未来を生きる力を培う教育への挑戦─三田国際科学学園中学校・高等学校

中学・高校情報 文 遠藤拓人(大学通信)
未来を生きる力を培う教育への挑戦─三田国際科学学園中学校・高等学校

急速な変化を続ける現代にあって、将来の予測が難しい時代となっている。そのような時代にあっても、生徒一人ひとりが社会で活躍する力を育てたい。その思いを原点に、学校と教育のあり方を問い続け、改革への挑戦を重ねているのが三田国際科学学園中学校・高等学校(以下、三田国際科学学園)だ。

学園の教育が目指しているものは、生徒の大学合格実績を向上させることではない。

教育の根底にあるのは、自立した学習者を育てるという理念だ。

自ら学び、培った力をもとに、目まぐるしく変わりゆく社会にあっても道を切り拓き、他者に貢献することができる人材を育む。そのための教育を学園は追求し続けている。

たとえば、国際教育は学園のそんな挑戦を象徴するもののひとつだ。国際社会での将来の活躍に通ずる教育環境が、学園内に築かれている。生徒は中学入学の初日から、英語を使ったコミュニケーションが日常となる。多数の帰国生や外国人教諭と接する環境の中、英語は生徒にとって、学ぶ科目ではなく思考や学習のための手段として、日常生活に溶け込んでいく。こうした国際環境の下、入学時の英語力に関わらず、多くの生徒が着実に語学力を伸ばしている様子がうかがえる。

また、多様なバックグラウンドを持つ帰国生や外国人教諭との交流は、生徒に多様な価値観をもたらし、物事を多面的に捉える力を育んでいく。そして、自分の意見を持ち、他者と共有し合う経験の積み重ねが、問いを見つけ、課題に向き合い、学びを深めていく学習姿勢を自らの内に育てていく。

学習者として自立していく生徒たちにとって、進路選択の際、海外大学挑戦を視野に入れることは、決して特別なことではないようだ。近年、北米大学を中心に海外大学を受験する生徒の数が増えている。

生徒達のそうした挑戦を学園も後押ししている。その一環として、2025年には新たに高校のIC(インターナショナルコース)へ、『AP(Advanced Placement)』プログラムが導入された。

『AP』は、アメリカの非営利団体College Boardが運営する学習プログラムで、高校生に大学レベルの高度な学びの機会を提供する。日本の一条校での導入実績はまだ少ない。プログラム履修者はAP試験の成績を通じて、大学受験時に学力・学習意欲を大学側に示すことができ、評価のひとつとなる。また、大学入学後に単位として認められる場合もある。

高度な学問分野に挑戦できる『AP』プログラムは、生徒の学びを一層深めるとともに、学園が従来展開してきた、西オーストラリア州教育省と提携する『DDP(Dual Diploma Program)』と合わさり、海外への挑戦を一層後押しするだろう。今年度は世界最難関とも言われるミネルバ大学に合格者が出るなど、進路が多様になっている。

こうした進学実績は、生徒一人ひとりが、自らの可能性を広げる学びの場を主体的に選択し、掴み取ってきた結果の表れに他ならない。そして、それを支えているのは、生徒の可能性を広げることを第一に据えてきた学園の挑戦だ。

未来を生きる力を培う教育を追求し続ける三田国際科学学園の挑戦と、生徒たちの歩みが今後も注目される。