大学通信・安田賢治×日本工業大学・成田健一学長
確かな専門性と人間力を育てる
手厚いサポート体制が魅力の日本工業大学

PR
大学通信・安田賢治×日本工業大学・成田健一学長 確かな専門性と人間力を育てる 手厚いサポート体制が魅力の日本工業大学

写真=(左)日本工業大学・成田健一学長、(右)大学通信・安田賢治

日本工業大学では、2018年の大改組に伴い、工学基礎教育でクォーター制をスタートさせた。それにより、多様化する学生ひとり一人に、工学で必要とされる基礎力を身につけてもらうのがねらいだ。クォーター制を取り入れた教育や大学の強力なサポート体制について成田健一学長にお話を伺った。(取材・文 安田賢治)

対談者プロフィール

成田健一氏
日本工業大学学長
1956年東京都生まれ。広島大学総合科学部総合科学科卒業。2015年より日本工業大学学長に就任。専門は都市域の熱環境・風環境、建築環境工学。
安田賢治(聞き手)
大学通信 常務取締役 情報調査・編集部ゼネラルマネージャー
1956年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、大学通信入社。中学受験から大学受験まで幅広くカバー。著書に『笑うに笑えない大学の惨状』(祥伝社新書)など。

クォーター制導入のきっかけ

安田:クォーター制は留学しやすいことや、少ない科目を短期集中かつ積み上げ方式で学べるので高い学習効果が得られるという利点から、日本でも導入する大学が増えてきました。貴学ではどのような経緯で導入を図られたのでしょうか。

成田:工学基礎教育でのみ採用しています。工学を学ぶにあたり、基礎となる科目は重要で、それにもかかわらず、苦手とする学生が一定数存在するため、進級時までに確実な基礎力を身につけてもらいたいと考えたからです。

安田:具体的にはどのような仕組みなのでしょうか。

成田:もともと工業高校出身者と普通高校出身者のバランスが半々になった頃、個々の学修歴に合わせたコース分けをした初学時導入プログラムを並行して走らせていました。しかし、工学は基礎が重要なのにもかかわらず、入試が多様化してくると、出身高校に限らず、理解が十分でない学生も増え、従来の方法では学生ひとり一人にあったカリキュラムを続けることが厳しくなりました。そこで、導入されたのがプレースメントテストです。

安田:プレースメントテストというと、学力を把握してそれぞれにあったクラス分けするために、入学してすぐに実施されるテストですよね。

成田:そうですね。数学、英語、物理の基礎科目について、入学後すぐに行われ、各自にあった科目のレベルから学習をスタートさせるためのものです。それぞれの科目を習熟度別に分け、下位をクリアしないと上位に進めないシステムにしています。工学基礎教育は、原則として1年次のプログラムですが、この単位を取ることが2年次進級への条件にしています。

安田:それをスムーズに実行するのには、クォーター制が最適だと考えられたわけですね。

成田:はい。質を確保し、確実にステップアップするためには、半期のセメスター制では、とても追いつきません。そこで、1科目につき週2コマ7週間の授業で、1年かけて修了を目指すクォーター制が向いていると考えました。実際、例えば数学では最も基礎のレベルからスタートした学生を含め、96%の学生が進級条件をクリアしています。

大学通信・安田賢治×日本工業大学・成田健一学長 確かな専門性と人間力を育てる 手厚いサポート体制が魅力の日本工業大学

進級を後押しする強力なサポート体制

安田:進級条件であるということは、学生は必死に学ばざるを得えませんね。それをサポートする体制はどのようになっていますか。

成田:数学で7名、英語で11名、物理で6名の専任教員を配置しています。加えて、学修支援センターには専任の教員以外にも8名のチューターが授業以外でも質問を受け付け、わかるまで面倒をみるようにしています。また、授業はすべて少人数制かつ座席指定です。

安田:そうなると、欠席したらすぐにわかりますね。

成田:はい。ドロップアウトを防ぐためにも、学生相談室やカウンセラーと連携し、学生の精神面を支えています。

安田:学生に明確な目標を与える一方で、大学は責任を持って進級させるという取り組みは、学生はもちろん、教職員にとってもハードルが高いのではないでしょうか。

成田:確かにそうかもしれませんが、効率重視だといわれる昨今の学生に、近道を選ぶだけでなく、コツコツと積み上げていくことの重要性を教えることで、社会に出てからもその体験はプラスに働くのではないかと考えます。

安田:なるほど。学習する習慣をつけ、段階的にクリアしていくという方法は、成功体験を積むのに役立ちそうですね。

成田:実際、9割近くの学生が予習・復習に取り組んでいるという結果が出ていますし、高校ではわからなかった科目が、大学に来たらわかるようになったという声もあります。

安田:基礎から段階的に積み上げていく学習が工学の基本だといわれますが、1年次できっちりと基本を身につけておけば、より幅広く専門分野を学んでいけますね。

成田:おかげさまで、このシステムに関する学生の評価は上々です。特に、実習には強くても、基礎科目を苦手とする工業高校出身者にとってその効果は絶大で、彼らの成長には目を見張るものがあります。成績上位者に与えられる奨学金を受ける学生や、トップクラスで卒業する学生が存在することが何よりの証ではないでしょうか。

大学通信・安田賢治×日本工業大学・成田健一学長 確かな専門性と人間力を育てる 手厚いサポート体制が魅力の日本工業大学

手厚いサポートが就職率を後押し

安田:学生に真摯に向き合った結果が、就職率の高さにつながっているのですね。貴学の2019年3月度の就職率は98%だと伺いました。また、弊社調べの2019年の就職状況調査では、大学の規模別の実就職率ランキング(卒業生数500人以上1000人未満)で5位にランクインされました。

成田:ありがとうございます。実就職率は大学の人材育成力を測る1つの指標であるため、本学の取り組みが高く評価された結果だと感じています。

安田:就職に関するサポートには何がありますか。

成田:そうですね。例えば、学科担当制を設け、きめ細やかに個別指導をしたり、就職支援課と各研究室が連携し、情報共有を行うことで、各学生の特性や状況に合った適切なアドバイスを提供したりしています。他にも3年次に年に数回、個別企業説明会を実施しています。幸い本学は、キャンパスが広大なので、それを十分に活用し、1企業につき1教室のスペースを割り当てることが可能です。学生はあらかじめ予約して訪問するため、事前に学生の情報が十分に人事担当者に伝えられます。じっくりと話を聞けることもあって、学生と企業のミスマッチが少なく、学生の就職先のうち、説明会に参加した企業が4割を占めるほどです。

安田:しかし、いまだ新型コロナウイルスの影響が収まらない中、今後の就職活動が心配ですね。昨年は、多くの大学が電話やメール、ウェブで就職支援を行い、企業もオンライン上での採用活動を余儀なくされました。

成田:本学でもウェブ相談や就職支援ガイダンスの動画配信など、オンラインを活用した支援を行っています。また、企業のウェブ面接に向けて、安定した通信環境と安心して臨める空間を提供するため、個人学習室を貸し出しています。こういう状況ですから、今年も同様の形での支援が必要でしょう。

大学通信・安田賢治×日本工業大学・成田健一学長 確かな専門性と人間力を育てる 手厚いサポート体制が魅力の日本工業大学

広大なキャンパスで育まれる人間力の高い現場技術者

安田:先ほど広大なキャンパスとおっしゃっていましたが、どのくらいあるのですか。

成田:学部のある宮代キャンパスは、埼玉県南埼玉郡にあって、広さは東京ドーム約6個分です。

大学通信・安田賢治×日本工業大学・成田健一学長 確かな専門性と人間力を育てる 手厚いサポート体制が魅力の日本工業大学

安田:とても恵まれた環境ですね。

成田:そうですね。学生が研究するための場が豊富にあるほか、実験用の機械を十分に置けるスペースが確保できます。そのため、シミュレーションではなく、実際の実験により、精度の高い実証データを収集することができるわけです。

安田:やはり、工学を学ぶにあたっては実験が重要ですよね。

成田:それだけでなく、実験の過程で互いに協力しあって結果を出すことが連帯感を生み、感謝の気持ちが育まれ、人間力が養われます。こうした体験や人間力は、トラブルがあった際の問題解決能力の高さにつながっていると感じます。

安田:それが企業の満足度にも反映されているのですね。最後に、これからの展望についてお聞かせください。

成田:中長期的には、常に変化が要求されるこれからの時代に、基礎力を鍛えることで得られる応用力に加え、人の痛みに共感できる人間的な幅を持たせる教育を行っていきたいと考えています。

安田:これからも貴学のますますのご発展をお祈り申し上げます。本日は、どうもありがとうございました。

大学通信・安田賢治×日本工業大学・成田健一学長 確かな専門性と人間力を育てる 手厚いサポート体制が魅力の日本工業大学

工学は生活の発展には欠かせない分野だ。特に日本の将来にとっても、新しい「もの」の創造、「技術」革新は大切だ。最近では情報分野が注目を集めている。コロナ禍によってオンライン授業、リモートワークなど、身近になってきた。昨年から理系人気が上がってきている。中でも工学部系の人気はアップしており、日本工業大学も注目を集める1校だ。

日本工業大学では、ものづくりの現場でリーダーとして活躍できる現場技術者を育成する「実工学教育」を重視してきた。その礎を築くため、常に改革を推進し、2018年には、クォーター制を取り入れるなど、工学基礎教育を大改革した。これにより、学生はハードルを超えながら確実に基礎力を身につけていける。また、大学側もそのための支援を惜しまない。そうした体制が功を奏し、日本工業大学の学生は、企業からも高い評価を得ている。それが就職率の高さにつながっている。広いキャンパス、充実した施設・設備に加えて、教育改革を実施している日本工業大学の発展に期待したい(安田賢治)。