写真=芝浦工業大学柏中学高等学校
いつの時代も難しいのが学校選び。わが子にあった学校に進学させるために、役立てたいのがエキスパートの意見だ。首都圏の学習塾にアンケートを実施し、312学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計した。
1位は芝浦工業大柏。昨年に続いてトップとなった同校は、2024年度より第1期、第2期に続いてスーパーサイエンスハイスクール指定校第3期の指定を受け、中高6年間を通した科学的な課題研究プログラムを推進している。中学1年から充実した設備のもとで理科の実験を行っている。全員必修の特設科目「SS(芝浦サイエンス)」を設置するほか、課外活動の場である「サイエンス研究会」で発展的な研究に取り組みたい生徒を支援している。また、大学設備の一部利用や研究者からアドバイスをもらうなど、理工系大学併設校である利点を生かした学びを提供。さらに、理数系コンテストへの参加の推奨や、芝浦工業大学と連携した女子生徒への理工系キャリアに関する情報提供なども行っている。
2位は豊島岡女子学園。同校も2018年度よりスーパーサイエンスハイスクール指定校となり、2023年度から第2期の指定を受けた。中高6年間で段階的に課題研究に取り組むカリキュラムのほか、独自のSTEAM教育などを通して、科学的な思考力や主体的な課題解決力を育成している。中学では複数教科で課題探究につながるスキルを身につけることで基礎を固め、高校1・2年の「科学探究Ⅰ」や「総合探究Ⅱ」「科学探究Ⅱ」で自ら課題を設定して探究活動に取り組む。活動の発表の場「Academic Day」は、ポスター・口頭発表を通して各自が披露し、外部指導者や教員、卒業生、在校生からアドバイスをもらうなど、次の活動へ生かす機会となっている。

豊島岡女子学園中学高等学校
3位は芝浦工業大附。「理系」ではなく「理工系」の学びにこだわり、理工系大学の附属校というメリットを生かしたSTEAM型カリキュラム、そして独自のSTEAM教育を実践している。すべての教科と科学技術との関わり合いを学ぶ「ショートテックアワー」のほか、中学3年では実験・工作の体験授業「サイエンス・テクノロジーアワー」を設け、サイエンスリテラシーの基礎を養成する。また、芝浦工業大学と連携したものづくりに関する特別授業も実施。中学1年では「工学わくわく講座」、中学2年は「ロボット入門講座」、中学3年では「ものづくり体験講座」、高校2年は「理系講座」、高校3年では「大学先取り授業」など、最先端の研究に触れる機会を用意している。
4位は宝仙学園(順天堂大学系属理数インター)。同校は主要5教科の授業数を増やし、中学3年間で基礎を定着させるカリキュラムを展開している。数学は「代数」「幾何」に分けて授業を行い、週5(中2・3は週6)の授業と週1回のフォローの時間を設けている。理科は「物理地学」「化学生物」に加えて「理科実験」の授業が設置され、同校オリジナルの実験も実施。また、サイエンス教育、ICT教育、グローバル教育の要素を入れたチーム・ティーチングによる授業「理数インター」を導入。教科書を使わずに自ら考え、答えを導き出す力を養っている。2025年度からは「医学進学コース」がスタート。医学部進学に必要な力を養うために、数学と理科で先取り授業を実施している。
5位は広尾学園。中高ともに医学部や理系学部を目指す「医進・サイエンスコース」を設置し、中高6年間を通した研究活動を行っている。中学では「理数研究」として授業の中で研究に取り組み、高校では大学や研究機関とも連携しながら本格的な研究を進め、集大成として学会等での成果発表を行う。また、生物・物理・化学それぞれの高度な実験環境が整うサイエンスラボを整備。大学や研究所との連携も盛んで、iPS細胞の培養といった高度な研究活動も行っている。年間を通じて先端分野に触れるサイエンス講座や、第一線で活躍する医師や研究者を招いて行う講演会など多様なプログラムも用意し、生徒の視野を広げ、モチベーションを高める取り組みを推進している。
<表の見方>
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首都圏の学習塾にアンケートを実施し、312学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。
無印は公立、◎印は私立を表す

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