写真=三輪田学園中学校・高等学校
いつの時代も難しいのが学校選び。わが子にあった学校に進学させるために、役立てたいのがエキスパートの意見だ。首都圏の学習塾にアンケートを実施し、312学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計した。
1位は三輪田学園。昨年に続いてトップとなった。豊かな人間性と高い学力を併せ持つ「徳才兼備」を教育理念に、138年にわたる女子教育の歴史を持つ。2015年度に、隣接する法政大学と高大連携協定を締結。2023年度よりその連携をさらに深め、高3生を対象とした法政大学の各学部教授による全12回の講座や、法政大学データサイエンス聴講制度がスタート。また、法政大学指定校推薦制度を締結して全15学部に最大30人の推薦枠が設定された。さらに、2023年秋には東京女子大学、津田塾大学とも連携協定を締結。オンデマンドでの講義聴講や大学図書館の利用など、大学の学びに触れる機会を増やすほか、指定校推薦枠も設置し、さらなる高大連携を進めている。
2位は明治大学付属世田谷(現:日本学園)。2022年に、同校近隣に和泉キャンパス(京王線明大前駅)をもつ明治大学と、系列校連携に関する協定を締結した。これにより、2026年4月から明治大学の系列校として「明治大学付属世田谷中学校・高等学校」と校名を変更し、男女共学校となる。加えて、2029年度からは明治大学への付属高等学校推薦入学試験による入学者の受け入れを開始する。この制度のもと、卒業生の約7割(約200人)以上が明治大学に推薦入学試験で進学できるようになる予定だ。2025年には創立140周年を迎え、8月に新校舎が完成した。26年度より女子生徒を迎えるにあたり、施設の整備や女性教員の増員など、共学化に向けた取り組みも進んでいる。

明治大学付属世田谷中学校・高等学校
3位は中央大附。中央大学の併設校として、中高大の一貫教育の利点を生かした取り組みを推進している。中学では、中央大学法科大学院と連携して同大学院教授から授業を受け、大学院生とともに事件の有罪か無罪かを討論する法教育を実施。この授業を通して、法解釈や法手続きのあり方を学ぶ。また、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けており、2023年度より第2期指定校となった。最先端技術に関わる研究者を招いて話を聞く「SSH講演会」や、高3の理系生徒対象の「Project in Science Ⅱ」など、大学と連携したプログラムを実施。「Project in Science Ⅱ」では、中央大学理工学部の教授らから指導を受けながら、自身が設定したテーマで研究活動を行うことができる。
4位は北里大附順天(現:順天)。2025年3月に、学校法人北里研究所と系列校化に関する協定を締結し、2026年4月より北⾥研究所・北⾥⼤学の系列校として「北⾥⼤学附属順天中学校・⾼等学校」と校名を変更。2026年度大学入学者から全9学部18学科で内部進学制度を開始する。また、中高大、そして大学院までの一貫した教育環境の整備にも力を入れ、北里大学への進学を希望する生徒には高校在学中から大学で履修する単位の一部を取得できる制度「AP(Advanced placement)プログラム」を導入する予定だ。大学の授業を先取りすることで、大学入学後の研究活動にスムーズに入れるだけでなく、海外留学や他の課外活動など、生徒の可能性を広げることを狙いとしている。
5位は東洋大京北。教育者であり哲学者である井上円了が、1899年に開校した京北尋常中学校を前身とする。「諸学の基礎は哲学にあり」を建学の精神に掲げ、物事を深く考え、着実に実行する力を育む教育を実践。2015年4月から東洋大学附属校として男女共学となり、「東洋大学附属校推薦入学枠」が導入された。また、東洋大学と連携したプログラムも実施。東洋大学で学ぶ留学生を招いて、英会話や簡単なゲームで交流する「Let’s Chat in English」や、中3生および高1生対象の生命科学部、食環境科学部を中心とした教員や学生による連携講座「未来の科学者育成プロジェクト」、附属3校の生徒が東洋大学でともに学ぶ「Summer Academia」など、さまざまな取り組みを行っている。
<表の見方>
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首都圏の学習塾にアンケートを実施し、312学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。
無印は公立、◎印は私立を表す

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