【大学選び入門】これからの大学選びは「マッチング」の時代 ~前編
「興味」から大学を見てみよう~–東洋大学
大学への進学を考えているものの、どの大学・どの学部を選べばいいか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。大学選び・学部選びにはさまざまな方法があります。そのなかで、「マッチング」が大切な時代になっていると教えてくれるのが、東洋大学で入試部門の責任者を務める加藤建二さんです。では、何と何をマッチングすればいいのでしょうか。どうすればより良いマッチングができるのでしょうか。加藤さんにうかがいました。
お話をうかがった人
加藤建二さん
東洋大学理事・入試部長
大学のホームページで先生の研究内容をチェック!
大学選びにはさまざまな視点があります。偏差値はその代表例ですし、ほかには、「家から通えるか」「キャンパスがきれいか」「就職に有利か」といった視点もあります。それらももちろん大切な視点なのですが、これからの時代で重要性が高まるのは、大学での学びとあなた自身の興味とのマッチングです。
大学の先生は高校までの先生とは違って、研究者でもあります。1人ひとりが専門分野を持っていて、そこで研究した内容を土台にしながら、学生へ指導を行っています。大学での学びは、「どの先生のもとで学ぶか」「どの先生のゼミや研究室に入って研究を行うか」によって大きく変わってくると言えます。別の言い方をすれば、「この先生に習いたい」「この先生の研究に参加したい」と思える場所こそが、あなたにマッチする大学であり、学部なのです。
とはいえ、学部や学科の名前を聞いただけでは、学びや研究の中身まではなかなかわかりません。そこで活用をおすすめするのが、各大学のホームページです。ホームページには、先生方の研究内容や実績などが紹介されています。ゼミや研究室の活動が紹介されている大学もあります。東洋大学では先生の研究内容の紹介に力を入れていて、「Web体験授業」という動画コンテンツを掲載しています。ここでは、それぞれの先生が「自分の研究が、社会とどのような関係があるか。どのような影響を与える可能性を秘めているか」という視点で授業を行っています。このような先生の紹介を見て、「おもしろそう」「自分もやってみたい」と思える大学・学部は、あなたに適している可能性が高いと言えます。
「おもしろい」を追究するからこそ、社会で役立つ力が身につく
進路選びにあたっては、将来の夢や目標を決めて、その実現に向けて大学・学部を絞り込むという方法があります。しかし、高校生の段階で夢や目標を決めることは、非常に難しいことだと思います。そこで、将来から逆算する進路選びではなく、あなたの今現在の興味から進路を考えるという方法も試してみてください。興味とは、「スポーツ」「海外」「人と話すこと」「ファッション」など、あなたが日頃感じている「好き」や「おもしろい」のことです。先ほど紹介した本学の「Web体験授業」では、それらのキーワードから検索して該当の授業を絞り込めるようになっています。そこでヒットした授業を見てみて、「この勉強はおもしろそうだ」と思えるものがあれば、あなたにとってのすばらしいマッチングと言えるでしょう。
興味を軸にして大学や学部を選ぶと、もしかしたら、「そんな勉強をしても就職には役立たないのでは?」と不安になることがあるかもしれません。しかし、興味を持って自分から学ぶという経験は、社会人になって役立つ力を確実に養ってくれます。逆に、興味もないのにやらされているだけの勉強では、知識はもちろんのこと、社会で必要な力も身につけることができません。あなたの興味と先生の研究内容がマッチする場所での学びは、学びのテーマや学部が何であれ、間違いなくあなたを成長させてくれるはずです。