安田理氏に聞く 今注目の学校
啓明学園中学校・高等学校
世界をつなぎ、知性を磨き、心を育む
教育目標は、「世界を心に入れた人(Peacemaker)を育てる」。Peacemakerとは、世界を体験し、世界を学び、世界の平和のために行動できる人をいう。異文化を体験し、理解するために、海外体験学習や異文化交流、短期・長期の留学制度などのプログラムも豊富にある。生徒の約40%を海外からの帰国生や留学生(国際生)が占め、さまざまな文化背景や言語を持つ生徒が同じ教室で学ぶ環境の中で、一般生も自然と国際性が養われていく。
中学3年からの必修授業「グローバルスタディーズ」では、経済発展と貧困、環境破壊など世界の現状を学ぶ。その中で生徒自身が課題を見つけ、情報を収集・分析し、議論し、解決策を模索する。論文とプレゼンテーションにまとめ上げる過程を通して、視野が広がり、論理的な思考力が鍛えられるとともにリーダーシップが育まれている。
英語教育では、「読む・書く・聞く・話す」に「思考力(Thinking)」を加えた5つの能力をバランスよく身につける。文化祭時には国際生の迫力ある英語ディベートを観戦、2月の英語・外国語スピーチコンテストは、表現力や実践力、コミュニケーション能力を伸ばすチャンスだ。18年に正式加盟した「ラウンドスクエア」の活動も、英語学習のモチベーションアップにつながっている。
また、グローバル教育とともに、理数教育を大きな柱としている。課題を解決するには、理数的な素養も必要と考えるからだ。その成果は中高生対象の国際的な研究発表会や研究論文コンテストでの入賞などに表れている。中学校では今年から科学的思考力を評価する算数特待入試が始まった。
昨年、UPAA(海外協定大学推薦制度)に加盟し、英米20大学への推薦入学が可能に。進路選択肢は海外にも広がっている。
安田理氏からのコメント:中学生の41%が「国際生」
近年帰国生入試に力を入れる学校が多いが、啓明学園は帰国生入試の老舗である。創立からして海外勤務者の子女の教育を担う学校だった。
現在でも中学の在籍者の41%が海外生活経験者。その出身国・地域は40にも及ぶほど多様であり、居ながらにして国際感覚が身につく。
さらに世界の私立学校の集まりであるラウンドスクエアにわが国で3校目として加盟しているので外国の学校との交流も豊富。啓明学園のグローバル教育はまさに本物なのである。
- 啓明学園中学校・高等学校
〒196-0002 東京都昭島市拝島町5-11-15
電話 042-541-1003
http://www.keimei.ac.jp/
安田 理(やすだ おさむ)
安田教育研究所代表。東京都出身。早稲田大学卒業。
大手出版社にて雑誌の編集長を務めたあと、2002年安田教育研究所を設立。