安田理氏に聞く 今注目の学校
安田学園中学校・高等学校
写真=野外探究・磯(東京海洋大学館山研究所)
中学先進コース
安田学園には、教育目標の「自学創造」を実現する独自の教育プログラムがある。今年9年目を迎えた中高一貫部の先進コースでは、生徒が自ら考え、問題を解決する力を伸ばす「探究学習」を実施。自然科学や人文社会などの多彩な題材をもとに、ベースとなる「疑問→仮説→検証」の思考サイクルを身につけていく。
中学では、通常の授業などで培った基礎学力に合わせ、学年によって題材やテーマを変えて探究学習に取り組み、論理的に考える力を養っている。
高1からは、グループ単位での探究から個人探究へと切り替わる。興味のあるゼミに所属して、調べたいテーマを自分で決めて調査を進め、1年かけて論文にまとめていく。探究学習の集大成となるのが高2の「グローバル探究」だ。高1で作成した論文を英語に翻訳し、各自がイギリスの大学でプレゼンテーションを行う。
こうした探究学習にも欠かせない英語力だが、安田学園ではグローバルプログラムとしてさまざまな取り組みを行っている。その一つが全生徒対象のオンライン英会話だ。インターネットを介して、プロの英語講師との1対1による個別指導が行われる。生徒たちは画面を通して身振り手振りを交えながら、積極的に英会話に取り組んでいるという。
数々の改革により、大学合格実績も飛躍的に上がっている。今年は京都大に1名、東京工業大に3名、一橋大1名、その他国公立大に47名、早慶上理ICUに63人が合格。前年比110%の実績となった。
安田理氏からのコメント:「探究学習」の蓄積が難関大学合格実績を生む
高校の新学習指導要領ではほとんどの科目に「探究」が導入される。そこで中高一貫校でもカリキュラムに「探究」を組み入れる学校が急増している。そうした中、安田学園の探究学習の歴史は古く、経験の蓄積は群を抜いている。
有力私立大学の定員厳格化で、大学合格実績が低下している学校が大半だが、安田学園は逆に飛躍的に伸びている。探究学習を通じて育成した思考力が最難関大学を突破する力となっている。
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安田学園中学校・高等学校
〒130-8615 東京都墨田区横網2-2-25
電話 03-3624-2666
安田 理(やすだ おさむ)
安田教育研究所代表。東京都出身。早稲田大学卒業。
大手出版社にて雑誌の編集長を務めたあと、2002年安田教育研究所を設立。