写真=京華中学校・高等学校
いつの時代も難しいのが学校選び。わが子にあった学校に進学させるために、役立てたいのがエキスパートの意見だ。首都圏の学習塾にアンケートを実施し、312学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計した。
1位には昨年に引き続き京華がランクインした。校訓「Never die(ネバー・ダイ)」は、目的や目標に向かってやり抜く意志や行動力といった人格的なバックボーンを身につけようという京華生の合言葉。さまざまな行事や宿泊体験でのグループワークを大切にし、探究学習を通して協力して発表する機会を数多く設定するなど、創造性に富んだ授業や趣向を凝らした企画が用意されている。また、グローバル教育にも力を入れ、中学2年に2泊3日で行われるイングリッシュキャンプ(国内留学)や、中学3年でのシンガポール研修旅行のほか、短期・長期での留学制度や夏季海外研修など、語学力だけでなく、異文化への理解や国際的な視野を広げるための多様なプログラムを用意している。
2位は渋谷教育学園幕張。自らの手で調べ、自らの頭で考える「自調自考」を校是とし、個性豊かな人間を育てる教育が特徴だ。中高の6年間を3ブロックに分け、中学1・2年は1クラス約30人の少人数授業が中心。高校2年でコース別クラス編成のもと大幅な科目選択を導入し、高校3年でほとんどの科目が選択授業となる。6年間すべての授業内容がシラバスで提示され、自発的な学習を喚起する工夫がなされている。また、中学1年から英会話をカリキュラムに取り入れているほか、帰国生・留学生の受け入れや海外研修、留学制度など、異文化に触れる機会を多く設置。中学3年からは第二外国語講座が開講され、希望者は中・仏・西・独・韓のうちの1言語を選択して学ぶことができる。

渋谷教育学園幕張中学校・高等学校
3位は駒込。仏教主義の学校として、了翁会、涅槃会などの仏教行事があり、入学式は花祭り(灌仏会)の日に行われる。また、学校生活で自らの可能性を発見し、自己肯定感と忘己利他の精神を養うため、中高それぞれ体育祭や文化祭(玉蘭祭)、修学旅行(高校は海外)、中学独自の英語スピーチコンテスト、林間学校、合唱コンクール、中学2年の日光山研修、高校1年の比叡山研修、英語エッセイコンテストなど生徒が自身を鍛え、活躍できる行事が多く用意されている。また、クラブ活動は約80%の入部率で、都大会出場の運動部、受賞者続出の文化部ともに盛ん。校舎は南北線本駒込駅、千代田線千駄木駅、都営三田線白山駅の3駅が最寄駅で徒歩数分圏内にあり、アクセスも良好だ。
4位は市川。88年の歴史を持つ千葉県の共学校だ。建学の理念の一つである「第三教育」は、主役である生徒本人が自分で自分を教育し、生涯学んでいける力を養うこと。生徒一人ひとりの個性を見つめ育て、生徒が自ら自分自身を作り上げていく喜びと出会えるよう指導している。そのため、課外活動は、生徒の自発的な活動を推進。受験勉強という枠組みを越えて自らの興味・関心を引き出し、能動的な学びを進めて将来の進路や教養を豊かにするものと捉えている。主要5教科の基礎的な学力や教養に加え、芸術・体育・プログラミング等の知識を土台に、根拠を持って自分の意見で議論する力、論理的思考力、多面的に物事を見る力などを養いながら、学習意欲向上や進路選択につなげていく。
5位の桜丘は、2024年に創立100周年を迎えた共学校。「自立した個人の育成」を掲げた「人間教育」に力を入れ、リーダーとしてクラスをまとめる「MC制度」や、模擬選挙などを通して政治について考える力をつける「主権者教育」を展開し、論理的思考力や問題解決力を養う「プレゼンテーション」の機会も数多く設けている。全員参加の国内研修旅行のほか、中学3年次から高校2年次の間にセブ島での英語研修、オーストラリア研修、アメリカ姉妹校訪問など、多様な研修制度も用意。2026年4月には高等学校を3コース制へとリニューアルする予定だ。また、学校周辺は史跡や博物館が点在する飛鳥山公園にも近い文教地区であり、JR、地下鉄、都電が利用できる便利なエリアだ。
6位の桐光学園は、1978年開校。神奈川県川崎市麻生区に位置する男女別学で、男女の理解のプロセスに応じた適切な教科指導を展開している。「世界に眼を開く」という建学の精神のもと、多様性を尊重し、個の可能性を最大限に引き出す教育を行っている。帰国生が最大12%を占める同校では、それぞれのニーズに応えるための「グローバルプログラム」を充実させている。2023年度には世界から注目されているアメリカの教育先進校「High Tech High」の授業を盛り込んだサンディエゴでの研修を開始。2024年度からは、日本にいながらカナダの高校卒業資格(海外大学や国内難関私立大進学に有効)を得られるダブルディプロマや、国内大学受験の準備をしながら海外名門大学も受験できるグローバル併願などがスタートした。
<表の見方>
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首都圏の学習塾にアンケートを実施し、312学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。
無印は公立、◎印は私立を表す

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