女性が真に自由になれる女性のための大学
多彩な学問分野で成長を力強くサポート
6月に世界経済フォーラムから公表された『ジェンダーギャップ指数』によると、日本は146カ国中118位、先進国でも最低の水準となっている。日本の社会は男性中心で、ジェンダー平等の実現には長い時間がかかりそうだ。
大学教育でジェンダー平等を体感できるのが女子大だ。男性がいないため「女性だから」と意識する必要がなく、切磋琢磨して課題解決に取り組み、リーダーシップを育むことができる。共学大では無意識のうちにジェンダーロールが発生することがあるのに対し、女子大では性別による差別や不利益は存在しない。小規模校が多いことも女子大の良さにあげられ、学生一人ひとりに向き合う丁寧な指導のもとで、女性が成長できる環境となっている。
女子大には、手に職をつける専門職養成や、知性と教養を高め生涯にわたって学ぶ姿勢を身につけるリベラルアーツに特徴のある大学が多い。妊娠・出産でキャリアが中断しても、自立して生きるための教育に重点が置かれている。
理系分野の教育は、薬剤師や看護師、管理栄養士などの資格取得が主流だったが、近年は理学・工学分野の学部設置が目立つ。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本では理系の高等教育を受けた女性の比率が加盟38カ国中最下位だが、15歳の生徒を対象に実施された「国際学習到達度調査(PISA)」の結果を見ると、日本の平均点は世界トップクラスで、日本の女子は、数学や科学の平均点で米国や英国の男子を大きく上回る。女子が理工系学部を選択しないのは、ジェンダーバイアスが関わっていると考えられる。
近年、理工系大学の女子枠設置が話題を呼んでいるが、女子大の理系学部も学びの環境として大きなメリットがある。男性が圧倒的に多い理工系大学と比べ、女子大は、教員や管理職の女性比率が高いのが特徴だ。ロールモデルとなる女性研究者や先輩を身近に見ながら、安心できる環境で、遠慮なく意見を述べ、協働する力を養っていくことができる。
25年度の主な変更点をあげておこう。学部の新設では、大妻女子大・データサイエンス、駒沢女子大・空間デザイン/観光文化/共創文化、実践女子大・環境デザイン、清泉女子大・総合文化/地球市民、日本女子大・食科学、フェリス女学院大・グローバル教養、武庫川女子大・環境共生、甲南女子大・心理、神戸女学院大・生命環境、神戸女子大・教育、安田女子大・理工などが開設予定(設置認可申請中、仮称・構想中を含む)。
一方で、清泉女学院大、名古屋女子大、神戸松蔭女子学院大、園田学園女子大は共学に移行する予定だ。