海外名門大学に強い学校

そこで問題になってくるのが学費だ。海外大の学費は高い。米国の大学では、年間の授業料4万ドルという大学もある。日本の私立大の文系学部4年間の学費に匹敵するほどの高額だ。ただ、海外大では日本以上に奨学金制度が充実している。渋谷教育学園渋谷の室崎部長は「生徒は自ら調べ、教員と相談しながら、いくつもの奨学金をもらって海外の大学に進学するのが普通です」と言う。

経済的な問題から、海外大への進学を諦め、日本の大学に進学し、在学中に交換留学生として海外大に留学する生徒もいるようだ。交換留学の場合は、在学する大学の学費を納めていれば留学できる。海外大進学に強い高校の教諭は「なかには学費が日本より安いアジアの大学に進学し、米国の大学院に進学するとか、転籍して米国の大学に進学する学生もいます」と言う。4年間、2年間を日本より学費の安いアジアの大学に進学してから、米国の大学に進学するという方法だ。表中、私立中高一貫校が多いのも、経済的な問題もあると見られる。 卒業後の進路は海外で活躍する場合もあれば、帰国して就職している場合もあるという。

海外大への進学が一般的になってくると、経済的な問題を解決することで、受験生の志望校の選択肢は広がる。受験生にとって、大学進学で国境がなくなってきているといえそうだ。