安田理氏に聞く 今注目の学校
西武台千葉中学校・高等学校
学力向上と共に人間力育成を志す
千葉県野田市にあり、柏・流山おおたかの森・春日部・大宮から一本の電車で通学可能で、通学圏は茨城・埼玉・千葉・東京に及ぶ中学・高等学校。自然に囲まれた広い敷地で活発な部活動が行われている。
オンライン補習、習熟度別授業などのカリキュラムに加え、コミュニケーション教育・社会福祉など多彩な教育で人間力育成を図っている。特にキャリア教育の「メディカルプロジェクト」と「教員養成プロジェクト」が大きな特徴だ。メディカルプロジェクトは野田市医師会の協力のもと、現場で働く医療従事者の声を聞き、医療に関する知識だけでなく教養と人間性などの人間力育成も目標としている。教員養成プロジェクトは近隣小学校5校で月2回実施される学習支援ボランティアや、教職に就いている卒業生の教員養成ガイダンスなど、教職に対する心構えの習得が目的だ。学年を問わず参加でき、同じ希望を持つ生徒同士で学ぶことができる魅力的なプログラムである。また今年から情報クリエイターを目指す生徒を応援する「ICT未来創造プロジェクト」がスタート。
このほか中学校では実用英語プラットフォーム戦略として、キッザニア東京体験や留学生交流による実践英語体験の「C&C」や、1泊2日の英語合宿「EBC」など教室外での英語学習、思いやり精神を育てる福祉教育や教養講座、高校の気象予報士養成講座、手話講座などが開設されている。このように学力向上と共に人間力育成に大きく力を入れ、その結果いつも生徒が来訪者へ挨拶をしていることが魅力の学校だ。
安田理氏からのコメント:ユニークな工夫でモチベーションを高める
多くの学校が教科学習の「量」を増やすことで成果を上げようとする方向にある。が、いくらシステム面を充実させても思うような結果にはつながらないのが現実だ。本人の内側から意欲、やる気が湧かなければ真に身についた力にはなりにくい。西武台千葉は肝心なここに力を入れている。「メディカルプロジェクト」や「教員養成プロジェクト」ではすでに目指す生徒が生まれているし、今年から始まる「ICT未来創造プロジェクト」も間違いなく生徒の関心を集めるだろう。
-
西武台千葉中学校・高等学校
〒270-0235 千葉県野田市尾崎2241-2
電話 04-7127-1111
安田 理(やすだ おさむ)
安田教育研究所代表。東京都出身。早稲田大学卒業。
大手出版社にて雑誌の編集長を務めたあと、2002年安田教育研究所を設立。