【大学受験】志望校選びに必要な「マイテーマ」をみつける–聖学院大学でワークショップを開催
「小学生の頃、ケーキ屋さんなりたい、スポーツ選手になりたい人は周りにいましたか?」参加した多数の高校生から手が挙がった。「では、商社マン、経営コンサルタントは?」手は挙がらない。
7月22日、聖学院大学(埼玉県上尾市)で行われたオープンキャンパスで、高校生向けの志望理由を考えるワークショップが行われた。講師を務めたのは、大学生向けにキャリア支援を行う「ハタチのトビラ」を主宰する高橋正成さん(写真)。同大学の「イマから始めるキャリアゼミ」も担当している。小学生はケーキ屋さんやスポーツ選手はイメージできても、商社マンや経営コンサルタントは、親の職業でない限りはイメージできない。イメージできないものは、仕事として選べない。それは大学生でも同様だ。そこで、高橋さんの会社では、さまざまなワークショップを通して将来の職業を知るきっかけを提供している。
しかし、職業を選ぶ以前に大事なことは、自分の仕事選びの「軸」を知ることだ。自分はどのような経験をし、どのようなことに強みを感じているのか。そこから見出された、自分が目指す仕事はどのようなものか。これを高橋さんは「マイテーマ」と呼ぶ。そして、マイテーマが必要なのは高校生も同じ。大学選びも、今後のキャリア形成を左右する重要な選択だからだ。にもかかわらず、大学の志望理由が「先輩が入学した大学だから」「指定校推薦のある大学の中で、合格できそうだったから」だけでは、入学してからのミスマッチにもつながりかねない。そこで、高校生に「自分は何が強みか」「どのような分野に興味があるのか」を考えるきっかけとして、今回のワークショップが開催された。
ワークショップでは、オリジナルのワークシートを使用。マンダラチャートと呼ばれる9つの正方形には「学校生活」「環境」「人との関係性」「学問分野」「課外活動」などの9つのマスがある。このマスを、高校生は将来をイメージしながら埋めていく。例えば「学校生活」であれば、「一人暮らししたい」「学びと部活を両立したい」「アルバイトと両立したい」と言った具合に、躊躇せずどんどん書き込んでいく。こうして書いたキーワードから、自分が重視する3つを選ぶ。さらに参加者同士で対話を重ね、最終的にマイテーマを完成させる。初めての試みになかなか手が動かない高校生には、スタッフを務める聖学院大学の学生がサポートに入っていた。
ハタチのトビラの高橋さんは、マイテーマは「問いの形」で書いてみようとアドバイスした。例えば「子供にとって楽しい授業とは?」「心理学を活かせる職業に就くための学びとは?」といった内容だ。大学は先生から知識を教わるだけでなく、自らの問いを探究する場。その問いを見つけるきっかけとして、今回のワークショップが役に立てば良いと考えている。
「大事なことは『マイテーマ』を仮でも良いので決めることです。格好良いテーマでなくとも良いのでありのままを書いて欲しい」と高橋さんは語る。テーマは大学生活の中で変化しても良いのだ。高校生活と大学生活の違いは、大学の方が自由な時間が圧倒的に増えることだ。自由度が高いということは、自分のやりたいことが無ければ、何もなく4年間が終わってしまうリスクを伴う。そうならないためにも、高校生のうちからマイテーマを考え、自分のやりたいことにマッチした大学選びを意識することが必要である。
聖学院大学では、自大学の取り組みを知ってもらうだけでなく、多くの高校生に大学選びについてもう一歩踏み込んで考える機会を提供し、入学後の大学生活の充実や、将来の職業選択などのキャリア形成につなげてもらいたいと考えている。今回のワークショップは8月5日、19日のオープンキャンパスでも開催。納得した進路選択のために、参加してみてはどうだろうか。
聖学院大学オープンキャンパスでのワークショップの詳細は下記URLから
https://www.seigakuin.jp/events/20230722-0805-19oc/