界に向ける教育です。具体的には、本校から海外大学に進学する生徒がどんどん出るようになってほしい。進学も就職も、日本国内だけでなく海外も視野に入れるのが当然という意識を持ってほしいのです。

私が校長に就任したのは2016年なのですが、当時からグローバル教育に力を入れる必要性を強く感じ、「グローバルエデュケーション」をスタートさせました。現在、オールイングリッシュで過ごす中1のイングリッシュディや中2での宿泊行事イングリッシュキャンプ、中3でのシンガポール海外研修や留学生との交流プログラム、セブ島語学研修、高校からの短期・長期留学、海外研修といった多彩な体験の機会を設けています。

さらに本年度3月に高校生を対象にしたベトナムのスタディツアーも始める予定です。ベトナムは英語学習に熱心で中高生でも非常に流暢な英語を使いこなしています。ベトナムの高校生や大学生と交流し、英語力をはじめとする勉強に対するモチベーションの高さを知ってほしいですし、今まさに急速に発展しつつあるアジアの国の空気を生徒たちに感じ取ってほしいと思います。同時に、世界の貧困問題などにも目を向け、世界の中での自分たちの役割を考えるきっかけとなってほしいですね。

「グローバル」は特別ではなく当たり前のこと。これからは世界のどこでも生きていく力が必要になる。生徒たちにはそうした意識を強く持ってもらいたいと、心から願っています。そのための「グローバル教育」をどんどん進めていきたいです。

進路選択は、子どもの意思を第一に。納得できる環境こそが成長の鍵

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―塾の先生の勧めで学校説明会に参加される保護者の方も多いと聞きます。多くの生徒さんを見てきた町田先生から、受験生の保護者の方へのアドバイスはありますか。

学校説明会でよくお話しする受験勉強のノウハウがいくつかあります。個人差もあるので合う合わないはあると思いますが、もし行き詰まっているならためしてみてほしいのが、苦手科目と得意科目があれば、まずは得意科目から勉強して、調子が出たところで苦手科目をやってみるなど勉強の順序を工夫すること。苦手科目の克服が難しい場合は、無理せず得意科目で得点を稼ぐ方法も検討すること。小学生が集中できる時間は15分程度なので、頭を使う問題の合間には休憩や気分転換になるような問題を挟むとよいこと。などでしょうか。

また、最近、国語力の大切さを改めて実感するようになりました。最近は長い文章を読むことが苦手な子どもが多くなっています。昔は本をよく読む子は、中学入学時には成績が振るわなくても、その後、大きく伸びていたと思います。その理由は、教科を問わず読解力があれば自分で教科書などを読み解いて理解ができることのほかに、国語力はコミュニケーション力に直結するため、仲間と一緒に勉強する環境をつくりやすいということがあります。国語力は受験期になって急に身に付くものでもありませんから、小さいうちから本を読む習慣を身につけられれば一番よいですが、受験期であれば、短い文章を読んで要約する練習はかなり効果的だと思います。

中学受験では進路選択に保護者の意向が大きく反映されがちです。けれど、特に男子の場合、本人が「好きな学校」や「気に入った学校」に入学できると、その後の学校生活に対するやる気がまったく変わります。自分で選んだ学校であれば、入学後に多少の挫折があっても乗り越えることができますが、押し付けられた学校の場合はそこで一気に気持ちが後ろ向きになってしまいがちなのです。学校は相性ですから、できるだけ本人が直接訪れて学校の雰囲気を感じ取れるといいですね。男子の場合は「なんとなく気に入ったから」でも大丈夫です。入学後は私たち学校側の教職員がしっかりと育てていきますので、安心して任せてもらえればと思います。