高校からの評価で「教育力」「研究力」私大トップ!AI時代に大学の未来像を切り拓く理工系私大の最高峰~東京理科大学

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高校からの評価で「教育力」「研究力」私大トップ!AI時代に大学の未来像を切り拓く理工系私大の最高峰~東京理科大学

学生を鍛える大学の伝統はそのままに
「融合と統合」二つのアプローチで
誰も思いつかなかった「未来」を拓く

 真に実力を身につけた学生を社会に送り出す――東京理科大学が1881(明治14)年の開校時から掲げ続ける「実力主義」は、今なお建学の精神として色あせない。ただし何をもって「実力」というのかは、時代や社会の変化という鏡に映さなければ見えてこない。東京理科大学は“未来を拓く実力”と改めて捉え直し、変化に柔軟に対応したり、さらに自ら変化を生み出していく人作り、組織作りを目指している。

 2023年度に理工学部が創域理工学部へ再編され、先進工学部は新設2学科が加わり、5学科体制となった。人が交わることで新たな化学反応を促す試みといえる。また24年度入試から「総合型選抜(女子)」が始まる。多様性が創造する大学の未来像を石川正俊学長に伺った。

高校からの評価で「教育力」「研究力」私大トップ!AI時代に大学の未来像を切り拓く理工系私大の最高峰~東京理科大学

石川正俊学長

1977年東京大学工学部計数工学科卒業。79年同大学大学院工学系研究科計数工学専門課程修士課程修了。88年工学博士(東京大学)。専門はシステム情報学。通商産業省研究員、東京大学大学院教授、副学長・理事などを経て2022年より東京理科大学学長。東京大学名誉教授。2011年紫綬褒章、その他国内外にて多数受賞。

建学の精神「実力主義」が
時代と共にアップデート

 真に実力を身につけた学生だけを卒業させる東京理科大学の教育方針は「実力主義」と呼ばれ、大学を象徴する言葉として長年にわたって大切にされてきた。「関門科目」の単位が取れないと進級できない関門制度(1)は今も伝統となって残っている。

 このような〝学生を鍛える教育〟は社会から高く評価されてきたが、一方で、時代と共に教育もアップデートしていく必要性も高まってきた。そのため20年度、実力主義を「未来を拓く実力」と再定義し、高い志とノブレスオブリージュの精神▽高い専門性と科学的思考力▽独創性と進取の気性▽共創力、という四つの精神、能力を大学が培うべき資質として改めて発信した。実力主義を捉え直したことについて石川正俊学長はこう話す。

 「建学の精神である『理学の普及をもって国運発展の基礎とする』を現代的に読み換えれば、科学技術によって社会発展をもたらす――となります。社会は今、科学技術をベースに動いており、どんどん変わっています。時代の変化に伴って実力主義の意味もまた変わっていくべきです。明治時代の実力主義は〝どこまで学んだか〟を試験で測るというものでした。今もそれは必要ですが、それだけではないのです」。

(1)関門制度
 学部ごとに定められた指定科目(関門科目)の単位を取得しなければ、次の学年に進級できない制度。1年生から2年生への進級には経営学部以外の全学部が関門を設けている(経営学部は2年生から3年生への進級に関門がある)。

新しい価値創造を応援する
「失敗を褒める」という文化

 課題をいかに正確かつ効率的に解くかが明治以降の近代化や、戦後の高度成長から経済大国化を支えた問題解決のアプローチであった。未来予測が困難な時代を迎え、今では〝問題を見つける能力〟や〝答えの出ない問題に向き合う力〟といった観点が注目されている。しかし、石川学長が見据えるのはもっと先だ。

 「問題を論理的に、科学的思考をもって解くことは科学技術の重要な柱ですが、もう一つ別の柱が現れました。何かといえば〝問題〟そのものがない中で、新しい価値を社会に与えるという科学技術の形です。それは例えばフェイスブックであり、グーグルです。インターネット自体、なくて困っている人はいなかった。問題すなわち社会のニーズは存在しなかったのです。ところが作ってみたら社会が変わった。従来の科学技術の目的が真理の探究であったのに対し、現代では真理の探究はもちろん続けながら、新しい価値を創造する役割がある。それに合わせた『実力』の捉え直しが必要なのです」

 新しい発見や発明が行われた時、必ずしもすぐに値打ちが分かるとは限らない。社会に発信し、社会が気づいて初めて価値が生まれるのである。石川学長はそれを「社会受容性」という言葉で表現する。米国などに比べ、日本では社会受容性を試せる機会が少ないという。一度失敗したら二度目のチャンスがなかなか巡ってこない。石川学長は「正当な失敗は褒めよう」という文化を根付かせたいとして、ウェブサイトの「学長挨拶」にも掲げている。

 「失敗を恐れるなという言い方がありますが、失敗は恐れるべきです。ただし、事前に得られる情報や条件の中で正しい判断をしてそれでも失敗したなら、そのトライは褒めてやらないと、トライ自体をするなと言っていることと同じです。それでは新しいことは生まれてきません」

多様性を広げる入試改革
総合型選抜(女子)を創設

 新しい価値の創造に向けて東京理科大学が特に力を入れているのが、既存の学問分野を超えた「融合と統合」の取り組みである。その具体化が23年度に行われた理工学部の創域理工学部への名称変更と、先進工学部の5学科体制(物理工学科と機能デザイン工学科の追加)への移行といった思い切った大学改革だ。

 「創域理工学部はAの分野とBの分野で話をしていたらCという新しい考え方が出てきた、といった〝融合〟の働きに期待しています。一方の先進工学部は『こんなことをやりたい人がいたら集まれ』というデザインシンキングに基づいた〝統合〟のアプローチによって、イノベーションの創出を目指します」(石川学長)

 特に創域理工学部は大学院に横断型コース(2)があり、専攻の異なる研究室と共に研究に取り組める制度がある。併せて学部教育と大学院修士課程をつなげた6年一貫教育コース(3)を行っている。企業から研究開発の〝即戦力〟が求められているが、その期待に応える取り組みといえそうだ。

 さらに25年度には薬学部が千葉県の野田キャンパスから東京都の葛飾キャンパスへ移転する(4)。葛飾キャンパスに拠点を置く工学部、先進工学部と分野横断的に研究交流を深め、他に類を見ない「薬工連携」を進めていくという試みである。

 「分野間の壁が非常に低い」と石川学長が語る東京理科大学の強みは、このような多様性を土台とするダイナミズムである。その一環として24年度入試(同年4月入学)では総合型選抜(女子)が導入される(5)。工学系3学部16学科でそれぞれ3人ずつ募集する。「新しい価値を創造するためには、これまでとは違う視点を入れるのが絶対条件です。他者とは違う視点でこれからの科学技術を担っていきたいという女性はぜひ来てほしい」と石川学長は入試改革の意図を説明する。

高校からの評価で「教育力」「研究力」私大トップ!AI時代に大学の未来像を切り拓く理工系私大の最高峰~東京理科大学
高校からの評価で「教育力」「研究力」私大トップ!AI時代に大学の未来像を切り拓く理工系私大の最高峰~東京理科大学

創域理工学部がある野田キャンパス

高校からの評価で「教育力」「研究力」私大トップ!AI時代に大学の未来像を切り拓く理工系私大の最高峰~東京理科大学

先進工学部がある葛飾キャンパス

(2)横断型コース
 学科、専攻を超えて横断的に教育、研究を行うため、創域理工学研究科(大学院修士課程)に設置。通常の専攻での教育・研究に加え、希望者に対して専攻をまたいだ融合型の教育・研究を行っている。医理工学際連携コース▽エネルギー・環境コース▽農理工学際連携コース▽防災リスク管理コース▽宇宙理工学コース▽デジタルトランスフォーメーションコース▽人間安全理工学コース▽教職コース(横断型資格・教職コース)の8コースがある。
(3)6年一貫教育コース
 学部教育と大学院修士課程を一体化した「3年+3年教育」。創域理工学部の全学科で実施している。学部4年生から修士課程までの3年間を一貫して学修・研究することによって早期からの専門的研究能力の養成を目指す。研究活動に集中できるため、博士課程まで進学した場合、所定の要件を満たせば、通常より1年早く博士(理学または工学)の学位を取得できる可能性がある。同コースに所属せず、従来通り学部4年生で卒業することも可能。
(4)薬学部の葛飾キャンパス移転
 薬学部は2025年度、先端融合分野を研究する「イノベーションキャンパス」として整備された葛飾キャンパス(東京都葛飾区)に移転する。工学部、先進工学部と分野横断的に研究交流を深め、薬・工連携の教育・研究拠点の創成を目指す。医療機器や分析機器などの共同開発、薬学でのデータサイエンス強化を視野に入れ、幅広い知識・技能と研究探究心を持った薬剤師・研究者の育成が期待されている。
(5)総合型選抜(女子)
 新たな入試制度として2024年度入試(同年4月入学者対象)から新設される。工学部の全5学科、先進工学部の全5学科、創域理工学部の工学系6学科(建築学科、先端化学科、電気電子情報工学科、経営システム工学科、機械航空宇宙工学科、社会基盤工学科)の3学部16学科において各学科3人の女子募集枠を設ける。女性の理工系分野への進学を積極的に支援し、ダイバーシティー(多様性)推進を加速さるとともに新しい感性によるイノベーション創出の促進を目的とする。

確かなスキルを身に付けて
AIに負けない自分を作る

 東京理科大学は、高校の進路指導教諭が評価する大学ランキングで「教育力」と「研究力」が私立大学1位(下図参照)、また「実就職率」は全国1位である(卒業生数4,000人以上の大規模大学)。伝統の実力主義が生んだ結果といえるが、学習支援も時代に合わせてアップデートしている。クラス担任制を敷くほか、新入生をサポートするため、2年生以上で専門研修を受けた学生が「学習相談室」に常駐し、基礎科目である数学、物理、化学についてアドバイスをする。教わる側はもちろん教える側にとっても大きく伸びる学び合いの場である。

 石川学長は受験生に向けて、次のようなメッセージを送っている。

 「大学を見比べるのではなく、大学の先にある社会を見てほしい。変化している社会でどう活躍したいのか、そのためにはどうスキルを学び、キャリアを作っていけばいいのかを考えてほしいのです。AIの登場によって〝知っているだけの知識〟に価値がなくなりました。チャットGPTがいくらでも教えてくれます。高校生までは教科書をしっかり学ぶ必要がありますが、大学では教科書に書いてないこと、人とは違うことをしなければならない。その時に知識をどう使っていくか、あるいは知識が存在しないことに対してどう攻めていくか。そのための能力、スキル、思考方法をキャリアの中でどう積んでいくかを考えれば、AIに負けない自分が見えてくるでしょう」

▼2023年度「教育力が高い大学」ランキング(調査:大学通信)

順位 設置 大学名 所在地 ポイント
1 東京大学 東京 702
2 東北大学 宮城 590
3 京都大学 京都 462
4 東京理科大学 東京 132
5 国際教養大学 秋田 130
6 大阪大学 大阪 125
7 早稲田大学 東京 121
8 九州大学 福岡 109
9 北海道大学 北海道 96
9 慶應義塾大学 東京 96

▼2023年度「研究力が高い大学」ランキング(同)

順位 設置 大学名 所在地 ポイント
1 東京大学 東京 1,147
2 京都大学 京都 968
3 東北大学 宮城 713
4 東京工業大学 東京 330
5 大阪大学 大阪 241
6 名古屋大学 愛知 146
7 筑波大学 茨城 138
8 九州大学 福岡 102
9 東京理科大学 東京 99
10 北海道大学 北海道 69